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悪あがき

 次の日。清涼感のある風が頬を撫で、朝露が俺の覚醒を促した。昨日の思考回路に蓋をして、見当違いな結論は見ないふり。

 覚悟に腰を据えた。その事実だけで充分だ。


 俺は清々しい朝日を傍受する。

 もはや俺が目覚めて取り乱すことはお決まりになりつつあったが、今日からの俺は一味違う。

 人外としての生を受け入れて。

 目指すべき目標が定まった今の俺は、言わばニュータイプ。

 もう豆腐メンタルなんて言わせない。(やわ)なハートは羅生門並みに進化しているのだ。


 まるで生まれ変わったような心持で、過去に類を見ない素敵な朝だ。

 うん。快適で快調。

 何の不都合もない見事なまでに良い朝だ。


 そう、困ることが何一つない朝だ。

 モーニングコーヒーが欲しくなる朝だ。

 何の違和感もない完全無欠に朝なのだ。





 …………あれ? なんでこんなに元気なんだ?


 ちょっ、え? あれれ?

 確か昨日は鳥腹が痛くてなかなか寝付けなかった覚えがあるんだけど?

 寝る前に『やべーよ。これってば絶対に折れてるよ。シャレにならない痛みだよ』……とか考えてたんだけど。

 実際に目が覚めてみれば、痛みなんて毛ほども感じない万全の体調だ。今なら飛行だって容易くこなせると思う。

 手羽先で腹を叩いてみてもそれは同じ。怪我の残滓すら感じられない。


 ……うん痛くない。

 思たよりも軽傷だったのか?

 でもあの激痛は本気できつかった。秘密だが、ちょっと泣きそうなぐらい痛かった。

 仮に打撲程度だったとしても一晩で治るものだろうか?

 答えは否だ。治るわけがない。


 えッ?! じゃあなんでだよ! 骨が折れたと推測される怪我が一晩で治るとか化け物じゃねえか!

 なにそれ。マジでなんなん?

 自分の事のはずなのに何もわからない気味の悪さが俺を襲い、背筋を冷たい汗が伝う。


 得体の知れない悪寒が。

 蠢く強大なナニかが。

 ごちゃ混ぜになって俺の精神を蝕んでいく……。




 ――――なんつって!



 いやそんなのどうでもいいから。もはやニュータイプの俺にそんな脆弱な思考なんて存在しない。

 だって怪我が治るんだぜ?

 何それ最高。


 治った要因は間違いなく、この身体だろう。

 身体能力が割と高いのは知っていたが、まさか高い回復力まで備わっているとは。そう言えばキキに血をあげるために切った指先も、いつの間にか治っているしな。

 どの程度までなら平気なのかは分からないが、サバイバルをするにあたってこの恩恵はありがたい。

 非常に不本意ではあるが、多少の無理なら強行できそうだ。


 やはり追い風は俺に吹いている!

 しばらくは痛みに耐える日々が続くと思ってたのに、気が付けば完・全・完・治!

 パーフェクトだ。

 初めてこの身体に生まれ変わって良かったと思う。痛いのは嫌だし。

 異世界でこんな(とり)になったのは最大の不幸だが、この体質になれたのは最高の幸運だ。


 思えば、現実を慌てることなく受け入れるだなんて俺も成長したもんだ。

 男子三日会わざれば刮目して見よとはよく言ったものである。

 今の俺を三日前の俺が見たら、感嘆の息を洩らすに違いない。



 ――っと、待て待て。調子に乗るな。自戒(じかい)を心掛けろ。

 これでは昨日の二の舞だ。

 調子に乗らないと決めたばかりではないか。同じ失敗を繰り返すほど俺はバカではない。


 フッ。

 しっかりと学習する俺ってば超クール! 殊勝になった今の俺に死角はない!

 今ならあのバ怪鳥だって対処できる自信があるね! なんならこっちから出向かいてやろうか?


「ワーッハッハッハッハ!」


 と、高笑いをしていると周囲に影が落ちる。

 上を見上げれば……昨日見た怪鳥が全身を回転させながら、さながらドリルのように急降下していた。


「クケェエエエエエエエエッ!」

「ひぇえええええええええッ!」


 ごめんなさい嘘です調子に乗りました反省してます許してくださいっ!


