異世界ツアーズ楽屋裏~登場人物紹介その他③~
御先稲荷と妖狐は別物、と言う話もありますが、本作では種族は一律して妖狐という設定にしています。空狐とか天狐とかは位階と言う事で。
11/23追記:静と六郎の項目を追加しました。
ここからは完全に脇役一覧となります。
名前:薄野サキ
種族:妖狐(善狐/空狐)
年齢:不明。空狐に至る条件として最低でも3000歳は超えていると思われる
まずは扶祢とシズカと静の母親。御先稲荷を引退した空狐さん。
元々は苗字はありませんでしたが、現代日本で生活するには便利なので戦後のどさくさに紛れ戸籍を取得しています。なのでたまに役所の人が来ると税金対策やら年金証明やらで右往左往。大体は居候の妖怪トリオに押し付けていますが。
本編では登場するタイミングが割と真面目話だったり、他の面子のアレっぷりのインパクトが強くてちょっと影が薄めですが結構な腕白母ちゃんであります。結局腐属性を生かせんかった……。
でもこれで第13話の、何があったとしてもその正体が不明だとしても、我が子を愛し護りきると言うサキの覚悟の現れの台詞が設定として生かせたかと思うと日本編を書いて良かったなァ、と思います。
シズカ「腐属性と言うと、若道のことじゃろ?母上も結構な趣味を持っていたんじゃなぁ」
サキ「い、いやっ……!それはきっと様々なジャンルを追及してた時にたまたま扶祢がそういう部類の本を見かけたって事だと思うんだよね?」
釣鬼「言い訳の仕方もほんと扶祢そっくりだなぁ。サキの姐さん」
扶祢「私の腐属性嫌いは母さんの影響、って言える程度には子供の頃からそれ系の衝撃度が高めな本をよく見付けちゃってたんだけどね」
サキ「うっ―――」
照密「今更その程度で恥ずかしがる歳でもあるまいし」
文姫「よねぇ。あたしのデータベースからも色々やおいなデータとか漁ってたし」
弄人「―――そろそろ逃げる準備をしておこうか」
ピノ「二人トモ、ナムナム」
照&姫「……え?」
*** 番組の都合上、一部の表現がカットされました ***
扶祢「―――と言う訳で本来はこんなひとなんです」
シズカ「これは、本編で本性を発揮せずに済んで良かったの……」
静「……勉強の一環で腐属性っていうのも見てみたいかも」
扶祢&シズカ「絶対にダメ(じゃっ)!!」
静「残念……」
シズカ「汝には不要なモノじゃからして、やりたければ童や扶祢に百合の真似事だけすれば良いのじゃ」
扶祢「姉さんにはこんなシズ姉みたいなのじゃなくて綺麗な心のままで居て欲しい」
シズカ「ほぉ……それはどういう意味かや?」
扶祢「いつまでもシズ姉の言う事を大人しく聞いていると思ったら大間違いなのだわ……」
そして始まるキャットファイトならぬFOXファイト―――
サキ「ふぅ……なんでこんな娘達に育っちゃったのかねぇ」
頼太「親に似たんじゃないっすかね」
サキ「……中々言うね、頼太くん」
名前:薄野静
種族:人口生命体(クローン妖狐)
年齢:生前の享年は百二十歳程。現在の肉体年齢は促成培養により15歳位を維持。
二番手は日本編が夏休みだけで終わるとちょっと盛り上がらないかなー?と思い最終部分に急遽入ったエピソード、真夏の世の夢の主要人物として登場した本来の意味での扶祢の実姉、静さん。
元は頼太と扶祢達の世界の日本にて過去に『静御前』と呼ばれた元御先稲荷。シズカの世界とは違い源義経と恋仲になり大恋愛の末一児の母となるも鎌倉方の謀略により我が子を殺されてしまう。その嘆きから隠に囚われ鬼と化し、母であるサキに浄化され八百年余を封印状態で過ごすが某天狐の波長に惹かれて現世へとひょっこり復活を果たす。
その後のあらましは真夏の世の夢一連の話を御覧下さいませ。
シズカ「静、すまぬ……」
頼太「静さんごめん……俺達があの時に気付けていたら……」
静「ううん、皆は悪く無いよ……」
扶祢「つい一話前の登場人物の紹介を忘れるなんて、ほんっとごめんなさい姉さんっ!」
サキ「えええっ!これそういう話なの!?」
シズカ「いや、真面目にやるとまた母上に泣かれるでな。空気を読んでみたんじゃが」
静「母上、だから泣かないで?わらわはもう居なくなったりしないから」
サキ「―――全く、親孝行な子供達を持ってアタシは幸せ者だね」
本当、何で日本編のトリを飾る主要人物の紹介を忘れるかね……申し訳無い。
お次は界隈で有名らしい魔改造トリオ。トリオなんでまとめて紹介します。
名前:照密
種族:照魔鏡(付喪神)
年齢:不明。伝承通りならば3000歳以上
名前:文姫
種族:文車妖妃(付喪神)
年齢:不明。本編でシズカを年上と言っているので1000歳には届いていない?
