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どうやら最強の女の子を恋に落とさないといけないらしい  作者: ラー油


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7.合気道部

 「合気道に行くけどいいのか?」

 「構わないぞ」

 二時間も時間があれば複数の部活を見れる。

 俺と榊は一箇所くらいしか行きたい場所のないので東野に着いて行くことにした。

 校舎を出て、少し歩くと複数個の武道場がある。

 合気道の看板を発見し、中に入ると黒帯の柔道着を着た女の先輩が出迎えてくれる。

 それもかなり綺麗な先輩だ。

 「こんにちは、体験に来てくれた子かな?」

 「……おい、東野?」

 ここは来たがっていた東野が返答するべきだと思って黙っていたが、リアクションがない。

 視線を向けると先輩を見つめる東野がいる。

 「え、あ、なに!?」

 「合気道部には東野が一番来たがっていただろう。ここは先陣を切ってもらいたいところだ」

 榊にそう言われて東野は冷静になって先輩と会話を始める。

 「なあ、純愛過激派からして、一目惚れってどうなんだ?」

 「難しい質問だな。顔から始まって内面も、となればいいんだが、顔だけだとダメだな」

 そんな事を話していると、自己紹介のタイミングになる。

 「私は合気道部の主将の見流騎渚《みなぎしなきさ》です」

 「じ、自分は東野直樹です」

 「僕は榊守です。……おい、七ノ瀬の番だぞ」

 「あぁ、すまん。自分は七ノ瀬奏汰って言います」

 俺はこの人を前もって知っていた。

 二年生で黄金の能力〈ベクトル操作〉を持つ見流騎先輩。

 能力の内容を聞いた感想は恐らく戦闘面なら二年生最強だ。

 「三人は合気道は初めて?」

 「初めてです」

 「そっか、うちは初心者大歓迎だから安心してね。私達は仲良くなる武道を軸として活動してるの。それが例えばナイフを持った人でもね」

 見流騎先輩はそう言って柔らかい素材でできなナイフを手渡す。

 「まずは試してみようか。ナイフを使ってもいいし素手でもいい。私に当ててみてよ」

 「ふむ、では僕から行ってもいいかな」

 榊はそう言って前に出る。

 「素人でもナイフを持てば一流に勝てるのだよ」

 榊はそう言うとフェンシングのような構えをとる。

 誰がどう見てもふざけた格好に他の部員も頬を緩める。

 「では、いきますよ」

 榊はそう言ってすり足かつ上体を前後に動かし始める。

 ふざけているように見えるが、動きにキレがある。

 素人にはでない動きだ。

 この男、思ったより策士かもしれない。

 そんな事を考えていると榊が動く。

 一瞬身体を下げてから一気に距離を詰め、胸元めがけて突っ込む。

 「お、いい動きじゃん」

 見流騎先輩はそう言うと身体を開いて避け、榊のジャージを軽く引く。

 すると榊は後ろから押されたかのように加速し前方に一回転する。

 不安になる勢いだったが榊は綺麗に受け身を取る。

 「演技ではないんだよな?」

 「あぁ、軽く引かれただけなのに吹っ飛んだぞ」

 「さて、次は?」

 「俺が行くか」

 俺はそう言ってナイフを手にせず、構えを取る。

 「お、それは柔道だね。遠慮せず来なさいな」

 見流騎先輩はそう言って軽く構える。

 特に集中しているわけではないのに、全く隙がない。

 掴みにいったら負けることが嫌でも分かる。

 「ほらほら、掴みにきていいんだよ?あ、もしかして胴着がはだけるのを気にしてるのかな?」

 見流騎先輩はそう言って胴着の首元を掴んで見せる。

 「気にならない?胴着の下がどうなってるか?」

 「それは、もちろん」

 俺はそう言うと意を決して掴みにいく。

 伸ばした手を軽く掴まれると、俺は膝をついていた。

 力の方向を変えられる感覚と向いてはいけない方向に縛られる感覚ある。

 掴まれていない方の手で、地面を二回叩いてタップをすると解放される。

 「これは無理かも」

 「ふふ、そう言ってもらえると嬉しいね」

 見流騎先輩はそう言って東野と向かい合う。

 「武道やってない俺を最後にするなよ」

 東野はそう口にして少し迷った後、意を決したように走り出す。

 東野が選択したのは姿勢を低くしたシンプルなタックル。

 榊と違う点はフェンシングのように一点を伸ばすのではなく、全身で突っ込むので避ける動作が大きくなり、姿勢が低いから掴みづらい。

 榊のように対処すると思ったが、見流騎先輩は一切動く気配を見せずに、手を伸ばす。

 東野の額に手のひらがつくと、完全に静止する。

 もはや合気道の域を超えている光景に唖然とする。

 「見流騎先輩って能力使ってませんよね?」

 「使ってないけど、私能力言ったっけ?」

 「いえ、ただ先輩は有名なので」

 説明するのも面倒なのでそう言うと、見流騎先輩はさらに一歩近づいてくる。

 「噂の私なら今の指摘はありえないと思うんだけどなー」

 「そう……なんですか?」

 「私は能力を〈波動〉で通してるからね。遠距離攻撃と身体能力の強化ぐらいしかできないし、能力を使うとこうなる」

 見流騎先輩はそう言うと体の周りに気流のようなものを纏う。

 「能力を使う時はこうしてるんだけど、どうかな?」

 「すみません、自分は見た相手の能力がわかるんです」

 「……ふむ、ちなみに私の能力は?」

 見流騎先輩はそう言って俺の口の近くに耳を寄せる・

 「〈ベクトル操作〉ですよね?」

 俺がそう答えると見流騎先輩は驚いた様子を見せる。

 「正解だよー、これまた凄い能力者がいたもんだ」

 見流騎先輩はそう言うと次は俺に耳打ちをする。

 「私の能力はオフレコでお願い。学園では本気で使うつもりはないからさ」 

 「わ、分かりました」

 見流騎先輩の奇麗な顔が近づいてきたことに動揺しながらもそう答える。

 なんというか心臓に悪いな。

 無邪気というか気にせずにやっている感が勘違いしそうになる。

 「さあ、最後に握手して終わりましょう!」

 見流騎先輩がそう言って差し出した手を俺達は握る。

 それにしても能力を使わずにここまで強いのは正直驚いた。

 「七ノ瀬、さっき見流騎先輩と何話してたんだ?」

 「能力を言わないでって言われたんだ」

 「それって能力を隠してるってことか?」

 「そうらしい」

 俺がそう答えると東野は納得したのか少し離れる。

 それから活動日といった説明を受ける。

 「さて、これからどうする?」

 「俺はもう少し体験してもいいか?」

 「東野がそうしたいなら、そうするべきだろう。僕は文芸部に行くとするが」 

 「七ノ瀬はどうする?」

 「俺は榊についていこうかな。ボランティア部に行きたいし」

 「そうか、じゃあまた明日だな」

 「おう、また明日」

 東野と別れて榊と文芸部に行ってみたが、意識が高い感じで榊の空気感には合わなそうだった。


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