第四章 機体整備
さて!いよいよ機体の整備に入ります!
春音「愚作者!いつになったら飛ばしてくれるの?」
作者「はいぃぃ!すぐ書きます。おおこわおおこわ・・・・・・・」
春音「なんか言った?」
作者「いえいえなんでも。」
「摩訶般若波羅蜜田心経、観自在菩薩行般若波羅蜜田寺・・・・」
お経を読み上げる声が、初秋の福島空港に響く。
お坊さんが零戦の前に座り、般若心経を読み上げる。その後ろには、この零戦を製造し、今回の「零戦復活プロジェクト」に協力してくださる三菱重工の担当者、今回のプロジェクトに協力してくださる株式会社「ゼロファイター・ジャパン」社長の高信祐樹さん、その他大勢の関係者の皆さんが並んでいる。
高信祐樹―僕らは信さんと呼んでいる―は、株式会社ゼロファイタージャパンという模型会社の社長で、模型製作の資料用に、飛行可能な零戦を二機持っている。さらに、空母「翔鶴」を復元したものも所有している。隼人さんに紹介してもらった。
今回、桑折飛行場の跡地を整備し、「零戦ミュージアム」としてオープンさせる予定だそうで、僕らにも声がかかり、このゼロも保存されることになった。
赤サビまみれのエンジンは、信さんのツテで、猪苗代町にある「野口自工」という工場で整備されることになった。信さんいわく「エンジンのプロ集団で、古い鉄道車両のエンジン整備も手掛けている。」らしい。
機体や舵も、三菱重工の協力の下、修復が進んでいる。
機体は、超々ジュラルミン製の骨組みに、厚さ0・6ミリのアルミ製の外板が張られている。
まずは、アルミの外板を全部はがして、骨組みだけの状態にした。その骨組みを、三菱から派遣された担当者がチェックし、手元のクリップボードに書き込んでいく。
検査の結果は、翼の主桁はすべて作り直し、あとは外板の張替えだけで済むそうだ。操縦索は、大事をとって作り直す。とのこと。
手持ち式のグラインダーを使って、機体のサビともども塗装を落とし、使えない部分は新しいものに交換していく。
零戦の復元で、大変なことは、何個もある。
一つ目は、部品が今の規格と合わないこと。
今の工業製品は、JIS規格という規格に沿って作られている。でも、当時はそんなのなく、唯一あった「日本標準規格」もうまく機能しなかったから、実質オーダーメイドに近い。
二つ目、設計図がない。
戦闘機や軍艦にかかわることは軍事機密だったから、終戦の時に焼却されて、ほとんど現存しない。
ハルは、同じ大学の工業史科だから、製図も一応習っている。現存する零戦から採寸して、CADというソフトを使って設計図を描いた。
グラインダーを使って塗装とサビを落とし、さび止め塗装の上に本塗装を行う。ここまでで一週間使った。主翼や尾翼も同様。塗り分けは、現存するほかの機体や現役時の写真をもとに、特別に調合した明灰白色に塗った。
大日本帝国籍を示す日の丸印は、塗装をはがす前に計測したものをもとに同じ位置に復元した。隊長機を示す斜めの帯も入れる。
それと同時に、中から何かが発見されないか探す。見つかったものは、零戦ミュージアムに展示することになっている。
これまでに、坂井さんのものと思われる千人針、コックピット内側の壁に書かれた「敵国降伏」の文字が発見された。
坂井さんの所持品は、すべて遺族の方の了承を得てから展示することになる。
無線通信装置と緊急脱出用のパラシュートは、現代の基準に合ったものを新製して取り付けた。防火対策も、外観と飛行性能を損なわない程度に施す。
あとは、エンジンが戻ってきて、全体を組み立てた後調整と試験飛行をしたら、おしまいだ。
エンジンのほうは、どうやらいろいろ問題が起こっているらしい。なんとか修理するとのことだった。
野口自工さん!がんばってください!
春音「春音とぉ」
保信「保信のぉ!」
保信・春音『次回予告~!』
―♪守るも攻むるの黒鉄の 浮かべる城ぞ頼みなる―
保信「さて、突然ですが、今回はゲストをお呼びしております!」
春音「伊東椋先生の『護衛戦艦《神龍》~護りたい物がそこにある~』から戦艦大和の艦魂大和長官で~す!」
大和(伊・沼尻鉄道の國分大和と紛らわしいため処置発動)「お初にお目にかかる。大和型戦艦一番艦『大和』艦魂。大和だ。」
保信「こちらこそ初めまして。桑折空戦闘機隊搭乗員、神崎保信です。」
春音「同じく山ノ井春音です。初めまして。」
大和(伊)「二人とも、とりあえずこれをつけてもらう。」
保信と春音の体が光に包まれる。そして・・・・・・・・
保信「なっ!なんじゃこりゃ!」
春音「ねっネコ耳!?おまけに尻尾まで!?」
大和(伊)「二人とも・・・・・可愛い!実に可愛いぞ!ハァハァハァハァ・・・・・・・」
保信「なっ何なんですかこれは!」
大和(伊)「艦魂はなぁ、自分の衣装だけでなくほかの人の衣装も自由に変えれるのだよ!」
春音「第二種軍装着ていられるヤスはまだましだよ!わたしなんて巫女服とネコミミ+尻尾だよ!!わたしはレイヤーじゃないのに!」
春音、しばらくの間赤面していた。
春音「でも・・・・・・・・・」
保信「どうしたの?」
春音「こういうのも、いいかも」
春音、コスプレの楽しさに目覚める。
保信「ええええええええーーーーーーー!?うそでしょ!」
大和(伊)「そうだろう!?春音ならわかってくれると思った!もっと可愛いのがあるが、どうだ?」
春音「着る!」
春音、また光に包まれる。そして、春音が着ていたのは、メイドにネコミミだった。
春音「お帰りなさいませ!ご主人さま!!」
保信「ブーーーーーーッ!」(鼻血を吹き出して倒れる)
保信、轟沈。
大和(伊)「やっぱり春音は、何を来ても可愛いなぁ。このかわいさは神龍並みだぞ。あぁ、可愛いなぁ。」
春音「ありがとう!!」
大和(伊)「春音とは馬が合いそうだ!今夜は、わたしの部屋で朝まで語り明かさないか?」
春音「そうする!」
作者「あ!ちょっと失礼します!大和長官、これ、郡山のソウルフード『クリームボックス』です。呉の皆さんと長門さんの分もありますので、皆さんでいただいて下さい。あと、会津の伝統工芸品『起き上がり小法師』も皆さんにどうぞ。」
大和(伊)「感謝する」
春音と大和(伊)、連れだってスタジオを出て行く。
保信「んんん、あれ?ハルと大和長官は?」(復活)
周りを見渡す。
保信「いないようなので、次回予告します!次回は、あの栄エンジンが復活します!お楽しみに~!」
作者「伊東先生、ご不満などがありましたらご連絡ください!修正いたします。」