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白い場所にて 5

いらっしゃいませ。変わらぬ挨拶になりますが、来て下さった方ありがとうございます。つたない文章ですがもし良かったら暇つぶしにでも見ていって下さい。


どこかキリの良い所で次に持っていこうと思っていたら、切る事が出来ずに今までの中で1番1話分が長くなってしまいました。

この空間に時間というものがあるのかは分からないけど沢山ゲームの話をした。どんなゲームが好きかとか、このゲームのここが好きとかイマイチだとか。レベルが上がった時のステータスアップは自動と任意どっちが好きかとか、そんな他愛のない事も色々話した。少年神様はシステム面の話もしていたけど、私は難しい事は分からないからその時は聞き役が多かった。でも楽しかった。あぁ、生きている時にこんな風に話せたらな。

女神様は時々こちらの話に耳を傾けているようだったけど、ほとんどは何かしらの作業をしていた。忙しくしている人の近くでお喋りなんて申し訳ないと思っていると、察したかのようなタイミングで「大丈夫よ」なんて言って下さった。…あれ?女神様忙しそうだけど、少年神様はこんなに私と喋ってて大丈夫なんだろうか。そう心配になり尋ねてみると、


「あぁ、今は割と平和なんだ。ありがたい事に善い人間が多いみたいでね。だから遊びに行ったり気ままにお喋りできるんだ」

「今はってことは、前に色々あったんですか?」

「うん、まあね。人が増えると色々な考え方も出てくるし。そもそも人同士が仲良くしていても自然災害とか魔物の事など色々あったからね」

「魔物…」

「うん。今はそれも落ち着いているから本当に比較的平和だよ」


そっか。どのくらいの異世界があるか分からないけど、どの世界でも大なり小なり問題はあるらしい。まあ当たり前か。魔物こそ私の居た世界にはいなかったけど、他の事で色々あったもんな。


「ところで君はどんな感じで生まれてきたい?」

「え、どんな感じとは?」

「いわゆる“キャラメイク”ってやつだね。能力とかどんな感じが良い?」

「そうですね…。私注目されるとか目立つのって苦手なんですよ。だからそうだなぁ…、上手く気配を消せる事が出来たらありがたいですね。あと自分で身を守れるように気配察知みたいな物もあると助かります」

「ふむ、成程…」


少年神様はそう答えると、少しの間考えるかのようなポーズ(手を顎に当てる感じ)をして黙りこむ。そして小さく「フフ」と笑った。

あれ?何だろう。今、なんかそこはかとなく不安を感じたんだけど気のせいだろうか…。


「あの?」

「ん?いや何でもないよ。他には?もし無いなら無事に生きていけるように僕の方で色々考えておくけど」

「…いやすみません。何故か今ので不安を感じたんですがよく分からない事にはならないですよね?」


不信感丸出しで私が聞くと、「え~?」と言った後こう答えた。


「もちろん!僕は今回みたいな事がもう無いように、君が無事に世界を楽しんでくれたら良いと思っていただけだよ。そうだ、あと病気に負けない身体とかどう?」

「あ、それ助かります。やっぱり健康が1番なので。というかこんな事が度々あってもらっちゃ困ります」


何処からが真面目で何処までがおフザケなんだこの神様は。


そんな感じに話は進み、前の私にもう少し欲しかった素早さや器用さもお願いした。得意な武器は何にするかと聞かれたので、ゲームでは遠距離攻撃でよく遊んでいたので銃等があるか尋ねると「ある」という返事が。…何でもありだな、と思いつつ、またゲームの話に花が咲き始める。うーん、つい自分の事なのにキャラメイク感覚になってしまった。いやもはやこれはキャラメイクか。


どうやら少年神様の世界は本当に何でもありみたいで、剣と魔法のファンタジーに加え銃も存在しているらしい。たた、銃は製造出来る国が技術面の意味で限られているらしく、多少他の国にも流通してはいるけど扱える人は万人ではないとか。剣も魔法も得意不得意や素質なんかもあるんだろうからそういうものなんだろうな。少年神様曰く、「実は君のいた世界と共通点は多いんだよ」との事。

共通している所がこちらの世界に多いから親近感が湧いて遊びに来ていたのか、それとも自分が興味をもったものを自分の世界に取り入れたのか。それは分からないけど、少年神様がなんとなく楽しそうに話している様だったから聞くのは止めた。


「外見はどんな感じが良い?」


そう言われて考える。無難に普通の感じにするか、それとも…。


悩んだ末に答えが出なかった。自分のセンスを晒すのが恥ずかしかったのもあるし、センスに自信が無い。決して自信が無いから晒すのが恥ずかしいのではないぞ。断じてない。

悶々と悩んでいる私を見て「じゃあそれなりにしとく?」と少年神様。それなりってなんだ。

「個性的すぎじゃなければ」と答えると「大丈夫だよ」と笑われた。


「こうみえて僕は君の事を気に入ってるんだ」

「私をですか?」


え、相手は神様で私はただの人間。心が綺麗とか容姿がモデル並みの綺麗系でも可愛い系でもない。そんな私のいったいどこに気に入られる要素があったんだろうか。ぶっちゃけお腹のお肉が気になるし足だって細くない。ボンキュッボンのナイスバデ-でもないしな。おっと、自分で言ってて悲しくなってきた…。

