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遺跡の中にて

来て下さった方、ありがとうございます。更新がスローでつたない文章ですが、気が向いた時の暇つぶしに読んで下さるでけでも有り難いです。


そして、以前にも書いた事と同じ事になりますが、改めてブックマークして下さった方ありがとうございます!大げさでも無く本当に驚きと喜びと緊張で手汗がでました。あばばとなりました。(意味不明)

本当に感謝しています。

目を覚ましたら、今度は真っ暗なところだった。ただ前と違うのはどうやら私は横になっているらしいというのが分かる。背中に何か柔らかい物が当たっているから。

一体どのぐらい眠っていたんだろう。そう思いながら身体の状態を確かめる。手を握ったり開いたり、つま先を動かしてみたり。そうしていると段々と目が覚めてきた。…うん、あるな、私の体。衣擦れの音もするから間違いない。良かったぁ~!!

思わず安堵のため息をついて起き上る…と、


ゴンッ!!

「いったあ~~~~~!」


起き上りきらないうちに思い切り頭をぶつけて痛さに再び横になり丸まろうとすると、


ガガンっ!!


今度は膝と頭をまた打った。痛みと困惑と腹立たしさで堪らず(うめ)く。


「う~~~!もう!何な、ん……」


叫び始めて自分の声の幼さに気付く。あれ?えらく可愛らしい声じゃない?っていうか子どもの声?ハッキリ年齢は覚えていないけど、確実に以前の私は成人していたと言い切れるぞ。

確認の為にもう一度声を出してみる。


「あー、あーあー。あいうえお。本日は晴天どころか真っ暗なり」


…………。


ちょ、これマジで子どもの声じゃん!顔を触ると頬に触れた自分の手が小さい事に改めて驚き私の身体に衝撃が走る。

あの神様何をどうしてくれてんの!?

と、取りあえず現状把握しなきゃ。そう思い身体を上に向けて天井を見る。すると、微かに薄明かりが見えていた。それは楕円形の線を描いているかのような光り方をしていた。どうやら上にあったのは蓋だったみたいで、さっき散々ぶつけたからかその蓋が少しズレている様だった。試しに手で押すと軽く、スライドさせることで簡単に開ける事が出来た。私が居たのは箱の中らしい。


コワイ。ハッキリ言って怖い!私はビビリなんだよコンチクショー!でもこのままって訳にもいかないよね。あの神様だって“安全に”って言ってくれてたし、善い人達が多いとも言っていたし。よし、頑張れ…!頑張れ私!


勇気を出して恐る恐る箱の外を覗いて見る。前髪がスッポリと目を隠し視界が遮られたので横に流してこっそり覗く。下から輝いている明りが眩しい。光は箱の下辺りから出ているけどそれだけでは部屋全体が明るくない。

まず見渡してみて誰も居ない事に安堵。そして部屋が広い。無駄に広い部屋に自分が入っている箱が置いてあるだけ。光が行き届いていないせいで奥の方が薄暗いが、正面辺りに扉がうっすら見えるからたぶん箱が部屋の奥にある感じなんだろう。部屋は石か何かで作られているようで、何処かの神殿や石造りの建物で見る様な彫り物がしてある太い柱が何本かあるけど、それ以外の目立った部屋の飾りは何も無くシンプル。周りの様子を伺うと、少なくともこの部屋には私だけのようでまた安心。そこでふと気付く。


あ、気配察知ってどうなんだろ?自分で発動させないといけないアクティブタイプなんだろうか?それとも常時発動しているパッシブタイプなんだろうか?と。


…バカだ。神様に確認してないわー。何やってんだ。………まあしょうがない。とりあえずは周りに気を付けて行動するしかないよねぇ。


考えても答えが出無さそうなので、アクティブタイプとして考えて一旦横に置いておくことにした。とは言っても自力で発動ってどうやるんだろ。…まぁ兎にも角にも未知の世界への好奇心と不安、現状を把握しきれていない緊張感で心臓がバクバクしてるので深呼吸して今度は箱の下の明りを見てみる。


