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狐耳と行く異世界ツアーズ  作者: モミアゲ雪達磨
第五章 三つの世界 編
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第089話 犬系娘とイヌ科娘 時々厨二病

 またしても碌なサブタイを考え付けない病発症中。

 ここはクシャーナ近郊にある海底洞窟内。

 剣姫アデルの命の危機を救った恩人で、シェリーさんの元側仕えだったというスキュラの少女との対面を果たしたのだが―――


「あの……あたし、キルケーと申します。こんな姿ですが人を襲ったりとかはしないので、その……」


 倒れ伏していた時は伝承にあるスキュラそのもの、といったイメージが強くもし暴れられたらどうしようなどと若干の警戒心が頭をもたげていた俺達だったが、こうしていざ目覚めたキルケーを見てみれば齢相応の少女といった印象を受ける。腰から下は兎も角として、ちょっと気弱にオドオドとした様子が何とも可愛らしいものだ。

 昨日はあれ程俺達を警戒していた犬頭達も今は尻尾ならぬ触手を振っての歓迎ムードで、時たまやり過ぎてはキルケーに怒られしょぼくれる様を目の当たりにして、こいつら本当に犬なんだなぁとちょっとばかりほっこりとさせられる。


「大丈夫大丈夫っ。ここに居る皆は見た目なんかそんなに気にしないから!」

「見た目と中身が乖離してる奴なんて幾らでも居るものネ」

「うんうん、それにキルケーは可愛いから言う程怖くは見えないよな。犬っころ達もよく見れば愛敬のある顔してるしな」

「いっ……いいいいいえ可愛いだなんてそんなっ!?」


 フォローしただけのつもりが『可愛い』というフレーズに反応し、キルケーは顔を真っ赤にしながらブンブンと左右にシェイクしてしまう。何この子、超可愛い。


「――かぁいい」

「アッ……」


 どうやらその仕草が扶祢の可愛がりトリガーを直撃してしまったようだ。目下その被害を最も受けているであろうピノが真っ先にそれを察知して避難を図り、次の瞬間概ね俺達全員の予想通り駄狐にハグをされるスキュラの図の完成を見る。大量の触手のせいでボリュームが多いんだけれども、この子って人型部分だけで見れば扶祢よりちっこいのね。


「うきゅあ!?」

「可愛いぃぃ!よーしよしよしよし!」

「また器用に尻尾を使っちまってな……」


 犬頭達にも律儀に尻尾で頭を撫でくり、そして両手はキルケー本体を抱きしめ頬ずりをし続ける扶祢。手で撫でられるのとは感触が随分と違う為か、犬頭達はあまり嬉しそうでは無かったが。


「コホン、そろそろ開放してやってくれないか?」

「……はっ。す、済みません」

「はぅ……」


 そのまま数分間ハグを堪能したところで剣姫の言葉で現実へと引き戻され、扶祢は名残惜しそうにキルケーの抱擁を解く。後に残るは触手まで真っ赤にして茹でスキュラ状態となってしまったキルケーのみ。


「ご、ごめんね?キルケーちゃんがあまりにも可愛くてつい」

「うぅ……いえ!この姿になってからは怯えられてばかりで、まともに人とお話もさせてもらえなかったので、ちょっと嬉しかったです」

「あぁ、俺っちも昔似た問題に立たされた側だからその気持ちは良く解るぜ。お前ぇも苦労したんだな……」

「ひっ!?」


 ついその境遇にうるっときた釣鬼がキルケーの頭を撫でようと近付き手を伸ばすものの、キルケーは怯えた様子で同じ距離だけ身を引いてしまった。哀れ釣鬼。


「……うん。俺っちこんな見た目だもんな……大鬼族(オーガ)だし、怖いよな」

「釣鬼、元気出しテ?」

「あぁあ御免なさいぃぃ……吃驚しちゃってつい」

「まぁなんだ、気を取り直せよ釣鬼」

「その子はこの姿になる以前は公都で暮らす一般人だったのです。三界(こちら)では大鬼族(オーガ)はそこまで人類領域に馴染んでもいませんし、勘弁してあげて下さいまし」


 ジャミラとシェリーさんにまでそんな慰めの言葉をかけられる釣鬼だが、先程のキルケーの過剰反応に少しばかり心を抉られてしまったらしい。洞窟の壁際に向かい座り込んで動かなくなってしまった。一方のASコンビは全然会話に参加してこないなと思ったら、笑いを堪えるのに必死で揃って背中を向けちゃってるし。酷ぇ……おまけに釣鬼の奴、それもばっちり視界に収めちゃってたものだから、あれは暫く立ち直れそうにないな。

