チャネルカ・ブース編 10、足元をよく見ろ
「ユラ」に連絡をとった後も
コック長はボンゴレパスタを作り続けていた。
「ふんふ〜ん♪」
鼻歌まで歌いだした……もう誰も
コック長を止めようとしない。
(答え:諦めたから)
やっと作り終えたのか、さらにパスタを皿に移し、上からアサリなどを盛り付ける。
こんなコック長でも料理の腕は一品で従業員の食欲を掻き立てる。
「ねぇ〜これ、出来たから運んでよぅ」
くるっと振り返り笑顔で言うコック長
まぁ、従業員にとってはこの笑顔は悪魔の微笑にもみえる。
「コック長!抗争してるのに無理です!!」
「そ〜ぉ?なら私がいくね」
「あっ待っ…………」
従業員達が止める暇もなくコック長は
てけてけと抗争の会場へ足を踏み入れた。
少し間をおいてからコック長の悲鳴が聞こえた
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〜ルピィの部屋〜
「ねぇ」
リンクが晃に話しかける。
ニヤッ
……ちょっとリンクが笑った気がした。
「なんだ?お前〜」
年上に「お前」って失礼な晃クン。
「「かくれんぼして遊ぼうぜ。」」
「いいぜ〜」
高校生なのに隠れんぼもどうかと思ったが
リンクとランクの事がちょっと気になったので
その遊びに付き合ってみることにした。
(理由:双子が珍しいから)
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「コック長の悲鳴がッ!!!」
従業員の一人がバッと店内に出て行った。
そこで見たものは――……
従業員は状況を箇条書きにして頭で整頓してみた
・倒れているコック長(死体の上で
・ぶちまけられたパスタ(死体につまずいた
・泣いているコック長(すでにパスタを注文していた人が避難していて
いなかったから
「……コック長。戻りますよ。ここ危ないです」
いい歳して本泣きしているコック長を引きずりながら
従業員は周りを見渡す。
人が大分減ったとはいえいまだに抗争が続いているのだ。
気は抜けない。
ちょうど、従業員が後ろを振り返った時……
一人の肌がこんがりやけている筋肉質の大男が
コック長の前に立っていた。
「お前ら、どこいくんだ?」
男の手には……ライフルがしっかり握られ、
コチラを向いていた。