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地球の少年、星の遺児  作者: 津本ジオ


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過去との対峙 3

一旦、九時方向に移動、さらに進路を変換して待ち伏せ地点へと向かう。輸送隊の位置を悟られないためだ。

無人偵察車に指示を出して挟撃(きょうげき)態勢をとる。偵察ドローンを射出、敵の正体を探る。

ドローンが待ち伏せ地点上空に到着したと同時に発砲音。ドローンの信号が途絶える。

CSの実地機動訓練で()()()()聞かされた陸戦用重ガトリング砲ファラリスの咆哮(ほうこう)だ。

「なんてものを持ってやがるんだ……」

ドローンを撃墜するには過剰すぎる攻撃だ。力を誇示するためにわざと使ったのだろう。


ファラリスは、五五ミリ機関砲弾を秒間百二十発発射する。

大口径弾の超高速射撃は、雄牛の咆鳴(ほうめい)のような独特の発砲音を伴う。人に恐怖をもたらすこの音は示威にはもってこいだ。

ちなみに、こいつは携行型重機関砲に分類される。巨大な砲身を携行するのは機械の腕だ。

つまり、《補助腕》を備えた強力な機動兵器をハブ・ジャッカーどもは持っている。自走機関砲だろうか……。やっかいだな。

補助腕という名称は政治的な婉曲(えんきょく)表現だ。俺も初めて聞いたときは、弾倉を()()()()と交換する細っこいマニピュレータをイメージしていた。だが、実際は重量一トン弱のファラリスを軽々と振り回す物々しい剛腕だった。


破壊される寸前のドローンから送られてきたセンシングデータの解析結果が出る。

「特殊戦闘車両、八〇式センチネルか……。寒冷地改装済みか」

最悪と言っていい相手だった。太陽系事変以前の地球で、重武装ゲリラを狩りまくっていた怪物だ。

唯一の救いは、東南アジア向けのモンキーモデルだったことだ。フルスペックモデルなら強固な装甲と電子戦装備により手の出しようがなかった。

モンキーモデルでは透明セラミック製の透過装甲が露出している。

だが、正規モデルでは複合装甲で覆われ、センチネルの弱点である透過装甲を塞いでいる。

操縦者は、透明セラミックに投影されるXR視界で外部の状況を見ながら操縦する形だ。

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激動への序章 ~来訪者~

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