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10話:...あなたなにも持ってないのね

よろしくお願いします!

 俺たちは今、京の都の洛外を歩いて回っていた。

 もちろん理由は仲間探し。

 しかし、俺の足取りはとても重たいものだった。


「はぁー...全然やる気でねぇー」

「もうどうしたの仁?いつもの仁らしくないよ?」

「そんなこと言われてもなー...」


 あんなこと言われたら...


 そして、俺はあの事を回想した。


『なんでそう言うこと話しとかないの!?』

『聞かれなかったからですが?』


 さっきまでの申し訳なさそうな表情は嘘だったのかと言うぐらい、ロリ妖狐はケロッとした表情で言った。

 てかこいつは嘘の塊みたいなやつだったな。


『それは最初に説明しとくもんだろ!』

『正直悪いと思ってますよ...でもこれを言っちゃうと仁さん帰りたいって言うと思ったから...』


 泣く仕草を見せるロリ妖狐。

 だが今度は騙されねぇ...これは嘘泣き...


 俺は嘘泣きだと思った。

 しかし、よく見ると本当に涙を流しているのだ。

 さすがに涙を見せられるとそういうのに弱い俺は、


『...そんなこと言わねぇよ。とりあえずメンバー探すまではな』


 と言った...てか言ってしまった。


『仁さん...』


 ロリ妖狐はうるうるした目でこっちを見る。

 と思った次の瞬間、ロリ妖狐がニタッと笑った。


『なーんて、仁さん騙されたーwこれ嘘泣きですよwwいやー、それならなんの問題もありませんね。良かった良かった』


 ロリ妖狐はやっぱり嘘泣きだった。


『マジ...か』


 俺は二回も騙されたことに、自分に呆れてその場に膝まづいた。


『まぁまぁ、そんなに気を落とさないでください』

『誰のせいだと思ってんだよ!』

『てへぺろ☆』

『くそムカつく...』


 ちょっと可愛いと思った俺にもムカつく!


 そうこうしているうちに、スフィアが洗い場から戻ってきた。

 ロリ妖狐は「頃合いか....」と言って、俺たちに指を指して、


『じゃあ、時間も押してるのでちゃちゃと行ってください。スフィアも一緒に行きなさい。そして、どんなことをしても仁さんを連れていきなさい!』


 と言うだけ言って、その場から立ち去ろうとした。


『承知!さぁ、仁行くよ!』


 相変わらず、何故かロリ妖狐に従順なスフィアは俺を引っ張って連れていこうとした。


『ちょっ!引っ張んなよ!』


 俺はそのまま引っ張られながら外に出た。

 するとロリ妖狐が立ち止まって言った。


『仁さん、頑張ってくださいねぇー...あ、一個言い忘れてましたけど、もう一人の自分に出会っちゃったらどえらいことになるらしいですから。ご無事を~』


 そして、今度こそ立ち去った。


『わかったよー...ってなるかぁ!!スフィア一回離せ!』

『それは無理でガンス』

『ふざけんなー!!』


 そうして俺の叫びも空しく、今のこの状態になってしまっているわけだった。


「今日は朝から何て日だ!」


 俺はある芸人コンビのネタを使って、今の気持ちを表してみた。


 どうせばれねぇしな。


 しかし、それを見たスフィアの反応は予想外のものだった。


「あははw仁、それあの人たちのギャグじゃんwwてか、なんでしってんの?」

「えっ?あの人たちって?」

「ん?ほら、あそこの貼り紙見てみて」


 スフィアの指差す方を見ると、壁に貼り紙が貼ってあった。

 恐る恐る俺はその貼り紙を見てみると、そこには俺の知ってるあの芸人コンビの顔が書かれていた。


「この人たちは?」

「えー、知ってるんじゃないの?いっつもそこにある劇場でおもしろい小芝居してくれるんだよ。ここら辺じゃ結構有名かな」


 おいおい嘘だろ、瓜二つなんてレベルじゃないぞ!

 やっぱり、あいつのいってたことは本当だったのか...


 俺は改めて確信をして、絶望...しなかった。

 なぜなら、


「なぁ、その人たちの小芝居って今日あんのか?」

「うん、もうすぐ始まるみたい」

「よし、じゃあ行くか!」


 俺は一目散にその劇場へと向かった。


「ちょ、ちょっと!なんで劇場に行くの?私たちの目的は仲間探しだよ?」

「そんなもん二の次だ!今はあの人たちの小芝居を見るのが最優先事項だ!」


 そう、俺は何を隠そうあの人たちの大ファンだったなのだ。


 生で見れるなんて...まぁ、違う人だけどやることは同じだろ。

 ついでにサインももらっちゃお。


 しかし、スフィアはそれを許さなかった。


「仁、もちろんそんなとこ行かないわよ」

「えっ!なんで!?」

「決まってんでしょ!ほら、仲間探し行くよ」

「嫌だ!離せ!俺は、あの人たちの小芝居生で見て、そんでサインもらうんだよー!」

「うるさい!」

「サイン!サイン!」

「うるさいなー。こうなったら....ていっ!」


 ビシッ


「ぐえっ」


 俺は、スフィアの手刀で首をやられて一回気絶をした。

 しかし、


「とう!」


 グボッ


「がはっ!」


 今度は腹に膝げりをくらい、俺は激痛で意識を無理矢理戻された。


「次駄々こねたら、またこれやるから...無限に」

「イ、イエッサー...」

「よし!じゃあ、行こー」


 そう言って、スフィアは歩き出した。


「とほほ...」


 俺はそれにしぶしぶついていった。


 絶対今度行ってやるんだから!


「ところで仁。仲間ってどうやって集めるの?」

「知らねぇよ。とりあえずなりそうなやつ探して話しかければいいんじゃねぇの?」

「ふーん...」


 そうして、俺たちはそれらしいやつを探してきょろきょろ辺りを見回しながら歩いていた。

 すると何か軽い衝撃を感じた。


「ん?」

「...」


 見ると、俺の肩ぐらいまでの身長の少女が俺を見上げていた。

 どうやら彼女とぶつかってしまったらしい。


「あ、悪い」

「...いいよ」


 よく見なくてもすごいかわいいな。


「じーっ」


 ぶつかってきた彼女はじっと俺のことを見つめていた。


「...何?」

「...あなたなにも持ってないのね」

「えっ?」

「...なんでもない」


 変なやつ。


「あ、こんなことしてる場合じゃなかった。じゃ、行くね」

「お、おう」


 そう言って、彼女は走り去っていった。


「可愛い子だったねー」

「ああ」

「それにしてもなんであんな急いでたんだろうね」

「さぁな」


 俺たちはまた歩き出そうとした。

 その時、前から男の人が走ってきた。


「なぁ、そこの二人さんちょっといいか?」

「どうしました?」


 男の人の息は相当あがっていた。


「ちょうどあんたの肩ぐらいまでの身長の女の子通らなかったか?」

「ああ、それならさっきぶつかりましたけど」

「本当か!?」

「あ、はい」

「どっちいった?」

「あっちの方に...」


 俺がそう教えると男の人は「ありがとう!」と言ってその方向に走っていこうとした。


「何かあったんですか?」


 俺はただ事ではなさそうだったので、聞いてみた。

 すると、男の人はこう答えた。


「あの子のこと知らねぇのか?あの子は盗みの常習犯だよ!」

「「えっ!?」」


 まさかあの子が!?


 俺がぶつかった彼女は、あろうことか盗人だったのだ...






お読み頂き感謝です♪


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