日常の始まり
一ヶ月前から、日本に怪物が現れ始めた。
姿形は違うけれど、人間に害を与えるのは共通している。
そして、同時期にそれと戦う女の子たちが現れた。
怪物のあらゆる攻撃にも屈さず、息のあった攻撃で怪物をやっつける。
その姿に私、桃瀬明日香は非常に憧れている。
『次のニュースです。謎の少女2名が、またもや怪物を退治してくれました。その一部を納めた映像がこちらです。』
「うわぁ~~!!めっちゃかっこいい~~!!」
青色の衣装の子が、氷で怪物の身動きを封じ、緑色の衣装の子が、虹色の風で怪物を覆う。
すると、段々と怪物が消えてなくなってしまった。
「きまったぁーー!緑ちゃんのレインボーハリケーン!!」
緑ちゃんと言うのは、緑色の衣装の子に私が勝手につけた名称だ。
この子たちは、戦闘が終わったらすぐに消えてしまうから、名前はおろか、正体も不明。
「明日香、遅刻するわよ!!」
「わっ、もうこんな時間!?やっば!ありがと母さん!」
私は急いで荷物を持ち、家を出た。
「いってきまーーーーーす!」
「気をつけるのよー!」
いけないいけない。
ついつい見惚れちゃった。
でも仕方なくない?
だって、かっこいいんだもん!
特に、緑ちゃん!
足速くて、強くって、綺麗な顔にモデル体型!
緑ちゃんの握手会とかないのかなぁ~……。
いつか一目でいいから緑ちゃんと会ってみたいなぁ~……。
「神様お願いしまぁ~~~~~す!!あの2人に会わせてくださぁ~~~~い!!特に緑ちゃん!!あと、どうか遅刻免れますように~~~~~~~!!」
走りながら大空に向かって叫ぶ。
周りから、白い目を向けられてる気がするけど気にしない!
笑顔笑顔!
キープスマイル、明日香!
コツンッ
「いって!」
ちょ、何!?
何を投げてきた君ら
向けるのは白い目だけにしとくれ!
足元に、何か転がってる。
これかな?
「ビー玉?どうりで痛いわけだ。にしても綺麗だなぁ……。」
綺麗なピンク色で、太陽の光に当てると、星のようにキラキラ光る。
これ貰っていいよね?
いいよね?
私に投げてきたんだもん
きっと私の元気さに感動して、不器用な誰かが投げてきたんだ。
うん、そういうことにしとこ。
ポケットの中にビー玉を入れ、また走る。
「いやぁ、いい物貰ったなぁ。この調子で、誰か遅刻回避の手助けを~~~~~~!!!」
私は猛ダッシュで走り出した。
そして、見事に遅刻した。