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異世界で勇者になる  作者: 風美 佑
奴隷奪還編
23/26

傾国の少年

長らくお待たせいたしました

眼前に迫る大勢の私兵に向かって、俺はかなり大きめの炎弾を放つ


ドガン!という爆発音と共に、炎弾に直撃したやつと、その近くにいたやつが消し飛んだ


さらにその爆風で周りにいた私兵たちが吹き飛ばされる


あまりの破壊力に、巻き込まれなかった私兵たちが唖然としている


「今のでどのくらい減ったかな?」


ニヤリと不敵な笑みを浮かべて、1番手前にいる私兵に話しかける


「ひ、ひえぇぇ!い、嫌だ!死にたくねぇよぉ!かあちゃぁぁぁぁん!」


情けない声をあげて逃走する私兵につられ、何人かが逃げ出し始める


「けっ。死ぬのが怖いんなら傭兵なんかやめちまえってんだ」



「待てぃ!待たんか!貴様ら、誰に金をもらって生きているんだ!逃げるな!戻ってこい!」


レチェリーの怒声を聞き、逃げるのをやめるやつもいれば、聞かぬふりで逃げる奴もいた


「ちっ。めんどくせえ。今のでみんな逃げると思ったんだが。これが最後の最後だ!武器を捨てろ!武器を持たない奴は攻撃しない!約束する!」


隣と顔を見合わせて武器を捨てる奴がまばらに現れてきた


そうだ、それでいい


しかし、傭兵として踏んだ場数が違う奴は武器を捨てていない


「おい!何をしているさっさとそいつを殺せ!」


再びレチェリーの怒声。しかし、その声を聞いても、武器を捨てた私兵たちは捨てた武器を拾おうとはしない


「さてと、これで半分くらいは無力化できたかな?」


ロングソードを抜き、構える


「おら。かかって来いよ」


まだ闘争の意思のある奴らが束になって襲ってくる


上段から振り下ろされた剣を避け、がら空きの胴に横薙ぎの一閃を放つ


突き出された槍を弾き、流れるようにロングソードで突き返す


四方から同時に攻撃されたが、お馴染みの酸素の壁→爆発で切り抜ける


剣と剣がぶつかる摩擦音、弾ける火花。銀色の軌跡を残すほどのスピードで俺は広場を駆け、速さと力の乗ったのでロングソードの斬撃の乱舞によって次々と私兵達が絶命していく


武器を持たない奴をうまく避けつつ、襲いかかってくる私兵だけを狙う


「ほらほらっ!今からでも遅くないぞ!武器さえ持っていなければ攻撃しないぜ!」


その時、ズブッと槍が俺の肩を抉った


「ひゃっはぁ!当たったぜ!ざまぁみろ!」


死角から槍を投げたらしい私兵が諸手をあげて喜ぶ


「きかねぇんだよなぁこれが」


刺さった槍を抜く


すると、みるみるうちに肩の傷が塞がり、出血が止まる


「…………は?」


大口開けて驚く槍投げ君


ザッと音がしたので振り返ると、俺が槍投げ君に気を取られている隙を狙って忍び寄った私兵が斬りかかってきた


「おっと危ない」


ひらりと交わしつつ、足をかける


無様に転ける私兵


そのままうつ伏せになっているそいつの首にロングソードを突き立てる


広場が静まり返る


「おい!貴様ら何をしてる!数で押せ!奴は1人だ!大勢に襲いかかられたら潰れる!」


「そうよ!はやく倒しちゃいなさいよっ!」


七貴族のうちの2人から命令され、私兵たちがバッと俺を中心に円を作る


そして、俺に向かって突撃してきた


おいおい、こいつらバカなのか?


