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遺跡の中にて 2

見に来て下さった方、ありがとうございます。拙い文章ですが暇つぶしにでも寄って行って下されば幸いです。マイペースの亀更新ですので気長にお付き合い下さいませ。


そして、ブックマークして下さった方、ありがとうございます!心臓バクバクしています!

汗?もちろんかいてますとも!

ありがとうございます。感謝しています。

そんなこんなでジリジリと歩みを進めていた私だったけど、少し進んだ所で通路が左右二手に分かれていて足を止める。後ろを振り返ると出てきた部屋の扉が小さく見える。ここから先に進むと安全地帯に戻る事が難しくなる。…出来たら早く危険な事が無いうちに安心できる所へたどり着きたい。小さなため息をついて前へ向き直る。左の通路を見ると真っ直ぐ奥に続いていた。右の通路も同じように真っ直ぐ。


「困ったなぁ…。どっちにしようかな」


(こうべ)()れて思わず呟く。静かな遺跡らしきこの建造物の中で今のところ他の生き物らしき何かしらの音が聞こえない。という事は近くにはいないんだろう。

耳を澄まして周りの音を聞き逃さない様に神経を集中させてきたけど、これで気配察知が出来ているのかは分からない。分からないけど何もしないよりはマシな気がする。…そうだ、考え方を変えてみよう。そしたらなんとか気持ちのもちようが変わるかも。例えば何かの訓練をしているとか…。

あ、ちょっとだけ楽しくなってきた。この感じあれに似てるな。ゲームとかで欲しいアイテムや素材をGETする為に同じ戦闘を何度も何度も繰り返して、そのうち苦痛になったり無心に近い状態になるけどある時急に些細な事に楽しみを見出して楽しくなってくるアレ。先に言っておきますけども、けして、けっして痛めつけられるのが好きな訳ではない。断じてない。


「ふっ」


こんな事を考えてしまう余裕がまだ自分に残ってたんだな、と思うと思わず笑ってしまった。


「んじゃあ行きますか」


なんか少し気分が軽くなった気がしてそのまま歩みを進めることにした。どちらの通路からも音が無いし気になる事も無かったので物音をたてない様に気をつけながら右に進む。歩いて歩いて途中いくつかあった分かれ道を進み、神経を使っているから少し休憩しつつ様子を伺いながら黙々と更に歩く。時間を確認できる物が無いから今が何時とかどのくらい歩いたとかは分からないけど。


そんな感じに過ごしていて、今まで何も無かったし出会わなかった。だからちょっと気が緩んでいたんだと思う。


足音が聞こえた気がした、と思ったら遅かった。正面の遠くに何かの影が見えた。

驚いて心臓が跳ねあがり、瞬間すぐに運よく近くにあった右の通路に飛び込んだ。そのまま足音をたてない様に気をつけながら小走りで進む。向こうに自分の姿を見られない様に、私の存在がバレていたとしても追いつかれない様に出来るだけ遠くに、早く次の角を曲がって私の姿を見失ってもらう為に。

気持ちが焦ってるから足音も完全には消えて無いし、心臓の鼓動が激しくて耳のすぐ横でバクバクしているかの様な錯覚すらしてコレのせいで自分の居場所がバレるんじゃないかとか軽くパニック状態。とにかく後ろの気配に気をつけながら遠くへ遠くへ離れる事に専念した。たどり着いた次の角を曲がって壁に背を預け息をひそめて耳を澄ます。


あぁ!心臓の音がうるさい!


そんな状態だけど追いかけて来ている様なものを感じなかったので、何とか逃げ切ったのかと少しだけ安堵する。でも油断はできない。そのまま足早に道を進み次の角を目指す。

目指しながらさっきの影の事を思い出す。


よく口から心臓飛び出そうなんて例えを聞くけど、まさにそんな感じだったわあれは。また完全に油断してた。姿を目視する前に気付いたけど上手く察知出来て無かったのかな。とにかく気をつけよ…。

あの影は横から伸びて来ているように見えたから、明かりに照らされて出来た影なのかもしれない。という事はあの先は横道があったのかな。形は…人型…にも見えたけど、分からないなぁ。少年神様は比較的平和と言っていたけど、“比較的”って事は以前よりは被害が少ないってだけで“ゼロでは無い”って事だよね。…じゃあ魔物の可能性もあるのか。

うわぁ…。私今服着てる以外何も持ってないんだけど。ポケットにも…入って無いし、武器ってやっぱ購入して使うのかな。それともこう、なにも無い空間からシュッと呼び出すようにして使うのかな。

…ハァ私ってホント、準備不足だなぁ。成人してた大人とは思えないわー。いつもそう。後になって慌てたり、よかれと思ってやったことが実はそうでもなかったり。他の人が当たり前の様に出来ている簡単な事が自分は上手く出来ない。


色々思いだして気持ちが凹み視線も下がる。でもしばらく歩いて軽く頭を振り再び視線を上げる。

昔の自分ならもっと落ち込んでネガティブ思考に沈み込んで、自分はダメな奴だと鬱々と自己否定を続けていたけど、今の私は前の記憶があるだけで新しくこの世界に生まれてきた人間なんだ。だったら完全には無理でも、前の様に何時までも悶々としないで気持ちを切り替えていくようにしよう。折角の異世界なんだからさ!


「よしっ!」


と気合を入れた後に慌てて口を手で塞ぐ。あ、アブネェ。すぐさま後ろを振り返って様子を見る。

………よし、大丈夫そうだね。

ため息をついて歩みを進める。それにしても出口は一体どこなんだ。結構歩いてる気がするんだけどな。最初の部屋なんてどう進んだら帰れるのかもう分からなくなってるよ。まぁ単に方向音痴という事も考えられるけど考えないぞ。ふふ。


そうしてまた1人で、変わらない風景(石の壁)を見ながら、同じ所を歩いているのか、初めて通る道なのか分からなくなりながらもてくてくと歩き続け、とうとう疲れて座り込んだのだった。


読んで下さってありがとうございました。


実はまだ主人公含め、登場人物の名前がキッチリと決まって無いんですよねぇ。うひ(汗)


そ、それはともかく現在10月最後の31日です。場所によって違いはあると思いますが、暖かかったり寒かったり、体調を崩しやすい時期ですので皆様も気を付けてご自愛下さいね。

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