「うわ~」


思わず感動した。そこにあったのは細やかで綺麗な光の模様。箱を中心にして円を描く様に輝いている。

色々な物語でよく見掛ける様な五芒星や六芒星に何やら文字やら数字を加えた様な物じゃ無く、絵の様にも見えるデザイン。それが光っているから余計に神秘的で綺麗。


おずおずと箱から出る。踏んでも光は消えない。その明りを使って自分の身体をチェックしてみる。鏡も何も無いから目で見える範囲でしか判断できないけど目線は確実に低くなってる。赤ちゃんからの出発ではないようでそこは素直に感謝。赤ちゃんからも良いかもしれないけど、やっぱり色々動き回ってみたいからね。来ている服は上着は色はベージュで丈が膝丈ぐらいのAラインのコートの様に見える。よく見ようと思ってボタンを外し脱いでみるとパーカーが付いていてそのパーカーに長い兎のタレ耳の様な飾りが付いていた。先は丸くなってるから、兎よりどちらかというとビーグル犬の耳よりちょっと長い感じ。布地だけで作られているから厚みが無くてヒラヒラしているけど、そこも可愛い。

神様の好みかな。思い浮かべてちょっと笑う。

靴は紐で結ぶタイプのショートブーツにハイソックス、ショートパンツに麻の生地の様な手触りの長そでというシンプルな服装。自分としては大人になるにつれて、あまりヒラヒラ・ビラビラ・フワフワ・ピカピカな物よりもシンプルな物が好ましくなってきていたので有り難い。髪は肩ぐらいの長さで白い。一通り自分チェックをした後もう一度周りを見渡したけど、顔を確認できそうな物が何も無い。それと今どこに居るかのヒントになりそうな物も。


「どーしようかな…」


と呟いた後に、どうしようも何も無いよねと心の中でツッコむ。とりあえず上着を着て箱の蓋を閉める。箱には蔦の様な飾り彫りが施されていて自分が入っていたのが申し訳なくなりそうな品の良さが感じられた。まさか棺桶じゃないだろうな、などと思いながら扉へ近づいて耳をくっ付け外の様子を伺うけど何も聞こえない。少し扉を開けて外を見ようとしたその時―


ボッ!

「!!!」


急に自分の背後から音がして寿命が縮む思いがした。この部屋は安全だと思って完全に油断してた。反射的に振り向くと部屋の壁に火が灯っていて、等間隔にある松明(たいまつ)の様な物がありそれに点いていた。そして光っていた魔法陣は徐々に輝きを失っていき遂には消えてしまった。その様子をまたもや心臓バクバクさせながら見守る私。

な、な、何なんだよ~。もう何なんだよー!

すぐには落ち着くはずもない心臓の鼓動を感じながら胸の前で手を握り締め心の中で叫ぶ。あーこんな事なら前もって転生した時の状況を聞いておけば良かった。何で考え付かなかったんだろう私のバカ!

しばらくこの腰が引けた恰好で突っ立ったまま動けずにいたけど、それ以上の変化は無くて少しずつ落ち着いてきた。ふうーと肺に溜めこんだ空気を鼻から出す。今度こそ大丈夫だろう。…大丈夫だよね?

自問自答しながら改めてドアノブに手をかける。


「大丈夫、大丈夫」


呪文のように何度も繰り返しながらそっと扉を開く。小さく軋む音をたてながら自分の頭分の隙間を開けた所で、しっかりと深くパーカーを被り少しずつ頭を出して前髪の隙間から外の様子を見てみる。部屋の外はまだ屋外ではなく、石造りの1本の広い通路がありそこも松明で照らされた道が奥まで続いていた。照らされていても前の世界の蛍光灯程の明るさではないけど。

おずおずと扉から出てみる。石で造られているみたいだけど、ここは遺跡か何かかな。見える範囲には脇道が無さそうだから逃げ込むならこの部屋に戻って来るしかない。もしもの時の為に完全には扉を閉めずそのままゆっくりと歩き始める。


はぁ、地図が欲しい…。


当たり前の事だけど、知らない所から急に冒険が始まると実際には緊張感がハンパないな、と思いながら歩く。

あぁどうか冒険映画の様に怪物が出ませんように!ウッカリ壁を触るか床の仕掛けを踏みぬいて罠が発動するなんて事がありませんように!


読んで下さってありがとうございました。


遺跡の罠で思い出す物と言えば、落ちたら刃物に刺さりそうな落とし穴とか、大きな岩が転がって来るとかですかね。

鞭を使いこなす学者先生の映画とか、他の分野(アニメやゲーム等)でも見かけていた気がします。間違ってたらごめんなさい。

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