俺は空気をサッカーボールほどに圧縮し、それを勢いよく踏みつけ飛翔する


円の内側にいた私兵が、見方の突き出した武器に突っ込んで死んでいく


放物線を描き落下する中、俺の目に入ったのは大量に散らばる無惨な死体


「あいつらみたいに武器を捨てればよかったんだよ。そんなに貴族が怖いのか、それとも金のためか」


着地した俺めがけて、やけくそになり突っ込んでくる私兵たち


ロングソードに風の刃を纏わせ、さらにその風を伸ばす


一振り


ズバッと俺に向かってきた私兵たちの体が真っ二つに引き裂かれる


広場にあるのは、七貴族と武器を捨てた私兵。ステージの上の奴隷たちと、死体


「なんなのよこいつ、悪魔なんじゃないの?」


「ふん。我が相手しよう」


筋肉隆々無精髭が前に出てきた


こいつ、武器も持たずに何言ってんだ?


「我はレイジ公爵。生憎貴様に名前まで教えるつもりはない。我の武器はこの肉体。さあ、かかってこい。貴様の偽善を打ち砕いてやろう」


「言われなくてもッ!」


地面を蹴り肉迫する


レイジ公は何の構えもなくただ立っているだけだ。しかし、その目はしっかりと俺の動きを見切っていた


「喰らえッ!」


胴に横薙ぎの一撃を叩きつける


「……まじ?」


俺のロングソードは、奴の腹に数センチめり込んだだけ


「この程度か」


「やべっ──」


めり込んだロングソードが抜けず、眼前に迫る拳を避けることができなかった


ズドムッとレイジ公のアッパーが腹にめり込み、俺を宙に飛ばす


「──ガハッ」


悠に5メートルほど吹っ飛び、地面に背中から叩きつけられ、肺の中の空気全てを吐き出す


「げほっごほっ」


血を吐きながらもなんとか立ち上がる


「肋骨は確実に砕いた。呼吸するのも苦しいはずだ。諦めろ。我には勝てん」


腹にめり込んだ俺のロングソードを引き抜き、その両端を持って──真っ二つに折った


「なんてこと……しやがるっ」


「これで貴様の武器は魔法だけだな。さあ、試してみるといい。俺に魔法がきくかどうか。まあ、その状態じゃあ何もできないだろうがな」


「さっすがレイジ公!惚れちゃいそう!」


「やめてくれ気持ちが悪い」


固まって動かなくなるロン毛オネエ


「では、トドメと行こうか」


ズンッと地面を蹴り、レイジ公が右手を振り上げ突っ込んでくる


思い切り俺に向かって振り抜かれた右拳を仰け反るように避ける


なんとか回復が間に合った


「ほう。まだ動けるとは。さすがは勇者を語るだけはあるな」


飛びあがり、キックを放つレイジ公


横に転がり回避し、立ち上がろうとした俺に、またまたアッパー


これも危うげによけて立ち上がる


ジャブ、ストレート、フック、アッパーと次々に繰り出される拳を避ける


「ふふふ、下がガラ空きだな」


ムチのようにしなる蹴りが俺の脇腹に打ち込まれる


「──うごぉっ!」


体がくの字に折れ曲がり、ミシミシと軋む


もちろん能力強化アビリティオーバーライドを使って、身体能力を極限に引き上げているのだが、それでもかなりのダメージを受けた


なんて速さだ。人間かこいつ。既に俺の体は危険信号を鼻血という形で示している


「ふふふ。彼の肉体には武器も魔法も無意味。私レベルの魔法もきかなかったのですよ?」


ガリガリに細い奴が笑いながら言ってきた


あいつがどれほどの使い手かは知らないが、魔法が効かないとは……


仕方ない。こいつにかけてみるか


