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鬼対専の鬼女

作者: ダストン

全ては30年前・・・東京のど真ん中に「鬼穴(デーモンホール)」と呼ばれる巨大な穴が出現した事から始まった。


そこから未知の怪物、「(デーモン)」が這い出て来て人々を襲い始めた。奴等は二本の角を持ち、獰猛(どうもう)(けだもの)の如く殺戮を続け、この日本を支配しようとしていた。

日本政府はすぐにこれを対処し、自衛隊や警察部隊を総動員して、鬼の駆除作戦を開始。人間と鬼との戦争になり・・・半年も泥沼の状態が続いた。


そんな中で、鬼穴の近くには呪鬼(シャームデーモン)と呼ばれる鬼が魔法のような何かを念じて鬼穴を開けている事が判明した。

呪鬼を倒せば鬼穴が閉じる。その希望を抱いて政府は最終決戦に挑み、多くの犠牲を出したが・・・呪鬼を倒し、ついに鬼穴を閉じる事に成功した。


そして鬼の残党を全て排除し、ようやく戦争が終わった。これでやっと平和が訪れたのだ。勝利によって掴んだ平和が・・・・



しかし10年後・・・悪夢の象徴と呼ぶべき鬼が戻って来た。



関西地方、特に大阪各地で鬼の目撃情報が頻繁に相次ぐようになった。

さらには欲深(よくぶか)な人間達と取引し、密かにアジトを作って何かしらの侵略計画を(くわだ)てている情報も・・・


そこで政府は、関西で暗躍する鬼を対処する為に「悪鬼特設(あっきとくせつ)対策室(たいさくしつ)専従班(せんじゅうはん)」・・・略して鬼対専(きたせん)を結成。この組織に属する者達は全員、頭脳明晰のスーパーエリートであり、戦闘においてもプロフェッショナル集団だ。


私の父は、その鬼対専の室長だった。

戦争に参加し、多くの鬼を倒した英雄。家の事よりも仕事優先で厳しい性格ではあるが、時々優しく接してくれる・・・・・幼かった私は、そんな父を誇りに思い、ヒーローみたいでカッコイイと・・・


だが父は・・・1体の鬼に殺された。そしてメンバーのほとんどが殺され、鬼対専は壊滅状態へと追い込まれてしまった。

父と鬼対専の人達を殺した鬼は、黒い外殻(がいかく)に四本の角を持ち、血で歪んだ刀を手にして、まるで(さむらい)のように振る舞う黒鬼(ブラックデーモン)だったという・・・・私は母と共に父の死を深く悲しみ、そして決意した・・・


必ずその鬼に復讐すると・・・・・それから十数年後、私は鬼対専に入った。






私の名は沢城(さわしろ) (あい)。父の仇をとる為、そして鬼を全て倒す為に、この鬼対専に属し班長(はんちょう)を務めている

主に銃器で鬼を倒しながら、現場を指揮するのが私の仕事。年齢は29で未だ独身と言うのが(たま)(きず)だが、そこは黙っていてもらいたい。


ここにいるメンバーは・・・私を含め5人。


喜田村(きたむら)室長はかつて鬼対専メンバーの一人だったが、黒鬼との戦いで片腕と片足を失い、父や仲間が死んだ喪失と自分だけが生き残ってしまった罪悪感に悩まされ、10年以上も殻に閉じ籠るようになってしまった。

だけど私や多くの人達の助けによって復帰を決意。廃れてしまった鬼対専を新しく立て直し室長に就任した。普段はおちゃらけていてマイペースなところはあるが、いざ仕事となれば生真面目になる仕事人間だ。


後輩の(さき)ちゃんはお菓子好きのアニメオタクで、メカニックかつコンピューターの天才でもある。主に情報収集や遠隔からのサポートを担当し、さらには鬼の行動を妨害する為のメカを開発してくれる。


今年入った新人の修二(しゅうじ)君は、頭脳そこそこだが若さに溢れた行動力と、それに見合う運動能力を持っている。

昔はかなりやんちゃ坊主だったらしく、車やバイクなどを派手にぶっ放していたせいか、乗り物による運転テクニックが非常に高い。



そして最悪の問題児であるアイ。(ひたい)の右側にだけ一本の角を持った鬼女(デーモンガール)だ。



鬼は全て化け物のような(みにく)い姿をしているのに対し、どういうわけかアイは人間と同様の身体を持っている。


角を隠す為にスマイルバッジが付いたニットの帽子を被り、ちゃんと洗ってるのか洗ってないのか分からない虎のスカジャンにジャージパンツ、古臭い下駄(げた)を履いているせいか、鬼対専のメンバーとは思えないほど身だしなみが汚い。

しかも性格もかなり酷く、酒とタバコとギャンブルを好み、関西弁ながら恥知らずに下ネタを連発したりと・・・女としての魅力が一切ないクズの中のクズ。


だが大阪の街を知り尽くしていて、英語も中国語もオランダ語もペラペラに話せるし、友達(ダチ)と呼べる人間もたくさんいるしで・・・とんでもなくコミュニティ豊富な鬼だ。


そんな鬼がどうして、鬼を倒す為に結成された鬼対専にいるのか・・・戦力不足を(おぎな)う理由も含まれるけど、一番の理由は・・・アイが()()()()()()()()()




大阪でスナックを経営するオランダ人のママさんが、偶然にも路地にあるゴミ箱の中で泣き叫ぶ赤ん坊を発見した。片方だけ一本の角が生えた赤ん坊・・・・それがアイだった。

相手は鬼・・・しかし抱いた時に見せた笑顔に心惹かれたママさんは、アイを大事に育てると決心し、その結果この大阪の街を自分の故郷だと思っている鬼へと成長を遂げた。


小柄だが桁外れのパワーと驚異の回復能力、特殊な(ちから)で呼び出す金棒(かなぼう)を武器に、街に蔓延(はびこ)る同族の鬼を情け容赦なく殺す。全ては故郷である大阪の街を守る為、ママさんや友達(ダチ)と呼べる人達を守る為に・・・

最初に会った時は、酒浸りの無職のゴミ野郎だとばかり思っていたが、その圧倒的な強さと、何かを守りたいと想う心に興味を持ち、それを利用しようと考えた私達は、アイを()()()として鬼対専のメンバーに加えた。


それにアイにはいろいろと謎が多い。

なぜ捨てられていたのか、なぜ人間の姿なのか、なぜ片方しか角がないのか・・・そもそもアイという名前はママさんがつけた名前で、本当の名ではない。

しかしアイは自分の過去について全く興味を持たず、いま目の前にある問題に集中する事しか考えていなかった。酒やタバコにギャンブル、鬼を倒す問題に・・・

 

とにかく今はこの5人のメンバーで仲良く活動している。

全員くせ者揃いで、特にアイにはムカつくぐらい手を焼く事が多いが、戦力としては十分役立っているのは確かだ。


必ず鬼を滅ぼし、父の仇を討つ・・・さて!今日も仕事仕事!

読んでいただきありがとうございました!


何か閃いたのでつい書いちゃった。


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