するとその疑問に答えるかのような返事が。


「僕は今まで自分の立場もあって1人で遊んでいたんだ。その事について何の不満の無かったしそれでも楽しかったからね。でもこうして君と沢山語り合った事で誰かと話題を共有することでも楽しむ事が出来ると知る事が出来た。それは僕にとってとても新鮮な感覚だったよ。できたらまたこんな風に話せたらと思っているんだけど、どうかな?」


少年神様が小首を傾げた。何だろうこの親しみやすい神様は。良いのかな。

とはいえ私もとても楽しかったのは同じだったので「こちらこそ」と答えた。


「神様とお喋りできるなんて恐縮ですけど私もお話できて楽しかったですし」

「良かった。じゃあこれからもよろしくね。とはいっても流石に僕も頻繁には時間が取れないけれど」

「それは神様ですからしょうがないですよ」


苦笑しながら私が言うと少年神様がフフっと笑う。

そもそもいくら平和だからって神様が暇な訳無いと思う。私の居た世界の神様が忙しそうにしているからユッタリしているように見えるだけで。

そうしていると、きりが良くなったのか女神様がやってきた。


「話は纏まりましたか?」

「はい、なんとか。あの、女神様…」

「なんでしょうか?」


私は自分が置かれている現状に混乱していて忘れていた。家族や友達の事を。

私はアパートで1人暮らしをしていたので、私だけが死んでしまったという事は他の部屋の人には被害が無かったのだろう。それは良かったけど、家族や友達は私の急な訃報に驚くだろう。しかも隕石落下が原因とか、直撃にしろそうじゃないにしろロクな状態で無い事は確かだし。私だって逆の立場ならショックを受ける。だから…。


「こんなに善くして頂いたのに図々しいと思われるかもしれないんですが、私が死んだ事で家族や友達が悲しみにふさぎこみ過ぎない様にして欲しいんです」

「……そうね。分かったわ。そこはなんとかしておきます。安心してちょうだい」

「ありがとうございます」


良かった。きっと女神様なら上手くフォローしてくれる。胸を撫で下ろし(無いけど)ていると今度は少年神様が声をかけてきた。


「他にはもう気がかりな事は無い?」


それに対して私は「はい」と答える。すると少年神様が少し言いにくそうに言った。


「実はね、言いそびれていたのだけど、君の前の記憶はあやふやな所が出てくる可能性がある」

「忘れてしまうって事ですか?」


血の気の引く思いがした。新しい世界で生きるには前の世界での記憶は必要ないのかもしれない。でも私にとってこれは大切な記憶。失いたくない。


「大丈夫、君が大切にしているモノだ。そこの所は僕が何とかする。ただ、年齢だったり人や何かの名前だったりそういった何かが抜け落ちるかもしれない。だけど全てが記憶から消え去る訳ではないから安心してほしいと伝えたかった」

「そうですか。それを聞いて少し安心しました」


気がかりが全くないと言ったらウソになる。でも言い出したらキリが無いしもう戻れないのに皆の所に帰りたくなる。思い出が全て消えてしまわないのならそれだけでも有り難い。


「じゃあそろそろ行こうか」


少年神様が私をすくい上げるように手の平に乗せる。


「くれぐれも、くれぐれも!彼女の事を頼みましたよ。酷い目に逢わない様にお願いします」


女神様が必死に言ってくれる。


「ええ、分かっていますよ。僕はずっと彼女に着いていられる訳じゃないから新しい世界で彼女が安心して過ごせる様な環境でいられるように配慮するよ」


私を包んでくれる神様の手からポカポカと温かいものが流れ込んでくる。すると何だか眠くなってきた。


「神様、女神様、色々ありがとうございました!」


完全に眠ってしまう前にと、振り絞って声を出す。意識が途切れる寸前に、顔が分からないはずの2人の神様が笑ったように見えた。


「健やかに、幸多い日々をおくれます様に」

「安心して楽しんでね」


読んでくださりありがとうございました。


これにて神様との会合は終了でございます。次は異世界での話になりますが…。いや~今更ながらネーミングセンスを人様に晒すのが恥ずかしくなってきました。ヤバイ。大丈夫、大丈夫だと言いきかせながらやっていきます!


こんな私なので、更新も遅いし回数も変わって来るかもしれませんが、気長にお付き合いして頂けたら幸いです。

あ、因みに“私は”俺TUEEE好きです。人それぞれだとは思いますが、ゲームでもその方が進めやすいですしね。単純に戦闘が楽しくて遊んでいたらレベル上がってたっていうのもありますが(笑)。

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