 それにしてもこの釣鬼に対する怯えっぷりと言い、先程の恥ずかしがる様子と言い、もう腰から独自のセンスな衣装を付けた齢相応の娘にしか見えないな。齢は十六と言っていたので呼び捨てさせて貰ってはいるし、徐々に落ち着きを取り戻してきたらしきその振る舞いを見るに、カタリナに近いタイプに感じるね。


 落ち着いて見てみればこの子、スキュラとは言っても犬頭と触手が腰の周りに生えて見え辛かっただけで、きちんと人族の名残としての両足もあるんだな。本気で移動する時は足を浮かして六対の触手で走った方が速いのだそうだが。

 そして、ただの部位だと思っていた犬頭達には全て名前が付いており、昨夜の警戒剥き出しな態度や先程の個性に溢れる歓迎の例に見られる通り、それが意味する所は―――


「全く見ず知らずの魔物と融合させられていたのであれば、正気を保てていたかはちょっと自信無いんですけど。姿こそ変わってしまいましたが、この子達はこの子達ですから……むしろ唯一の救いだったかもしれません」


 そう言いながらはにかむ様子を見て一同言葉に詰まってしまう。

 この犬頭は、この子が元々飼っていた犬達の成れの果てだったんだな……愛犬と合成をさせられてしまった心情はこの子にしか分からないものだ。魔物と化してしまった現状をそこまで憂いている様子が見られないのには齢若い故の純粋さといったものもあろうが、惨い仕打ちにも心壊される事無く耐えられたのは愛犬との深い繋がりによるものが大きいのだろうな。肉と霊の差異こそあれど、ミチルと共に在るらしき俺には何となくだがそれが理解出来る気がした。

 それにしてもこんな人体実験までするとは、公国か……。


「……少しばかり状況が変わってしまったね。場合によってはその公国とやらの暗部、この機会に徹底的に洗い出した方が良さそうだ」

「別の世界の話ではありますが、(わたくし)も公国民の一人として、この現状は度し難いですわね」


 シェリーさん達を取り巻く状況に、どうやらASコンビのスイッチも入ったようだ。これは公国暗部と一戦交える事になるかもしれないな?表だった軍ではないにしろ一国の組織丸々を相手取るとなると、尋常な戦いでは済まなくなるとは思うが……見ればうちのパーティ面子も皆やる気に満ち満ちている様子。命あっての物種ではあるが――ここまで首を突っ込んだ以上は、やるしかねぇかっ!


「お前達なりの戦う理由も出来たらしいな。泡沫の新天地(おれたち)としては喜ばしい限りだが……それでは早速お前達に依頼したい事がある」

「了解だ。内容は?」


 俺達の様子を察し話を切り出すジャミラに対し、代表してアデルさんが応じる。


「少し前にゴウザから感応通信で連絡が入ってな。感応通信(これ)の通信圏内にあいつが居るって事は、どうもあいつ等、本気でクシャーナ方面に出撃してきた様だ」

「まじでっ!?」

「やっば……こっちの言い訳聞いてもらえるかな?」

「う~ん、あの時は割と手加減無しにやっちゃったからなぁ。どうだろうね」

「まぁ落ち着け、それに関しては俺から説明をしておいた……それよりもだ」


 少しばかり騒然とし始める俺達を静止し、ジャミラは一拍を置く。そして俺達の視線が集中したところでその通信の詳細を話し始めた。


「……昨日の夕方、サカミの町へ公国からの使者が来て一方的に宣言をしたそうだ。『我が公国の英雄を拐かし監禁をし続ける卑劣な背教者の下僕共よ、改心し速やかに我等へと降るのであれば首謀者共の首とサカミの自治権の没収で済ませよう。だが抵抗するのであれば、サカミの町全てが天響族の傘下に入ったものとして総攻撃を仕掛ける。期限は三日後の日没、心して返答せよ』との事らしい」

「何ですって!?」

「――やはり、あの暗愚共。あの時に全員斬り捨てておくべきだったな」


 その衝撃の告白に、シェリーさんと剣姫の二人が真っ先に反応をする。片や目を剥き驚愕を露わにし、片や静かな怒りを湛え……特に剣姫の双眸は白銀色に光を放ち、薄暗い洞窟の内部を照らし出していた。


「あの、剣姫さん。何か目が光ってるんですけど……」

「ん。あぁ驚かせてしまったな――という事はお前はこの『眼』を持っていないのか?」


 恐る恐るそれを指摘してみる俺に言葉を返す中、何らかの違和感を感じたらしくアデルさんへと顔を向けそう問うた。わざわざ『眼』と強調するからにはただの目の事ではなく、何かの能力の類な話なのだろうか?


