悪役的少女の異世界召喚。
「>_!○☆☆>♥?-'¥*♥#$$¥¥"♥”'’…”"[-'>☆//<.;{」
訳の分からない言語が叫ばれる。
もるんなら分かるだろうと思い姿を探す。
だが、姿が見当たらない。
まわりに見えるのはお面白く無さそうな顔をした黒髪の男性とファンタジー小説で良く見るような司祭様とでも呼ばれるであろう初老の男性、それから白いもるんっぽいっ魔物を抱きしめる淡いベージュの髪に同色の瞳を持つ活発そうな少女。
どう見てももるんがいない。
「ええぇーと、とりあえずもるんは何処ですか?」
もるんの居場所を問うと黒髪の男性が嬉しそうに近づいてきた。
クラスメイトの男子には暴力を受けた事があるからあまり男子と言うか、男性というものは好かない。と言うか、人形の物が好きじゃない。
だから、初対面の人が近づいてくる事に恐怖心を覚えるのも必然的な事だろう。
じっと彼を見つめる。
どこまで闇を思わせる黒い髪は光を受けて時々藍色に光る。もしかしたら果てしなく黒に近い藍色なのかも知れない。また、兎を思わせる赤い瞳は切れ長で色気を帯びていて高い鼻も作り物めいている。
そんな事を考えていたら目の前まで彼は近づいてきた。
すっと手が伸ばされて咄嗟に身を引く。
ぼふんっと煙があがった。
そこに彼はいない。その代わりにもるんがいた。
なるほど、もるんは元々人なのか。
「";;’♥¥¥<-$/;"→←、→」
また、訳が分からない言葉をかけられる。
「きゅ……救世主様方……あの……陛下がいらっしゃいました。」
もるんが訳したところ司祭様はそう言っているらしい。
陛下!?
いかにもファンタジーっぽい!!そう思いドアの方を見ると
豪華絢爛なマントを羽織ったおじさんと見目麗しいであろう青年それから、スッキリとした礼服を纏ったおじさんと着物を着崩してその中に洋服を着たようなおかしな格好をしたおじさんそれから、いかにも普通なおじさんが入って来た。
祭祀様が説明をしてくれる。
いかにもなマントのおじ様が陛下つまりは、国王らしいが、国王とは名ばかりで政治はしないらしい。天皇みたいなものかだと思う。
青年が王太子様。
礼服のおじさんがヒロインさんがお世話になるお家の方でおかしな格好のおじさんが私がお世話になる方らしい。
で最後のおじさんが政治をしている総合大臣だそうだ。総理大臣だと思ってもらえれば良いと思う。
すっと王太子様が近づいてきて私の前に跪く。
最初からもるんに訳してもらう。
「あぁ……貴女とは初めてあった気がしない……貴女をこのまま金殿に任せてしまうのは勿体ない気がします。また、私に会いに来てくれますか?」
まるで、恋人に囁くような甘い声で告げられて鳥肌が立つ。
大の人間嫌いの私に初対面でなんてことをしてくれるんだ。
そう思いもるんを見ると「僕の能力はチャームだモルん。だから、君もチャームが使えるもる!まだ、訓練してないから無差別でチャームをかけちゃうみたいモル」
私は、彼に挨拶もそこそこに逃げ出した。