過去編 40、ユラ・来る
その後チームや街の不良をまとめあげαを立ち上げたロッタは急速に街で力をつけていった。
「なーなー!ロッター」
「?」
ハヤトが目を輝かせながら話し掛ける。
「今度αのアジト!作るんでしょ!」
「アジトってな・・・まぁそんなもんだな」
この頃には大量のお金がαにあったのでαのアジト本部を作る事になった。
「本部に俺達の住む場所もつくるから、今度引っ越すぞ」
「そうなんですかぁ〜!引っ越し、楽しみですね」
わざわざアジトに引っ越すのはまあ、ルーシェの為でもあった。
前、αで用事があり家を朝帰りした時ルーシェは異常なまでに俺の事を心配していた。
ルーシェ達はまだ小さいのに親に捨てられたのだ。心配しても無理はない。
だから少しでもルーシェの不安をやわらげるには近くに住んでいた方がいいと考えたのだ。
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〜一ヶ月後〜
アジトが出来た。
アジトと言っても外からみたらただの豪邸だ。
地下でロッタ達が住み、一階二階はαのアジトとなっている。
「すごいよ!ロッタ!こんな豪邸に住むの!」
パタパタと地下の中を走り回る。
地下は広いが部屋を少なくしてある。リビング、キッチン、風呂場、トイレ、部屋が3つあるだけだ。
「お兄ちゃん、はしゃぎすぎです!」
そう言いながらルーシェも豪邸に興奮を隠しきれていないようだ。
「荷物の整理頼んだぞ」
地下からエレベーターで一階にあがり、外に出る。
・・・?
外で知らない女が立っている。
白ベースのセーラー服。耳にはヘッドフォン、長い髪をポニーテールに束ねその女の子の手には・・・
華奢な体に似合わない大きな銃・・・見た感じ42口径ぐらいある。
そして銃口はこちらに向いている。
「私、ユラ。まぁ依頼であんた殺しに来たんだよ」
見た目とだいぶギャップのある声と話し方で話す少女を前にどうしたものかと顎に手をあてる。
屋敷は出来たばかり。
屋敷にはまだルーシェとハヤトだけ。
「ぶっちゃけよ、あんたのデータ全然ないんだよ。だから・・・頑張って殺さないとね」
どこから取り出したのか手に手榴弾が。
躊躇せずロッタの足元に投げつける。
爆発こそは素早い対応で避ける事が出来たが、爆発による煙で視界が悪くなる・・・。
ジャキ・・・
―――しまった。
ユラが42口径の銃の引き金をしぼる・・・・