チャネルカ・ブース編(完) 27、最期
「え?誰?」
エスターテが振り向くとそこには真っ黒な髪を頭のテッペンで
一つにまとめて人形のような無表情な女が一人死人のような目でこちらを見ていた
「お爺ちゃん、どこにいるの?」
何か不気味なものを感じながらルピィは一歩退いた
近寄れない、そんなフインキがあった
「言ったよね。もう、いない」
「この家からでていっちゃったの?」
キョロキョロとあたりを見あたすエスターテ。
この三人以外人の気配は感じない。
「私は、貴方のおじい様の秘書。全て見ていた・・・・・・」
「おじい様の、最期をね」
間が空く。
どうも頭が追いつかない・・・。
時間そのものを奪われた感が襲ってくる
「さ・・・最期ってどういう意味ですか!?」
ルピィは思わず声を荒げる
それでもなお女は無表情でこちらを見ている。
「一ヶ月ほど前に、病気で亡くなった。」
「お爺ちゃんから手紙が来たよ?」
「それは私がポストに入れました。おの方からの遺言でしたので」
それだけ言うと女は素早い動きでまるで忍者のように部屋から消えた。
あまりの事でもとから何も無かったかのようだった。
「・・・とにかく、ルピィ泊まっていってよ。イロイロと頭こんがらがって
るけど・・・もうお爺ちゃんいないけどせっかく来たんだし俺も夏休み中はここに
いることにするよ。それにお爺ちゃんの手紙にルピィと仲良くしてって書いてあったんだ」
「そうなんですか!じゃ、じゃあ今日は泊めさせてもらいます」
ルピィをエスターテの寝ていた部屋に泊まらせ、エスターテはリビングの
ソファーで寝ることにした。
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6時
「おはようございますエスター」
「おはよー♪そういえば、ルピィお兄さんの葬式終わったの?」
「あ、はい。特別にカリアさんが仕事はいいからって葬式に連れて行って
くれたんです」
やりますなーカリアさん
「俺もね、妹いたんだ。雨の日に歩道橋の階段で足を滑らせてしまって
死んじゃったんだ」
「え・・・エスター」
「だからね、気持ち分かるからいつでも相談してね」
「はいっ」
エスターテに見せたその笑顔は本物の温かい笑顔だった
その後、ルピィは仕事があるらしいのですぐ行ってしまった。
一人残されたエスターテ。
―古い洋館
―一人
―不気味
「怖いーーーーーッ!!」
ガタン・・・
奥のほうで音がした。
何か重たいものが落ちたような音だ。
「ああああ・・・だ・・・誰かいるのは知ってるぞッ
おおおお大人しくでてここここ来い!!」
あからさまな強がりは誰もいない洋館ではむなしいだけだ。
これ以上何も聞きたくないのでスーパーに買い足しに行くことにした。
朝、たまたま引き出しを開けてみたら、エスターテの名前で通帳が
あった。お爺ちゃんがもう長くない事を悟り貯めてくれていたのだろう。
しみじみともうお爺ちゃんはいない事を感じながらありがたく食費に
使わせていただく事にしたのだ。
―コレで何とか夏休み中は過ごせそうだな
鍵を閉め近くのスーパーを探しに行った。
――――チャネルカ・ブース編 了――――
終わっちゃいましたチャネルカ・ブース編(><
せつなーーーーーい
話は変わりますが、このESTATEを本にたとえるなら、一つの『編』を一冊と考えてください。次の『編』は
チャネルカ・ブース編の後編って感じですな。
でわでわ〜感想お待ちしております