過去編 37、出会い
早朝。まだ日が昇っていない時間帯、ロッタは街を徘徊していた。
銀行で今までためてきたお金をおろし、空腹と宿はなんとか出来たが宿で不思議なものを見た。
それは、自分の顔。
髪もいつの間にか真っ黒だし顔つきも違う。身長も伸びている・・・気がする
どうしてこうなったのかわからずあまり眠れず朝になってしまった
(まぁ親に居場所がばれてひきもどされる心配はなくなったのだが)
そこで街を徘徊する事にしたのだった。そこで表通りの方から声が聞こえてきた。
「ちょ・・・ちょっと!困りますそんなお金・・・」
「出せねーんならこのパン屋さん、売ってでも払ってもらわないと~。われわれサザーネファミリーはね、街の皆さんの安全を守ってるんです。活動費とか必要でしょう?」
すらっとしてメガネをかけている長身の男の手がパン屋の店員の女の肩にぽんっとおかれた。
その時、店員は力いっぱいの拒絶でその手を払いのけた
「安全!?ふざけないでよ!街の人達から暴力でお金を絞り上げて!ふざけないで!!」
長身の男は一言「ふむ」と口に手を置き指をパチンと鳴らした
「お分かりいただけないんですか。悲しいことです」
すると何人ものマフィアが手に武器を持って出てきた。
ナイフに銃、手榴弾を持っている奴もいる
・・・気がついたらロッタはマフィアを倒して追い払っていた。
さすがマフィアで銃を持っていた相手に手こずったが・・・
「あああ!あの!あの!あの!!」
「?」
緊張と言いたい事がつっかえてうまく喋れないのだろう。
顔を赤くしたり青くしたり・・・彼女、結構面白い
「うちの店の用心棒してくれませんか!?たまに店に来てくれるだけでいいんです!
あ・・えっと・・お金もちゃんと払います!」
なぜ彼女がこんなにも必死に見ず知らずの男に頼んでくるのか初めはわからなかった。
だが考えてみると簡単なことだった。
それほどマフィアへの恐怖が大きいって事だ。
ロッタは彼女の依頼を受けた
そうしていくうちにロッタを雇った店は十件をこしていた。
やっぱりロッタには街の人を見捨をてることは出来なかった。
==
===
=====
~2005年4月?日 ~
仕事にも慣れてきて、マフィアが現れる事は減ってきた。
それなりにこの街のことを調べてみたら、マフィアに狙われやすい街ということが
分かってきた。この街は港と隣は大きな大都市という事もあって交通も良く
広く緩やかで自然が豊富、港で魚もとれるこの街はマフィアが利用するにはうってつけの街
だったのだ。
ロッタはこの頃になると収入もあるので街のアパートに住んでいた。
==
===
====
街を見回りがてらふらふら路地を歩いていると、二人の子供がしゃがみこんでいた。
見る限り服がだいぶ汚れ、怪我もしている。
近づくと、片方が警戒の目でこちらを見た。兄なのだろうか?もう一人の子供、女の子を
かばうようにロッタの前に立ちはばかった
おとこのこはの髪をぐしゃりと撫で、一言つぶやいた
「ついてこい」
とりあえず傷の手当てをしてやらないと。
男の子はしっかり女の子の手を握り、ロッタと少し距離をおいてついてくる
アパートにつき、二人とも手当てをすませた。
女の子の方は怪我もひどく意識が朦朧としていたが何とか手当てし、ご飯を食べさせて
寝かせたところだ。
男の子は、ロッタを信用し始めたのか、初めて会ったときの警戒のまなざしは
しなくなった。
今はハヤトがご飯を食べている
「お兄ちゃん、誰?」
「ロッタ」
「僕、ハヤトって言います小学校3年。あっちのツインテールの女の子はルーシェ二年」
「そうか」
「ロッタってさ、あんま喋んないよね」
「ああ」
「・・・・・・・。」
ハヤトがむっと口をとがらせる
ご飯のピザをかじりぼそっとつぶやいた
「・・・おいしい」
今回はコメディー系はお休みっすなー