突き出されたストレートをかがみこんで避ける


俺の右手に青白い光がバチバチと音を出しながら集まり始める


「スタン──」


そのままバネのように飛び上がりながら、レベル公の腹に右手を当てて


「──ガン‼︎」


レイジ公の体に電流を流した


一度も電気系統の魔法を使ったことがないので、成功するかどうか不安だったが、どうやら成功したようだ


バチバチッという音と共に、レイジ公の前進を高圧電流が駆け巡る


「──あがっ」


耳や鼻、口から煙を上げて倒れるレイジ公


即死だな


「ひっ?レイジ公?レイジ公ォォォ!」


ロン毛オネエの絶叫が響く


「なんだ今のは?何が起こった?」


残った6人がオロオロし始めた


どうやらこの世界に電気系統の魔法はないようだ


ピシッ、と俺の右手の皮膚にヒビが入り、そこから血が流れ出した


能力強化を解除し、傷の回復を始める


「貴様、まさか魔導師⁉︎そんな魔法見たことがない。エルフの域を脱している‼︎」


「ハァ──ハァ──、おいガリガリ、次はお前だぞ」


睨みつけてやると、ガリガリはジリジリと後ろに下がる


「ふ、ふふふ。貴様がまだ未熟だということは私でもわかるぞ。大技を放つ前は、術名を唱えなければイメージがうまくできず、魔法の制御ができない。そうだろう?」


まさにその通り。だが


「それがどうした?」


右手に青白い電流を発生させ、一歩奴に近づく


「お、おいエアガンス公!貴公が挑発するから奴がこちらに⁉︎貴公の言動はいつもいつも我々を困らせる!なぜあんな大きな態度をとるのだ?」


レチェリー以上に肥えた豚野郎が叫ぶ


「ええいうるさい!私が奴を倒せばいいのだろうガルトニー公」


そう言ってガリガリもといエアガンス公はどこからか1メートルほどの長さの杖を取り出した


杖の頭の部分には赤い宝石が埋め込まれている


「ふん、なにやら奇妙なものを見る目だな。そうさ、我々人間はこうして杖に頼らねば魔法は使えないのさ!」


杖で宙に何かを描き、その先端を俺に向けてきた


「フレイムボム!」


杖の宝石が輝き、先端から炎の玉が打ち出される


俺は強風を起こして炎の玉の起動を逸らす


「ええい、これならどうだ!ファイアクウェイク!」


また宙に何かを描き、術名を叫ぶエアガンス公


ジリッと足元から皮の焦げる独特な臭いがした


「──ッ」


危険を感じ、横に飛んで回避すると、今まで俺の立っていたところから炎が噴き出した


「くーっ!今度こそ!フレイムバード‼︎」


杖から炎の鳥が噴き出し、俺めがけて飛んでくる


直線ではなく、クネクネと飛び回りながら飛んでくるので、撃ち落としづらい


すれすれまで引きつけて、避ける


すると、よけられた炎の鳥は急上昇、方向転換してまた俺に向かってきた


「ふふふ、ふはははは!どうだ!これが百発百中の我が奥義!フレイムバード‼︎」


迫り来る炎の鳥


俺は右手を掲げ、空気中の二酸化炭素を集めて、盾をつくる


シュッと、二酸化炭素の盾にぶつかった部分からどんどん消えていく炎の鳥


「ば、馬鹿な!ありえん!ありえないぞ⁉︎私は認めない‼︎」


「お前が認めるかどうかなんて関係ないんだよっ!」


エアガンス公に向けて、俺も炎の鳥を放つ


エアガンス公の物とは違い、一直線に敵めがけて飛んでいく


「嘘だ!嘘だぁぁぁ──」


ガリガリエアガンスは炎の鳥に焼かれ、黒い灰となった


ズキズキと頭痛が頭を締め付け、眩暈がしてきた


