第二章 受け継ぐ
第二章投稿しました!読んでいただければ幸いです。
僕らが零戦のそばで見つけた白骨遺体は、所持品や身に着けていた衣服などから、旧大日本帝国海軍中尉のパイロット坂井二郎さん(享年二十二歳)と断定された。
零戦は、尾翼に書かれた機体番号「コオ―102」から、坂井さんの搭乗機と断定された。桑折町教育委員会の所有となるらしい。
遺骨は、警察を経て遺族に引き渡され、葬儀には僕たちも参列することになった。
葬儀の途中、坂井さんの遺影はずっと飾られていた。海軍兵学校入学時のものだという。これからの将来に輝いている、意志の強そうな目をしていた。まさか、自分がわずか二十二歳で命を散らすとは、この時は思ってなかっただろう。
(せめて、安らかに眠ってください)
仏前で焼香し、死後の冥福を祈った。遺影の中の坂井さんは、相変わらずにこにこと笑っていた。
その夜のこと、僕は夢の中で、桑折飛行場に立っていた。
音に気付いて空を見上げると、一機の零戦が飛んでくるのが見えた。
着陸した零戦から、一人の男の人が下りてきた。飛行帽とゴーグルをとって、敬礼する。僕もあわてて、敬礼を返した。
「おれのゼロ、よろしく頼むな。」
男の人はそう言うと、身をひるがえして歩きはじめた。
その背中が、かき消されるように消えたところで、夢から覚めた。
「なんだったんだろう、あの夢・・・もしかして・・・」
あの人は、坂井二郎さんだったのかもしれない。「よろしく頼む」とは、自分の零戦を僕らに譲るということ?
ピコン♪
ラインの着信音が鳴った。
《ハル@福の島:桑折町が、零戦の引き取り手を探してる!!》
へっ!?
保信「保信とぉ」
春音「春音のぉ」
保信・春音『次回予告~!』
♪エンジンの音 轟々と 隼は征く 雲の果て・・・・(加藤隼戦闘隊が流れる。)
春音「ねぇ、ヤス。」
保信「どうしたの?」
春音「なんで海軍機の零戦の番組で陸軍の『加藤隼戦闘隊』を流すのかな?」
保信「さぁ?全部作者に任せてるからな~」
春音(そろそろ話題を変えよう。)
春音「そういえば、作者さんはなんでこんな話を書いたのでしょうか?」
保信「なんか、小学生のころ読んだ『大空のサムライ』っていう本から一気にハマったらしいよ。」
春音「『大空のサムライ』って言うと、あの撃墜王坂井三郎が書いた空戦録だね。」
保信「正しく言うと、それを子供向けにした『ゼロ戦の勇者』っていうやつだったらしいけど。」
春音「へぇ~」
保信「ちなみに、『ご先祖様に陸軍軍人がいた』らしい。お見合いの時に軍馬にまたがり軍刀を吊って表れたそうだ。」
春音「登場の仕方・・・・・・・・あっ!そろそろおしまいの時間だ早く終わらないとオンエア時間すぎる!」
保信「次回は、桑折飛行場から零戦が運び出されます!いつものように愚作者の支離滅裂な文章です!」
春音「では、次回の投稿を」
保信・春音『お楽しみに~!』