超短編その1 〜ナナリーに学ぶ異世界のお金〜
お金の単位などなど
俺は旅に出るための教養を得るため、午前中にナナリーから勉強を習うことになった
テーブルの上にナナリーが4枚の貨幣を並べる
「この銅貨はデリム銅貨。これが10枚になると、このケトム銀貨1枚と両替できるのよ」
こいつ教えるの下手だな、と思いながらナナリーの授業を聞く
七歳児が両替とかわかるけねーだろ
「このケトム銀貨10枚で、こっちのミーレ銀貨1枚と両替できるわ。ケトム銀貨よりミーレ銀貨のほうが一回り大きいし、柄も違うの、わかる?」
「うん、わかるよ」
わかるから早く続けて!クソつまらんから。ボクカガクシャ
「そして、このミーレ銀貨が20枚あると、このイークス金貨1枚と両替できるの!」
まるで宝石を見せびらかすかのようにイークス金貨を見せつけてくる
「それじゃ、問題ね。このデリム銅貨が20枚あると、どの貨幣の何枚と両替できますかっ!」
「ケトム銀貨2枚」
即答する
「せ、正解!じゃあ、このケトム銀貨が30枚あると、どれと何枚両替できますかっ!」
「ミーレ銀貨3枚」
またも即答する。簡単すぎだろ
「またまた正解!すごいわソーヤ!なら、ミーレ銀貨80枚だと、どうなるかわかる?」
さすがにわからないでしょ?とナナリーの顔に出ている
「イークス金貨4枚」
またまたまた即答してやると、ナナリーはポカンとした表情で機能停止する
やがて、ガタッと立ち上がり「あなたー!ソーヤがっ!ソーヤが天才なのっ!」と叫びながら出て行った
畑に向かったのだろう
まあ、中身は大人だからな、俺。ていうか、問題の出し方かえろよ。ミーレ銀貨80枚だと、デリム銅貨何枚と相当しますかとかさ
昨日の地図の見方に続き、今日も退屈な授業だった