 いきなり怪鳥の再登場により身が硬直して避けるのが一歩遅れた。

 怪鳥は勢いそのまま地面に突き刺さる。

 嘴が。巨体が。大地に衝撃を与え、その衝撃で地面が抉れた。


「…………………………………………え?」


 突如現れた怪鳥。

 像すら捕食できそうな巨体がいきなり降ってきたんだ。驚愕するには充分だろう。


 さっきまで俺がいた位置に深々と突き刺さり、軽く地形を変えた威力。

 なるほど慌てる要素には事足りる。


 だが今の俺にはそんなことはどうでも良かった。

 ボタボタと色濃い血を垂れ流す右腕に視線が固定され、他の些事は関心の範囲外だ。


 どうにか直撃を避けようとしたが間に合わず、俺の右翼に怪鳥の一部が掠り、肉が弾け飛んだのだ。


「ぐあぁっ! 手が、手がぁああああああああ!」


 一拍遅れで来た激痛が俺を苛む。

 肉体の一部が欠損した。そんな大事を想像できる者がどれだけいるだろうか。

 文字通り身を削る痛みは、経験した者にしか分からない絶望を孕んでいた。


「くそ! くそくそくそふざけんなよっクソがッ!」


 痛い。

 とんでもなく痛い。


 熱を持つ傷口から熱が逃げていくような矛盾した感覚。

 湧き上がる感情は急激に冷え切っていく。


「クケェエエッーーーーーー」


 近づいてきた怪鳥が俺の前で勝ち誇ったように甲高い声を鳴らす。


 これでは飛べない。

 走ったとしても体格差で負ける。

 ああ、俺はここで死ぬのか。

 渦巻く激情を余所に、冷静な思考があっさりとそう結論付けている。


 なんでこうなったんだろう。

 さっきまでおちゃらけていられたのに。

 さっきまでほのぼのとしていられたのに。

 幾らなんでも急展開過ぎるだろ。もっとこう、順序的なものがあってもいいじゃないか。

 なんだよ。そんなに俺を目の敵にするなよ。別に俺は何もやってないだろ。恨まれる筋合いはない。ストーカーとして国家権力に突き出すぞ。


 そんな取り留めもないことを思いながら。

 どうしようもない現実が刻一刻と結果を出したがっている。


《にげ……て…………さい……!》


 俺はまだ生きたいと思っているようだ。頭の中で逃げろと警報が鳴る。


 ……でも無理だな。どうやっても逃げられない。

 むしろなんで昨日はあんなに簡単に逃げられたんだろうな。昨日も同じことして森に突っ込んで来ればもっと早く俺を食えただろうに。

 俺の悪運も尽きたか。


 口を広げて近づいてくる怪鳥。

 あ、やっぱり俺を食うのが目的なのか。

 吐く息が臭いぞ。歯ぐらい磨けよ。


 俺はグロイ口内を見たくなくて目を瞑る。

 これも一つの生存競争だ。恨みはしない。

 俺だって肉を焼いて食べてたし、自分だけ助かりたいなんて虫が良すぎる話だ。

 狩る者も狩られる者も等しく同価値であり、その立場は強者の出現により簡単に覆る。

 自然の摂理ってやつだ。


 いよいよ怪鳥の口が俺の頭に覆いかぶさり―――――


「――ッッとっりゃせーい!!」


 おもいっきりのけ反った。



《…………!?》

「キィエエエーーーッ?!」

「誰がタダで食われてやるかこのボケがッ! 俺はそんなに安い鳥じゃねえぞコラッ!」


 俺が大人しくしているからって油断したな!

 鳥脚により蹴り上げが奴の嘴に見事クリーンヒットした。


「畜生如きが俺を食おうだなんて千年早い! 身の程を弁えやがれ!」


 え? 自然界のルール? 敗者は勝者の糧となる?

 生憎と食べたことないんだけど、それって美味しいの?

 前世では食通(グルメ)だったけど聞いたこともないわ。よっぽど珍しい食材なんだろうな。

 食べたいとも思わないけどね。

 溺れたときは不覚を取ったが、俺は潔く食われてやるほど殊勝な人間じゃない。


「クルルルルル!」


 渾身の蹴りをブチかましてやった怪鳥だが。

 怒りを買う結果にしかならなかったようだ。目を血走らせて翼を広げる姿は大迫力を通り越して失禁してしまいそうになる。


 倒すどころかダメージらしいダメージがないって……。

 身体能力が上がっているはずなのに、地力と体格が違いすぎる。

 だが、ここに至って俺に退路はない。


「おうおうおう。たかだかデカい鳥如きが乙女(仮)の身体にを傷物にしたんだ。相応の落とし前はつけて貰うからな」


 たかが怪鳥如きに弱みなんて見せてやらねえよ!


