表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地球の少年、星の遺児  作者: 津本ジオ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/31

初めてのセレス。二度目のセレス

「もうすぐセレスに着くよ。覚悟はいいかい?」

「ああ」アルが答える。

「お父さんとお母さんに会えるの?」

「そうだよ。でも、その前にヴェリテを倒さないとね」

「ヴェリテってさっきアルが話してた脳を奪うやつ?」ジーンが首を傾げる。

「そうさ、そいつがお前さんの両親を拘束している」

脳だけになった両親を……とはさすがに言えなかった。


「分かったよ。お父さんとお母さんを絶対に取り戻す」

「そうだね。だが、戦闘は(せつ)たちに任せな。お前さんは跳躍艇で待機だ」

「そんな……僕も戦うよ!」

「ジーン、お前は足手まといになる。コハクに従え」アルがジーンに言い含める。

「アル……」

アルにそう言われてはジーンも従うしかないのだろう。黙り込んだ。


「ノワールが先行してヴェリテを監視している。どうやらアルを狙っているようだ」

「俺を? 何故だ?」アルが疑問を呈する。

「ナルヴィとアリスの記憶を読んだのさ。それと前回ヴェリテと戦っただろう? それが印象に残ったんじゃないのかい」

「そうか、ナルヴィのチームでは、俺が戦術担当だったからな。それなりに戦えると判断されたか」

「今回の通信塔との通信途絶もヴェリテが細工したようだよ。アリスの知識を使ってな。お前を誘き出すために」

「アリスはハッキングが得意だからな……」

「ノワールは()()()それに乗って、クラッキングが成功したように見せかけたんだよ。ノワールはヴェリテを追ってセレスに向かった」

「そうか、それなら俺には囮としての価値があるな」

「いいのかい? 危険な役回りだよ」

「大丈夫だ。今のボディなら奴に遅れは取らん」


「それと、このタイミングで言うのも何だけど、ジーンの出自のことを話してもいいかい?」

「待ってくれ。それはジーンの両親を取り戻してから俺が話す。ジーンもそれでいいな」

「うん、僕が二人の本当の子供じゃないことは知ってたよ。ちゃんと話してね」

「気づいていたのか……」

「お父さんは灰色の髪、お母さんは金髪、二人とも黒い目。僕は茶髪に赤茶色の目だから変だなと思って」確かに髪と目にロキとマルの特徴が出ている。顔立ちもそうだ。

「ああ、だが、過去の宇宙対応改変の影響で、それくらいの外見の変異はおかしくはないぞ」

「うん、だから応用学校に通い出してから親子鑑定をしたんだ。両親のDNA配列は調査課に保管されていたし」

ジーンは思いのほか頭が回るようだ。


「よし、その話は後にしな。そろそろノワールと連絡を取るよ」

「了解した」

「ノワール、聞こえているかい。間もなくセレスに着くよ」通信回線を開く。ノワールの姿はあえて映さない。

『おや、コハク。ずいぶんごゆっくりでしたね』

「ジーン坊やに宇宙を見せていたのさ」

『なるほどなるほど。さぞかし驚いたことでしょうね』

「久しぶりだな、ノワール。約束を守ってくれたことに感謝する」

『キース? なんで犬の姿なんですか?』

「犬じゃない、狼だ。人型のサイボーグ体より戦闘能力が高い。ヴェリテ対策にこのボディを選んだ。それに今はアルと名乗っている」

『おっと失礼しました。それは心強い限りです』


作戦会議が始まった。

まずはヴェリテの現在位置。セレスのメインポートに潜伏中。

ヴェリテを無力化する方法。細い腰部にある超小型エネルギー変換器、これと腹部にある推進機関をつなぐ伝導装置を狙う。

エネルギー変換器を直接破壊すると尋常ならざる大爆発を起こす。

また、胸部は絶対に攻撃してはならない。二人の脳が格納されているからだ。

伝導装置を破壊して無力化した後、セレスの救急救命室で二人の脳を確保する。


大筋は決まった。

「さっき伝えたように俺が囮になる」

「本当にいいのかい。あんたが死んだらジーンが悲しむよ」

「死ぬ気は無い。メインポートに接近して俺の認証データを入力。向こうから姿を見せるだろう」

「おっと、忘れていた。その体、真空で行動できるのかい?」

「問題無い。 《豊穣の角》で過去の要人警護用ロボットを復活させたんだが、隊長機だけ性能が異常に高くてな……」

「ああ、そういうことかい。 《豊穣の角》のデータバンクに入っている設計資料はヒロが選んだのさ」

「ヒロ? ひょっとして例の三七小隊の一人か?」

「よく知っているね。その通りさ」

「三七小隊のことはセレスでノワールから聞いた」

「そうかい。ついでに説明するかね。ロキ・シノハラ元少佐、マルグリット・クロケット元曹長、ヒロ・ヤマガタ元特技兵。この三人が三七小隊のメンバーだ」

「三人きりの小隊か。人手不足だったのか?」

「いや、特殊な事情があったんだよ。長くなるから後でゆっくり話そうか」

「了解した。真空での戦闘は問題ないが、欲を言えばスラスターが欲しいところだ」

「そんなもの跳躍艇には積んで無いよ。ノワール、予備を持ってるんだろ? 貸しな」アルと話ながらノワールに連絡する。

『はいはい、持っていますよ。私のものがそのまま使えます』

「ノワールは超小型シャトルでこっちに向かっている。あいつが来たら作戦を始めるよ。いいね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
激動への序章 ~来訪者~

激動への序章 ~来訪者~

+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