「あ、悪魔だ……こいつはエルフの少年に化けた悪魔だっ!」


残された4人の貴族


どうやら実力派はあの二人だけのようだ


「あ、あたしは逃げるわっ!奴隷なんかくれてやればいいのよっ!」


ロン毛オネエが逃げ出す


小さくなっていくロン毛を見送った後、残り三人のデブが残った


「お前らはどうする?逃げ出すなら今のうちだぞ」


視界が霞む中、なんとか倒そうになるのを堪える


「わ、我も逃げるぞ!こんな国などもういらんわ!我は実家に帰るっ!」


「我も帰るぞ!レチェリー公、あとは任せた!」


3デブのうちの2人に逃げられ、ついにレチェリー1人が残った


「俺はお前を殺したくて仕方ないんだがな。約束は守る。俺の目の前からさっさと消えろ」


深く憎悪に染まった細い目で俺を睨みつける


「覚えていろよ、この悪魔め。いつか殺してやるからな。背中に気をつけろ!」


そういうやいなや、踵を返して逃げて行った


今にも崩れ落ちそうな体を引きずりながら、ステージに登る


そして、広場に散らばった死体へ次々に火を放ち、焼き払う


それから、檻の鍵を破壊して奴隷達を解放してやった


口々に礼を告げる奴隷たちの中から、着物を着た倭国人の1人が出てきた


「本当にありがとうございます。あなたのおかげで助かりました」


喋る元気も残っていないので、片手を上げて返事をする


「──ん?ミーリは?ミーリはどこだ!」


「その子なら今寝ていますよ」


茶髪のエルフが示した方向を見ると、ミーリがスヤスヤと1人の女性に抱かれて眠っていた


「あなたが暴れ出したところで、あの子には眠りの魔法をかけました」


それはありがたい


「すまないな。あり……が……」


おかしいな、空が見える


最後に見えたのは、清々しくひろがる青空と、心配そうに俺を覗き込む奴隷たちだった



* * * *



目が覚め、視界に入ったのは天井だった


「知らない天井だ……」


そんなわけもなく、俺の泊まっていた宿、パシムの部屋の天井だ


「おう、気がついたか!良かった良かった!」


体を起こすと、トーマスさんが満面の笑みを浮かべて近づいてきた


彼の背中には、ミーリが乗っている


「いやぁ、本当にどうなるかと思ったよ。かれこれ3日も寝っぱなしだったんだから」


「お兄ちゃん、もう大丈夫なの?」


3日も寝てたのか


「うう、腹減った」


ガハハと豪快に笑うトーマスさん


「いま注文するから待ってろ!この宿の経営者が、食費はいらねぇって言ってたからよ!」


数分後、大量に運ばれてきた肉料理を前に、俺はよだれを垂らしながらトーマスさんにきいた


「なんで肉だけ?」


「疲れた体には肉だろ!肉!」


さいですか。とりあえず片っ端から口に入れていく


「あ、そうそう、お前が目を覚ましたら連絡くれって、倭国人の姉ちゃんが言ってたぞ」


ん?何のようだろうか


「あ、そうだよ。奴隷たちはどうなったんだ⁉︎」


今回連れて来られた奴隷、いや、人たちとと、奴隷街に囚われていた人たちは、全員保護されたよ。この国にある宿に一時的に泊めてもらってる。入りきらなかった人たちは、以前貴族が住んでた家に泊まってる」


ヒョイと皿から肉切れ一枚を取り口に放り込むトーマスさん


「この国の貴族たちは、みんなソーヤ、お前にビビって逃げてったんだよ。それで、この国をどうしようかって会議がつい昨日行われてな、サルベス共和国っていうみんな平等や国にしようってことでまとまったらしい」


