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どうやら最強の女の子を恋に落とさないといけないらしい  作者: ラー油


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6.弁当

 「ふー、やっと昼休みか」

 四限目が終わると前に座る東野が伸びをする。

 「七ノ瀬、一緒に昼飯食おうぜー」

 「オッケー、あ、そうだ、もう一人誘っていいか?」

 「いいけど、もしかして東雲か?」

 「いや、あのグループに割り込むのはハードルが高い」

 俺はそう言うと榊の方に近づく。

 「一緒にお昼どうだ?」

 俺がそう言うと榊はこっちを見てフリーズする。

 そして嬉しそうな表情になると勢いよく立ち上がる。

 「いいだろう、もっと仲を深めるのも悪くない」

 榊からの承諾を得たので、東野の方に連れて行く。

 「東野か、僕は榊守。よろしく」

 「名前覚えてるんだな。正直言って目立ってはなかっただろ」

 「クラスメイトの名前を覚えるのは当然だろう?何が純愛に繋がるか分からない」

 「た、確かに。クラスメイトが恋愛に発展する可能性が高いか」 

 面白いと思ったから榊を誘ってみたが、意気投合しているようで安心した。

 「俺は弁当だけど、二人は学食、弁当?」

 「弁当だな」

 東野と榊が同時に答える。

 三人とも弁当だったので教室の席を移動させて食べ始める。

 「なんというか、東野の弁当は可愛いらしいな」

 「言わないでくれ、お母さんがまめなんだ」

 東野の弁当はキャラ弁とまでは言わないが色彩豊かでほっこりする。

 「それを言うなら榊、お前お坊ちゃんだろ」

 東野が言う通り榊の弁当はかなり豪華だ。

 「その通りだ。これは使用人が作っている」

 「し、使用人?」

 聞きなれない単語に思わず聞き返してしまう。

 「そんないいものじゃないぞ、家事をするだけの存在だ」

 「雇用の関係ならそんなものか」

 「物語のように同年代でもなく、母と同じ年齢だ」

 そこまで年齢が離れていたら色恋に発展はまずしないだろう。

 どちらかというと母親代わりになりそうだが、そんな雰囲気でもない。

 あまり深く突っ込むのは良くなさそうだな。

 「そう考えると俺のは普通だな」

 「見てると安心するぞ」

 榊はどこか羨ましいそうにそう口にする。

 弁当一つである程度家庭が透けるのは面白いと思ってしまう。

 「まあ、俺の家庭も普通ではないんだろうけど」

 「でしょうね」

 軽くボケたつもりだったが、二人に即座に肯定される。

 「〈情報家〉なんて能力がロクに広まっていないのは家族の力が大きいだろう」

 榊の言葉に東野は力強く頷く。

 「二人は能力で困った経験があるの?」

 「あるが、僕はノーコメントだ」

 「俺はシンプルに医者として働かされたな。俺みたいな黄金色の回復系能力者は貴重だからな」

 好奇心から聞いてみたが、二人共経験があるようで、東野に関しては具体的な内容まで口にする。

 「そんな話より、二人は部活道紹介どこか行くつもりなのか?俺は合気道部に行くつもりなんだが」

 「俺は決めかねてる。榊は?」

 「個人的には文芸部が気になるが、思想の違いがあるからな」

 確かに嗜好や方向性が違うと、同じ趣味でもうまくいかない事はあるだろう。

 それから他愛のない話をしながら昼休みを終える。

 5限と6限はまるまる部活道紹介に使われ、一年生は自由に部活を見ることができる。 

 「ねえ神野、神野は何か部活に入るつもりはあるの?」

 「私は部活に入るつもりはないわね。七ノ瀬君は?」

 「個人的にはボランティア部が少し気になってるかな」

 「いいんじゃないかしら?外部的な動きもあるけれど、学園内のお悩み相談の側面も強いし、きっと面白いわよ」

 学園内のという部分に俺は安心する。

 学園の外だと俺の偽の能力が機能しなくなる。

 「それに、面白い組み合わせになりそうだし」

 「面白い組み合わせ?」

 「それは行ってみてからのお楽しみということで」

 神野からの後押しもあって俺はボランティア部への見学を決めた。


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