「持つも何も、わたしの眼は昔からこの二つだけさ。第三の眼、なんてものにはちょっとばかり惹かれるものがあるけれども」

「そうか……そう言えば其方の世界のわたしの一族は混血が進んでいたのだったな」


 それに肩を竦めて答えながら、自身の深い藍色の瞳を指差すアデルさん。剣姫は暫くの間まじまじとその二つの瞳を見つめ何かを考え込んでいた様子だったが、不意にうん、と一つ呟いてから再び話し始める。この辺りの仕草はやはり似ているな。シェリーさんも慌てた時の咄嗟の反応や表情がサリナさんそっくりだし、環境に依る差異はあれどもそれぞれの世界の本人同士である現実を改めて認識させられる。


「では説明するとしようか。既に皆は知っていると思うがわたしの名はアーデルハイ、こう見えても由緒正しい耳長族(エルフ)の王族でな。古き上位耳長族(ハイ・エルフ)の血が強く現れる者には代々特異な固有能力が備わっている。そして、わたしの一族に伝わるのはこの眼……一族の呼称ともなる、クロノオーグだ」


 クロノオーグ(CHRONO AUGE)――英訳すればクロノアイ、か。

 日本語で『時間』を意味するクロノ、『目』『眼差し』などを意味するオーグ。敢えて定義付けるとすれば時間(とき)を視る目とでも言うべきか。

 クロノの呼び名は時空の神として知られるクロノスに端を発すと言われている。ギリシャ神話における主神ゼウスの父、大地と農耕の神クロノスと混同される事が多いが、実は本来両者は全くの別神なんだよな。


 話が若干脱線してしまったな。

 自らの出自を明らかに宣言した剣姫――否、クロノさんは自らの鏡映しへとその白銀色に光る眼を向け、その言葉を待ち続ける。一方のアデルさんはやや反応に困った様に頬を掻きながら、いつまで経っても視線を逸らそうとはしないクロノさんへと仕方が無い、といった風に口を開いたのだった。


「あ~。つまり、君の名はアーデルハイト・クロノオーグと言う事になるのかな?」

「人族風に言えばそうなるが、元来我等純粋な耳長族(エルフ)には姓などは無いからな。クロノオーグは一族の呼称となるか」

「ボクの里にもあった氏族名みたいなモノダネ?」

「成程ね。差し詰めクロノオーグの一族、アーデルハイト、といった感じか」

「そうなるな」


 言いたい事を言って満足したのだろう。若干得意気に胸を反らすクロノさんが少しばかり可愛く見えてしまった。

 ここは天響族との戦争、そして人類同士の内乱寸前の諍いが続く三つの世界(トリス・ムンドゥス)。この人達の差異に見られる通り、戦乱の影響は人格の在り方にまで影響を齎してしまっているが、願わくば先程のクロノさん、そして先日の散歩の時のシェリーさんの様に笑い、楽しみ、そして希望が持てる未来を……願わずにはいられないな。


 それにしても、時間(とき)を視る眼か。何かこう、ふつふつと湧き上がってくるモノが……内心のとある疼きを自覚した頃になってそれまでの空気をぶち壊すかの如く駄娘達のマシンガントークが炸裂してしまう。


「やっぱり世界の時を止めたり、逆に強制的に相手の時を進めて枯死させちゃったり出来ちゃうんですかっ!?」

「イヤイヤ!きっと超速機動(オーヴァドライヴ)で全てを滅する連続攻撃を叩き込んだリ、自分の時を止めて全ての攻撃を完全無効化したりするんダヨ!」

「何だその神がかった能力はっ!?わたしに出来るのは精々が加速行動と数瞬先の未来予知程度だ!」

「はいはい、厨二病患者さんはあっちで大人しく釣鬼でも慰めとこうな」

「「えぇ~」」


 幸い先走ってくれた二人のお陰で、俺は何とか踏み留まる事が出来た。妄想で目をキラキラさせる二人を抱えて何時の間にか体育座りで蹲っていた釣鬼の横まで配達し、ミッションコンプリート。