 ……なんて強がりを吐いたが現実問題どうするか。

 相手は無駄にデカい怪鳥。こっちはちょっとデカい鳥。

 戦おうにも渾身の一撃は効かない。逃げようにも機動性が削がれた俺では逃げ切れない。せめて片翼が無くなっていなければ……。


 あ、思い出したらまた痛くなってきた。ヤバい泣きそう。


「すぅうう――――」


 怪鳥が大きく息を吸い込み胸肉が膨らむ。

 あの空気砲か!

 ――ん?


 ドゥゴーーーーン!


 怪鳥吐き出した空気の弾丸が足元に着弾する。

 またしても地面が抉れて爆風により吹き飛ばされる。

 ゴロゴロと転がりながら、傷口を庇うようにして立ち上がった。


「ぐっ……」


 なんだ、今。

 外れた?

 いや違う外したんだ。

 俺は見た。奴が空気砲を放つ瞬間にわざと目標をずらしたのを。

 直撃を受けていたら間違いなく挽肉になっていたというのに、奴はそれをしなかった。


 (もてあそ)ばれてる?


「キェエエエエーーー!」


 なんだ?

 今度はいきなり猛り狂ってやがる。

 自分で当てなかったくせに、俺が無事なのを見て怒るとか意味が分からん。


 羽根をバタつかせて地団駄を踏んでいる怪鳥の視線は俺から逸れて、まるで見えない敵と戦うようにして空気砲を連射しだした。


「うわっちょっ、とぉー!」


 四方八方に打ち出される空気砲に一貫性は無く。

 無作為ながら俺の近くを掠めていく。

 重体患者である俺はそれはもう必死だ。

 空中で会った時とは比べようもない威力の弾丸が、ランダムで周囲に打ち出されているんだ。当たれば必死。しかも見えないときた。這いずり回りながら無様に逃げ惑うことしかできない。


「いい加減にしろやゴラァ! いくら温厚な俺でも切れるぞマジで!」


 いきなりの強襲。腕を消し飛ばされて、森に逃げようとすれば邪魔をされる。

 かと思えば、俺を無視して一人遊びに興じる怪鳥。


 切れやすい最近の若者ならとうの昔に臨界点を突破している。怒髪天を衝く天元突破レベルだ。

 これほどまでの怒り、最後まで取っておいたきつねうどんの油揚げを横取りされて以来だ。


「いいぜやってやるよ。いつまでも調子に乗っていられると思うなよ鳥畜生が!」


 ここまで俺を怒らせたんだ。相応の報いを与えてやる。


「オラァアアア!」


 俺はニワトリの如く足取りで逃げながら、落ちている石をぶん投げた。


 バシッ


 しかしそれは怪鳥の翼で軽く弾かれて地面に落ちる。


「まだまだぁーー」


 投げる。


 バシッ


 投げる。


 バシッ


 投げる。


 バシッ


 投げる。


 バシッ


「一発ぐらい当たってよっ!」


 子供の癇癪のように理不尽な要求をしてしまう。

 イタチごっこを繰り返すチキンな俺はもう涙目だ。俺は右利きなんだよ!


 と、最後に投げた石ころが怪鳥のどて腹に直撃する。


「よっしゃーーっ!」


 やってやったぜ。

 これがコツコツ根気よく地味な作業を得意とする日本人の力だ!

 つまりは人類の英知!


 ザマぁ!


「…………」

「……………………しかしダメージは無いようだ」


 ポリポリと器用に腹を掻く怪鳥。

 そりゃそうだ。渾身の鳥キックを決めても平気だったんだ。石が当たってどうにかなるわけもない。


 お互いに静まり返り、静寂が辺りを包む。居た堪れなくなる空間が出来上がった。


「……あぁばよぉ~鳥っさ~ん!」


 俺は某怪盗の如く尻尾……尾羽を巻いて逃げ出した。


「クケェエエエ!」

「うひゃぁおっ!」


 しかし空気砲を撃ち込まれて足を止められ、回り込まれてしまった。

 もう見えない敵との遊びは止めたようで、完全に俺をロックオンしている。

 それはもう他は眼中にないと言わんばかりの熱い眼差しで俺を見つめてくる。例えるなら発情期の狂犬みたいな眼差しだ。熱過ぎて火傷しそうになる。

 やめれぇ。


「くそう! もう手はないのか!」


 完全に手詰まりだ。後がない。

 人の英知を持ってしてもこの強大な怪鳥には敵わないというのか。

 恐るべし怪鳥!

 恐るべし異世界!


