チャネルカ・ブース編 6、一発の銃弾は開始の合図
ドアの向こうから人が現れた。
「リンクとランク!」
リンクとランクと呼ばれた20歳ぐらいの双子が現れた。
リンクは女でランクは男だ。
しかしそっくりである。
二人とも同じ髪型をしているので
見分けるのは超高度である。
「「どっちがリンクでしょぉ??」」
「そっそんな同じ顔して言われても……わかりませんっ」
「「ルピィひどいっスーー見わけるっスーー!」
ぷくぅっと頬を膨らませる姿は子供にも見える。
……すると
「右がランク、左はリンクだろィ?」
え?
一斉に声のした方を振り向く。
「か……カリアさん??」
「「せいかーーい★カリアおじいさんやるぅ!」」
「おじいさんというのはヤメロ」
この見た目ではぜんぜん見分けがつかない双子を
何故かカリアは見分けられるのであった……。
年の功?
「カリアさん、どうやって見わけてるんですか?」
「勘!」
「勘……ですか。」
勘で100%見わけられているのなら凄いものだ。
「「あれ?ルピィさん、聞いてた人数より足りなくないっスか??」」
「あぁ、確か私たちのファミリーで船に乗ったのは6人です。
あと二人足りませんね」
「ボスの兄弟って人とその使いさんだねェ!」
カリアは飲み終えた紅茶のカップを机におき、立ち上がる。
「あいつなら大丈夫だ、問題ない。」
「「……?意味が分かりませんっス!カリアじぃさん」」
「だれがジーさんだっ!」
双子(20歳)とカリア(95歳)が部屋の中で暴れ始めるのを
呆れ顔で見つめるルピィ……。
「あ、そうそうランク・リンク!カジノ行ってたんですよね?」
「「そうだよぉ?」」
「で、結果はどうでしたか?」
「「……惨敗……」」
「もぅ……カジノは一週間行ってはいけませんよ!」
「「えええぇー」」
まだ高校三年生の歳のルピィにしかられている大人二人。
少しなさけない
「あ……そういえばエスターの事忘れてました!」
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~レストラン内~
「でさぁ、アレ、面白いよなぁ!」
晃が目を輝かせて話す。
それに続いてエスターテも
「うん!特に○○編の×××とか・・・・」
どうやら日本のアニメの話をしているようだ。
アニメの話で盛り上がっている二人は当然周りからは浮いていた。
「で……」
晃が何か言いかけたその時、
―――銃声。
一発の銃声が響いた。
店内の空気は和やかな雰囲気から一気にに凍りつく。
「さ……さっきの音何?」
エスターテがおそるおそる晃の顔を覗き込む。
エスターテもその『音』の正体が分かっているんだろうが、
信じたくない、せめてもの希望にすがりたいという気持ちがある。
が、晃の次の言葉によって希望どころか絶望に近いものを
感じる。
「……銃声だッ!エスター!伏せろ!!銃撃戦が始まる
かもしれねぇ!!しかもここで」
「な……なんでそんなことがわか……」
ドドドドドドドッ
強い振動がエスターテ達を襲う。
店内の入り口辺りで男がマシンガンを撃っている。
威嚇射撃……というものだろうか、人には当てず、そこらへんの
人がいないところに撃っている。
「ななななにしているの??あの人!!」
混乱気味のエスターテ。
「おそらく関係のない者は出て行け……というヤツだな。」
「誰と誰が戦うって言うんだよぉ!!?」