 でも加速能力(アクセラレイション)予知能力(プリコグネイション)かぁ、その二つだけでも相当ぶっ飛んでると思うけどな。流石は血族オンリーの固有能力といった所か。


「羨ましいものだね。わたしにもそんな能力があれば、あの時もっと被害抑えて紅竜を討伐出来たかもしれないなぁ」

「……わたしから言わせて貰えば、暗に特殊能力も無く肉弾戦で竜種(ドラゴン)を斃せると言っているお前の方が空恐ろしいがな。昨日の戦闘でも全開加速では無かったとは言えど、明らかにわたしの動きを捉えていただろう?」

「そこは経験もあると思うよ。わたし達の世界は割と平和だったし、お陰でわたしもブレアも今に至る道程で十分に経験を積む事が出来ていたからね」

「経験、か。確かに、わたし達は立ち止まる事も許されなかったからな――」

「そう、ね」


 そう言って哀し気に見つめ合う二人の様子に、俺達も再び口を閉ざしてしまう。だが、その雰囲気を打ち祓うかの様にサリナさんが両手をパンと合わせる。


「さあっ。それでは身の程知らずの卑劣漢へ対峙しに、サカミへ戻るとしましょうかっ!」

「そうだな、俺が先程お前達に依頼したかったのもそれに関する話だ。詳細は追って説明するが、お前達にはその使者を追って公都ヘルメスへと潜入し、事実確認を取ってもらいたいんだ。其方のアデルとブレアについては顔が割れているからサカミの防衛に回って貰うとするが、顔が割れていないお前達ならばあるいは、公国暗部の拠点を突き止められるかもしれん」


 成程。ジャミラはこれをむしろ機と判断し、公国を退ける事により人類でも天響族でもない第三勢力としての存在を誇示するつもりらしいな。確かにこれが成功すれば公国側の不穏な勢力の弱体化に繋がり、大局の状況は大幅にジャミラ達の側へ傾く事になる。


「ですが、釣鬼さんはともかくとして、他の皆さんには諜報に関しての経験はありません。顔を隠すなどして(わたくし)とアデルも行くべきでは?」

「あの連中は保身に執心して常に自身を脅かす者の存在を恐れているからな、顔を隠した者が混ざった見知らぬ一団など、公都に入った時点でマークされてしまうだろうな」


 サリナさんは俺達の身を案じそう提案してくれたのだが、それに対しクロノさんから否定的な見解を示されてしまう。サリナさんも内心ではその可能性も勘案していたらしく、その言葉に悔しげな表情を作り口を噤んでしまった。


「サリナさん有難う。確かに俺達はそういう方面では素人だけど、今は状況が状況だし、それが俺達にしか出来ない事ならやるべきだと思うんですよ。そういった荒事に一番慣れてる釣鬼の指示に従って、危ない事はしないように気を付けるからさ」

「頼太さん……」

「サリナ、頼太達の意を汲んでやりなよ。この子達が可愛くて仕方が無いのは分かるけれど、過保護にばかりしていても成長は見込めないからね」

「そうだな、それに俺もそこまで危ない橋を渡れとまでは言わないさ。今回の開戦指令が公国のどの辺りから出ているかが大まかに判れば十分であるし、無理と判断したならすぐに帰って来て貰っても良い。後悔をせぬよう、今打てる手を打っておきたいというだけだからな」


 アデルさんによる援護にジャミラの補足まで加わり、結果最後まで渋り続けていたサリナさんも複雑な表情で首を縦に振ってくれた。その気遣いは本当に嬉しいが、ここまで来ておいて俺達だけただこの人達に付いていく、なんてのはやっぱり御免だからな。どうか見ておいてくださいよ。


「……分かりました、頼太さんがそう言うのでしたら。ですが、サカミ村の時にも言いましたが今度こそ自分達の安全を第一に、ですよ?」

「了解です。サリナさん達も気を付けて」






 こうして今後の方針が決まった。

 俺達はこの場でサリナさん達と別れ、四人で海岸線を南下するルートを通りこの世界の公国の首都ヘルメスへと移動する事となる。クロノさんはキルケーを救ってくれた恩を返す意味もあり、シェリーさん達と共にサカミの砦町へと向かうのだそうだ、勿論キルケーも一緒にね。

 これで取りあえずは三界へ来た一つの目的を達成したという訳だ。後はアデルさんの言う通りアフターケアの領域なのだろうが、展開としてはここからが本番となるのだろう。気を引き締めていかないとな。


「頼太さん、公都へ向かうのでしたらこれをお持ち下さい――」


 別れ際、そうサリナさんから言われ手渡された物がある。紫色にうすぼんやりと光る、拳大の宝玉だ。

 という訳で、剣姫が泡沫の新天地へと合流を果たしました。次回、潜入捜査開始。

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