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少年と宇宙  作者: 津本ジオ


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アステル、変身する

「そうだね……。どうしたものかね?」

「人間の姿にはなれるの?」

気になったので聞いてみた。

「形だけなら何にでもなれるだろうね。もちろん人間にも」

「それなら、ライラが以前使っていたアバターのデータが跳躍艇に残っていますよ」

ノワールさんが僕の前にアバターを出してくれた。

奇抜な服で着飾った少女が元気に踊っている。

本当に目の前に存在しているみたいだ。

すごいな。ノーザンエンドで立体広告はたくさん見たけれど、これは次元が違うと思う。


「ああ、ヒロが手を加えた著作権切れのバーチャルアイドルかい」

なるほど。昔のバーチャルアイドルか。基礎学校の文化史で習ったな。

史学アーカイブ(映像記録)の「バーチャルライブ」に登場した女の子に似ている。

笑顔が可愛かったのでよく覚えている。

『興味深い。データの使用許可がほしい』

「アステルが気に入ったのなら使えばいいさ。ノワール、データを送っておやり」

『感謝する』

壁に映るアステルの姿が小刻みに明滅する。

やがて、球体が変化して人の形を取り始める。

『これで大丈夫?』

そこには、過去に一世を風靡(ふうび)したバーチャルアイドルに似た姿があった。

姉妹だと言われても納得するくらい似ている。

「ああ、立派なものだよ。さあ跳躍艇に入っておいで」


壁に穴が開いて、そこからアステルが入ってきた。

相変わらず跳躍艇は不思議だ。

宇宙機には必須なはずのエアロックシステムを必要としないようだ。

アステルは、身長百六十八センチの僕より十センチくらい背が低いかな?

それに肌の露出が多めで、ちょっと目のやり場に困る。

「ジーンが困っていますね。もう少しおとなしめの衣服を推奨します」

ノワールさん、助かる! アステルの服、僕には刺激が強すぎるよ。

「そう。それならジーンが選んで」

声が変わってる。年相応の女の子の声だ。

女の子の服を選ぶなんて緊張するな。


目の前に、いろいろな服を着た小さなアステルがたくさん表示された。

ノワールさんが出してくれたみたいだ。ここから選べと?

目の前の映像はさまざまなポーズを見せてくれる。

その中で、濃紺のワンピースが目にとまった。

二重になっていて、内側が濃紺、外側は透き通った素材に輝く小片が編み込まれている。

映像のアステルが、くるりと回ると、全体を飾る白い小片が星空みたいに流れる。


「これなんてどうかな?」

映像を指すと等身大に拡大される。

アステルは考え込んでいるようだ。失敗したかな?

「不思議な服。ストラクチャ表層から見た宇宙のよう。これにする」

アステルの姿が変わった。


「似合ってるじゃないか。それではアステル。いくつか質問してもいいかい?」

(われ)に答えられる質問なら」

「アステル。エッジ〇三は開きましたが、ストラクチャ通信は使えないようです。これは一時的なものなのですか?」

質問するのはノワールさんなんだ。

この二人、以心伝心だ。ひょっとすると僕が知らない方法で会話しているのかも。

「予想では、まもなく閉じる。無理やりこじ開けて一時的に開いただけ。次回からは衝撃で意識消失することはない」

「あなたならこの状態でもストラクチャに入れますか?」

「それは可能。我はストラクチャ突入にエッジを必要としない。転移先にエッジがあれば跳躍も可能」

「なるほどなるほど。アステルも文明指標Ⅴ、いわゆる超越種族なのですね」

「そう。我はアライアンス中核体から超越種族と判定された存在」


アルから聞いたことある。

高名な宇宙物理学者から直接聞いたという、超越種族についての見解だ。

超越種族の共通項は「宇宙構造、つまりストラクチャの本質的理解」だと。

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激動への序章 ~来訪者~

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