《……手…か…して》


 まったくだ。

 誰か手を貸してほしいぐらいだ。

 もし今の俺が人型で、あの美女形態だったら、勇者とか白馬に乗った王子様とかが駆けつけてくれるんだろうけど。

 残念ながら今の俺は身体の一部を欠損している鳥だ。

 精々猟師ぐらいしか来てくれないだろう。


《ちが……ま……よ。手……かざ……して》


 ん? なんだって? 手をかざす?

 ヤバい。どうやら内なる俺が厨二病を発症してしまったようだ……。

 こりゃ死んでも生き残っても本格的に終わりかな。


「…………」


 ……あれ?

 なんか勘違いとか心の声が漏れたとかじゃなく、情報伝達ツールとして会話が成り立ってる気がするんだけど。

 なにこれ。


《はや……く……》


 間違いない。

 ノイズみたいなのが混じってるけど、これは誰かの『声』だ。

 耳とか鼓膜を通してではなく、頭に直接響くような感覚。

 それもすぐ近くで語られているような感覚。


 まさか――! 神……なのか? これは神の声なのか?!

 これが世に聞く神託ってやつなのか!?


「……………………うさんくせえ」


 よっしゃ! やったろうじゃないか!

 どうせ他に手はないんだ。頼むぜ異世界の不思議パワー、もとい神様。ピンチをチャンスに変えてくれ!


 俺は言われるがまま高々と手をかざした。

 すると頭上に生命力溢れる光の玉が――――


 できない。


「…………あれ、何も起きないんだけど」


 ……くそう――ッ! また騙された!

 何度騙されれば気が済むんだよ俺!

 いや、いったい何度俺を騙せば気が済むんだ神様コンチクショウ!


「クケェケケケエエエエエエ」


 まるで俺を嘲笑うように。

 怪鳥は遠慮無用で空気砲を打ち込んでくる。

 それを無様に転げ回りながら必死に躱す俺。


《ちが……す。ロッ……鳥に……けて》

「だぁあああもうっ! ハキハキ喋れよ! ノイズが酷くて聞き取りづらいんだよ!」


 そもそもかざすとか言われたら最初に上に向けてだと思うだろうが!

 こうか!? これでいいのか!? ここまできたんだ。どうせだったら自分から騙されてやるよ!

 笑い者にされるぐらいなら、自ら笑わせる道化を演じてやる!


 俺は怪鳥に向かって手をかざし、神様(仮)の言葉に従った。


《……【白炎(びゃくえん)】》


 神様(仮)が何やら呟くと、胸の奥底から湧き上がる奔流が具現化されていく。

 それは俺が俺として覚醒する切っ掛けとなった美しくも恐ろしい白き炎。

 ただ以前溢れ出した無秩序な炎とは違い、今回発現した炎は導かれるように敵へと向かい、怪鳥の身体を焦がしていく。


 けたたましい悲鳴を上げ暴れ回る怪鳥だが、放たれた炎は簡単には消えない。

 ついには湖に身を投げてどうにか沈下させている。

 さすがに三十メートルの巨体だけあって、溺れるようなマヌケはしなかったようだ。

 それでも奴の体には炎の傷跡が残り、所々がチリチリの黒に様変わりしている。


 おぉっスゲー! このままならあのバ怪鳥に勝てるかも!

 この調子でもう一発やっちゃってください!

 今夜は鳥の丸焼きだぁ♪


《……》


 え!? ちょっ神様(仮)!? 無視ですか?

 すいませんでした! 今まで生意気言ってたことは謝りますから見捨てないでください! 何か言ってください! あと一発だけ。一発だけでいいんでお願いしますよ!


《……》


 ……あぁあぁそうですかそうですか。あくま無言を貫くってんなら俺にも考えがある。

 困った時の神頼みとは言うが、俺は都合の良い時だけ神様に頼るだなんてマネはしない!

 だいたい勘違いしないでよね。お前が神じゃないことなんて最初っからお見通しだったんだからね!


《……》

「…………返事がない。ただの独り言のようだ。」


 べっ別にいもんっ!

 相手は敵愾心は満載だが随分と大人しくなってるし、息をするのも辛そうだから恐らく喉が焼けたんだろう。おもいっきり空気を吸い込むあの空気砲は封じた。これなら俺でもどうにかなるかもしれない。


 なにより、神様(仮)は俺にとんでもない物を置いて行きました。

 そう――魔法です。


「行くぞ! びゃくえん!」


 しかし何も起こらなかった。


「……なんでやねんッッ!」


 もう訳が分からなかった。


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