チャネルカ・ブース編 16、気絶
うかつだった。
油断していたとはいえ……
ルピィが振り返るとそこにはゴツイからだの慎重2メートルはありそうな
男が立っていた
「お前、レストランにいたな?皆集中していて見ていなかったらしいが俺だけは見てたぞ!」
ニイッっといやらしい笑顔を見たかと思うと、首を持たれ次の瞬間体は壁にたたき
込まれていた。
……うかつだった
心の中でもう一度呟いた。
ルピィの武器は銃である。ある程度戦えてもやはり相棒の武器
が無ければ威力は半分になってしまう
その相棒はと言うと部屋の鞄におねんねしてますが。
体中に激痛が走る。体ごと首を持ち上げられ、首が絞まっていく
ギリギリと力を入れてくるこのままでは死ぬ。
たぶんこの男の目的は口封じ。このままではエスターテや晃も危ない!
目線を横にずらすとすぐそこにはロッタがいた。
「何見てるんだガキ。吹っ飛ばすぞ」
ビュッと風を切るような音がするものすごい速さで、あいている
手をロッタに打ち込もうとした
バシ……
ロッタはなんとその手を片手で受け止め相手の鳩尾に的確に
拳をを送り込む
「ぐ……あ……」
男が座り込むと同時に首を絞めていた手が離れる。
――あ……倒れる
意識が朦朧としているルピィの体をさっとロッタが受け止めると
『お姫様だっこ』の状態で走り出した。
そこで私の意識は途切れたのだった。
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〜カジノ〜
「あのう……未成年の飲酒はお断りしているのですが」
「だ〜か〜ら〜俺は95才って言ってるじゃねィかい」
カリアは店員とモメていた。
都合のいい時のみ実年齢を言う人です。
「そんな若い95才はいません。通報しますよ?」
金髪の若い店員さんにドス黒い笑みを向けられ、カリアはしぶしぶ
カジノを出ることにした。
結果?
惨敗に決まってるじゃねーかよ
銀の取ってを握り
金と赤で塗られている大きくて重たいドアを開ける。
豪華客船のカジノだけあって造りは豪華だ
外に出てみたら……
なんと、自分の部下が男に抱えられ気絶してるじゃないか
「お前……ルピィに何をした!?」
珍しく大声をだすカリア。
「…………お、お前。」
カリアの頬に汗が流れる。
何か、重要な事に気づいたようだ。
「ロッタだったのかィ、すねェな。それより……お前……」
ずいっとルピィを押し付けられ言葉をさえぎられた。
「いずれ、説明する。誰にも言うなよ」
「……わかったよ。相変わらず年上にもぶっきらぼうだな
お前は。」
そういってやれやれと肩をすぼめる。
「お前も、相変わらずだ」
無表情でそれだけ言うと廊下を歩いていってしまった。
久しぶりに見た友人を懐かしそうに眺めてから、カリアはとりあえず
ルピィを部屋につれて帰ることにした。
頭から血が流れている。早く手当てしてやらないと。
にしてもあのエスターテって子はすごい回復力だったな。
あれもまれに聞く『力』って奴なのかねィ。