アステル・アエティア 2
『我はここで生まれた。危機に陥った太陽を救い、結果として太陽の活動が低下。エッジが閉じたのも我のせい。これで合ってる?』
「そうだね。それで合っているよ。太陽の危機に反応してアステルは生まれた。太陽の活動低下はしかたないさ。アステルが食い止めなければ太陽は崩壊していただろうよ」
壁に投影されている太陽を眺めながら、コハクさんが言った。
『了解した。それでも我には責任がある』
「そうは思わないけれどね。そのあと、アライアンスの使者がやってきて、いろいろと後始末をしたのさ。尊き御方の遺言で、拙はアステルを使者に託したんだよ」
『理解した』
「それで、なぜ太陽系に来たんだい?」
『放浪の途中、整合性がとれていない恒星を発見した。恒星は正常なのにエッジが閉じていた。しかも、その恒星にはアライアンスのタグが付いていた』
「ああ、アライアンスの使者が付けたんだね。ここにはエボルターの惑星があるからね」
『エボルター? ここにはエボルターがいるの?』
僕には、アステルの顔が曇ったような気がした。顔なんて無いけれど。
エボルターと何かあったのだろうか。
「そうだね、そこのジーンとアルがそうさ。地球人はエボルターだよ」
コハクさんが僕とアルを示した。
『我は放浪の途中で、あるエボルター種族と出会った。そして、我のせいでその種族は滅びた』
そうか、それでエボルターに反応したんだ。
「まあ、想像はつくよ。求めるままに知識を与えたんだろう?」
『肯定する』
「エボルターの知的好奇心には果てが無いからね。それに欲望が結びつくと手が付けられなくなるのさ」
『それは、この身をもって理解した』
「ジーン、アル。聞いたとおりだよ。拙は地球人に滅んでほしくない。宇宙で見たことは口外無用だよ」
「うん、分かってるよ。約束する」
「了解した。それとアステル。俺はアルファ、地球人だ。アルと呼んでくれ」
『よろしくアル』
『私も自己紹介してよろしいでしょうか? 機械知性のエトナと言います。よろしくね、アステル』
『エトナ。こちらこそよろしく』
「よし自己紹介は終わったね。ところでアステル。どうやってエッジを開いたんだい?」
『我にもよく分からない。だが、我になら開けると思った』
「尊き御方から引き継いだ力だろうね。あの方の本当の力を知る者はいなかったはずさ」
「サブユニットたる私ですらも知らないことが多々ありました」
「アステル、その姿は航宙形態だろう? 尊き御方が仰っていたよ。地球に降りるなら目立たない形にしたほうがいいね」
『地球? 地球人の本拠星に降りていいの?』
「バレなければ大丈夫ですよ。それでどのような形態を取れるのですか?」
ノワールさん、ノリノリだ。
『これ以外の形態を取ったことは無い。案を求む』





