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異世界で勇者になる  作者: 風美 佑
始まりと出会い編
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第8話

── そして、2週間がたった


たたないかな?たたないだろうな


昨日のように怒鳴り起こされ、顔を洗いに行こうとベッドから起きようとした途端、体中に激痛が走った


無論、筋肉痛である


悲鳴を上げる体を引きずりながら顔を洗い、外へ出る


「今日は走らなくていい。体中の筋肉をほぐすために柔軟だ」


俺は安堵した。もし今日も走れなんて言われたら、現代医学の常識とともに、筋肉について長々とカルドスに語ろうとまで考えてさえいた。そう、ぼくかがくしゃ


朝食をとったあと、俺は柔軟を続け始めた


筋肉痛が半端じゃない


科学者というインドア人生を歩んできた俺にとっては、経験したことのない痛みだ


いや、筋肉痛になったことがないわけじゃなくて、これほどの痛みは始めてだって意味


あれ?誰に言い訳してるんだ?


ようやく痛みが和らいできたので、散歩をしに出かける


村をゆっくりと歩き回り、太陽が真上に来たところで、家に戻る


昼飯を食べた後、日光浴をする


今日はとことん休む


そして、風呂入って寝た。



朝起こされ、まだ少し痛む体で村一周マラソンをこなし、朝食を食べたあと柔軟をする


運動の日と休む日が交互に繰り返されるようだ


夕方になると薪割りという重労働が待っているので、寝ることにした



夕方、薪割って風呂入って飯食って寝た


あ、そうそう、夕飯のシチューがすごく美味しかった。マジで



そんなこんなで、2週間。


村一周も、楽に走れるようになり、薪割りだってある程度楽になってきた


2週間にしては、ずいぶんと成長が早い気がする


早朝訓練を終えて朝食をとったあと、部屋に戻りベッドに腰掛け「長かったな…2週間」とぼやいた


さて、なぜ俺が2週間に固執するのか


それは、カナリアが東の森へ行くまで5日かかるといっていたからだ。


往復10日。


そろそろ村に来る頃だろう


なぜこんなに待ち遠しいのか、少し疑問ではある


実験機材が届くのを待っているかのような感覚に、似ているようで、どこかちがう


俺はそんなに魔法が習いたいのだろうか


確かに、興味的ではある


魔法なんて非科学の象徴、本当に実在するのだろうか


しかし、この世界にはマナというものが存在するらしい


ということは、そもそもこの世界と元いた世界は根本的なところから違うのかもしれない


魔法について思いを馳せていると、家の扉をノックする音がした


反射的に体が動き、玄関へと駆け出す


扉を開けると、そこにはカナリアがいた


「約束を果たしにきたぞ、少年」


ほんの2週間ぶりなのに、とても懐かしく聞こえる鈴の音のような綺麗な声


「待ち侘びたぞカナリアっ!」


感極まって叫んでしまった


ナナリーも出てきて、「ひさしぶりね」と軽く挨拶をした


「さて、行こうか」


「カナリアちゃん、ソーヤをよろしく。ソーヤ、カナリアちゃんの言うことはちゃんと聞くのよ」とナナリーが言った


「わかったよ」と返事をし、カナリアと歩き出す


「来てから早々に聞くのもなんだけど、どれくらいいられるんだ?」


「私の代わりに東の森から使者を送ってもらったから、少年が魔法を習得するまでずっといるつもりだ」


「ふーん」と素っ気なく返したが、なぜか嬉しい気持ちになった


さっきからなんなんだ?不整脈?


村の東側にある林に入り、いい感じに開けた場所を見つけると、「ここで修行をするか」と言った


3つ切り株があったので、切り株に腰を下ろした



「さて、魔法の修行を始めようか」



少し短いのですが、きりがいいので

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