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冒険者ギルド

 「お、街が見えたぞ。まずはあそこに行ってみよう」

 スピードブーツの力で素早く異世界を駆ける俺は、走り出してからすぐに洋風な建物が並ぶ街を発見したためそこに行くことにした。

 

 「へえ、これが異世界の街か。まるで海外に来たみたいで、テンションが上がるな」

 (人もたくさんいるし、適当にどこか情報とかが手に入りそうなところに行ってみるか)

 俺は街に入り、キョロキョロと辺りを見回す。

 まず気がついたのが、異世界とはいえ人間は俺と大して変わらないということだ。

 次にそこらを歩く人から聞こえる言葉は日本語であること。そんなことあるのかと思ったけど、確かに日本語が聞こえてくるためとりあえず、言葉がわかって良かったとだけ思うことにした。

 

 (にしてもこれ、多分俺浮いてるな。外人みたいな人から日本人みたいな人までいるからその点においては大丈夫だが、問題は服装だ。そこらへんにいる人は皆明らかにファンタジーな、西洋風の服装をしている。俺の服装は日本のパジャマだぞ。これはあまりにも浮いてしまってる)

 俺はその服装をどうにかできないか考える。

 (ガチャから出たアイテムの中に使えそうなものは……せいぜい皮の胸当てくらいか。胸当てを装備してる人はわりといるように見えるし、俺も装備しておこう。パジャマだけよりかはそれらしく見えるだろ)

 コンビューアを操作し、皮の胸当てを取り出して装着する。

 とりあえずパッとできることはこれだけなので、俺はその服装に決めた。


 (よし。服装も整えたことだし、早速誰かに話しかけてみるか。親切な人だったら色々聞いてみよう)


 俺は道を通っていく人の中で、話しかけやすそうな人を探す。

 人は見た目で判断してはいけないとは言うが、見た目以外に情報がない時はそうするしかない。

 だから俺は優しそうで気さくそうな赤髪の青年に声をかけた。

 「こんにちは」

 

 これは日本流の挨拶なのだが、果たして通じるのだろうか。通じて欲しいところである。

 

 「こんにちは。はじめまして。何かご用ですか?」

 

 良かった。通じたらしい。

 それに優しそうだ。丁寧な挨拶ができる人はいい人だからな。


 「はじめまして。すみません、少しお時間いただいてもよろしいでしょうか」

 「はい、大丈夫ですよ」


 青年の答えを聞いて俺は彼に問う。

 

 「ありがとうございます。実は私、遠いところから来たのでここらへんのことが全然わからなくて。どこか、色々情報を集められる場所ってないでしょうか」

 「情報を集められる場所なら、この街どころか、ほとんどどの街にもありますけどやっぱり冒険者ギルドだと思いますよ。人が集まりますし、この街の冒険者ギルドはこの街の地図が無料で貰えて、それにはこの街の有名な店とか場所とかがほとんど書いてありますから」

 

 青年は俺の問いにニコリと表情を変えて答えた。


 (冒険者ギルドか。元の世界でもどっかで聞いたことがある単語だ。そんなに詳しくは知らないけど。

 とはいえ地図がもらえるのはありがたいな。そこに向かってみよう)

 

 彼の話を整理して、そのように決めた俺は「ありがとうございました」と青年にお礼を言う。


 「いえいえ。ちなみに、場所はわかりますか? 目立つ見た目だし、あまり冒険者ギルドの見た目を知らない人はいないと思いますが、もしよければ案内しますよ?」

 

 青年は情報をくれたばかりか、そのような提案をしてくれた。

 道案内をしてくれるのはとてもありがたい。

 俺はそれの場所も見た目もわからない。だから、このままではそれらしきものを探してひたすらこの街を彷徨うハメになっていた。

 

 だから俺は喜んでその提案を受けることにした。


 「よろしいのでしたら、お願いします」

 「そう遠いわけではないので、大丈夫ですよ。それではついてきてください」

 

 とても親切な彼が背を向けて歩きはじめたので、俺も彼について歩きはじめた。




 そこから少し歩くと正面に大きな、ざっくりと図形で表すと半円の形をした建物が見えた。

  

 「正面に木の壁とと、鉄の柱で作られた大きな建物が見えますか? あれが冒険者ギルドです」

 「おお! あれがですか!」


 デカい。周りの家とか、そういった建物が小さく見えるくらいに。元の世界でなら、東京ドームくらいの大きさだろう。多分。

 

  



 「本当、ここまでありがとうございした」

 「いえいえ。それでは私は失礼しますね」

 「はい」


 ギルドの正面にまできた時、俺は彼に礼をした。

 彼はニコリと笑って背を向けたのだった。

 

 さて、それじゃあ早速入ってみよう。

 あまりにも広いこの建物の中には一体どうなっているのだろうか。

 俺はそんな期待をしながら、中に入った。

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