それは良かった。この先困難も多いだろうが、なんとかやっていくだろう。たぶん


その時、部屋の扉をノックする音がした


「はーい」


扉を開け、入ってきたのはあの倭国人だった


「食事中にすみません。お邪魔じゃないでしょうか」


「大丈夫、ですけど」


「あの、ですね。折り入ってお願いがあって来たのですが」


なんだろうか


首だけ動かして先を促す


「えーとですね、あ、まだ自己紹介がまだでしたね。私、倭国の女王、ヒミコ様より命を受け、聖都へ救援を求めにやって参りました、カグヤと申します」


ヒミコ⁉︎邪馬台国の女王卑弥呼⁈


「実は、今倭国は妖怪によって大混乱に陥っているのです」


なにも言っていないのに話し出すカグヤさん


「ヒミコ様は結界をはり、なんとか妖怪たちの活動を抑え込もうとしておられるのですがうまくいかず、かなり苦戦を強いられている状況です」


ふぅん。お、このステーキ美味いな


「なので、聖都サクライの、大陸最強と謳われる騎士団の一部隊だけでもいいので、救援を頼めないかと出向いてきた次第です」


「へえ。大変なんだな」


「それで、本題なのですが、どうか倭国を救ってくれませんか?」


肉を口に運ぶ動きが止まる


「はい?」


「貴族達の雇った私兵団を打ち負かし、貴族の国サルベスを滅ぼすほどの力の持ち主なら、きっと妖怪にも負けません!」


「いやいや、規模が違うっしょ!」


「いやあ、助かりますよ。これで聖都まで行く必要もなくなりましたし」


「いや、俺はその聖都に用がある──」


ガチャっと扉をあけ、新たな人物が侵入してきた


誰だ?っておい、なんでここにいんの?


「ソーヤ、私は勇者として君の名が大陸に轟くことを夢に見ていたんだが」


「カナリア……」


扉を開け、部屋に入ってきたのはカナリアだった


「つい昨日、聖都で君の噂を耳にしてな──」


なんだ?奴隷を救った救世主とか?


「ふれまわっていた貴族曰く、サルベスを滅ぼした悪魔の子、傾国の少年」


「は?」


「もちろん、サルベスとはどんな国かを知っている者なら、ソーヤは救世主だと思うだろうがな。あまり他国に興味のない連中や貴族達からすれば、な」


なんてこったい


「しかも、たとえどれほど悪い国だったとしてもだ。一国を滅ぼした罪は重いのではないかな?」


「は?そんなことあるのかよ」


「昨日聖都にでっぷり太った貴族がやって来て、たしかレチェリーとか言ったか。そいつが聖王に指名手配を要求したのだ」


あのやろー、なんてことを!


「君の首にかけられた賞金は5000イークス。まあ、有る程度腕の立つ輩は一目散に君めがけて襲ってくるだろうな」


「うげっ、ならここにいたらやばいんじゃ?」


背中に嫌な汗が浮かぶ


「そうだな。早くてあと半日もすればやってくるんじゃないかな、賞金稼ぎ」


ええええええ


「うふふ、それなら逃げなくちゃいけませんね。倭国とかに」


嬉しそうに笑うカグヤ


「……」


「仕方ない、形は違えど大陸に君の名は知れ渡ったし、将来を誓った仲だ。共に行こう」


美しい金髪を払いながら、カナリアが言った


あれぇ?おかしくない?おかしくない?


「そうか、倭国に行くのか……。頑張れよ、ソーヤ。お前なら大丈夫だ!俺は、いや、俺たちオルカ村の村民はお前の味方だ!」


「お兄ちゃん、がんばってね!」


え、なにこの空気、俺が倭国に行くの決まった感じ?え?まじ?


「さあ、急いで支度をするんだ」


急かされて俺はカナリアにお着替えさせられる


抵抗虚しく下着姿にひん剥かれ、あっという間に着替えが完了した


「なあ、なんか焦ってないか?カナリア」


「あ、焦ってない!私のどのへんが焦っているように見える!焦ってないから、焦ってないから!」


明らかに焦っているのだが……


カナリアがマントを手渡してくる


「せっかくあげたマントも、血に染まって真っ赤だな」


返り血を浴びて、真っ白だったマントは赤く染まっていた


あーあ、もったいない。つか、なんでマント着たまま戦ったの?俺。ちょー後悔だわ


「さあ!行こうか」


「行きましょう!」


宿から出る際、あの泣きぼくろのメイドさんに、頑張ってくださいね、と言われた。嬉しかった


サルベス共和国を出る時には、国民全員が俺に感謝や激励の言葉をかけてきた


なんだか英雄気分でサルベスを後にした


まあ、出てから10分で後悔したのだが



えー、はい。わかってます、わかってますよー。「文章めちゃくちゃじゃん」なんて言われなくてもわかってますから


今回、結構長くなってしまいました


誤字の指摘、あったらお願いします

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