名前:弄人
種族:グレムリン
年齢:87
サキさんの脛齧りな三人組。
基本趣味に向かって真っ直ぐな趣味人達であるが、お互いの能力の相性が良く、また全員研究者気質の為に何かを思い付いて合同で作業に入った時には目覚ましい成果を遂げる事も多々ある。しかし大抵は空回りした挙句周りを巻き込んで馬鹿にならない被害を出すので保護者としてのサキさんには皆頭が上がらない有様です。
何だかんだで現代社会の妖怪変化達は刺激に飢えているので、この三人が何かをやらかすたびに固定客が地道に増えていたり。彼等が創った幻想世界は後に現在を生きる妖怪変化達にとっては理想郷に見える事であろう最高傑作となる。
照密「一妖で生きておると何もかもが面倒になってくるからのう」
文姫「だからこうして皆でわいわい楽しくやってるだけなのよぉ」
弄人「とは言え実質脛齧り状態であるのは否定出来ないんだけれどもね」
照&姫「むぐっ……」
サキ「まぁお陰で扶祢が異世界に行ってからも寂しさとは無縁だったけれどね」
静「これからはわらわも一緒だから―――」
サキ「……そうだね。もうお前を想って枕を濡らす夜が無くなったんだったね」
照&姫「あのー。ここ我々の紹介コーナーなんだが(けどぉ)」
弄人「やれやれ、二人とも空気を読みたまえよ」
御山の頂点、実はかなり高位の土地神さん。狗達を統べる者、大神様です。
名前:大神
種族:大神(神霊)
年齢:不明
幻想世界に乱入してきた実質ラスボス的なお方。本来の強さ的にはEXボスって感じですが。作中では場所は明記はしませんでしたし以降も明らかにする予定はありませんが、中部地方の山脈一帯全てを治める土地神のトップと言った地位であります。なのでこの世界の妖怪変化が単に「大神」と言った場合、このひとの事を指す固有名詞な時が多いです。この設定が役立つことも多分ありませんけれども。
因みに水晶鑑定風味でキャラ表示をすると漏れなく殆どのステがSSとかになるので、御山さえあれば復活まで出来るこのお方のホームグラウンドでのガチな潰し合いになった場合まず勝てないもの位のお積もりでどうぞ。ピノの夏休み編の発言は単純に常識的な思考で「これはヤベェだろ……」と自然破壊行為へ対する静止をしただけで、普段は力を振りかざす事も無く幻想世界関連の取引にも快く応じたりする等、基本は冷静かつリアリストな性格です。
大神「正直あれだけの威力を目の当たりにして、しかも山が何割か削れると分かれば誰でも慌てると思うんだがな……」
扶祢「ですよねー」
ピノ「エー……」
頼太「もしあの砲撃を実行してたら最悪自衛隊が出動してたかもしれないしなぁ」
釣鬼「好きこそ物の上手なれたぁ言うが、いつの間に、って感じだったよな。ピノの強化は」
ピノ「デモ、この方面の強化って時間をかけて修行するものでもないしネェ」
扶祢「科学理論って実際知らない人から見ればとんでもない結果を齎すものだよね。最近じゃI○S細胞とか色々あったし」
奇しくもこれを書いている最中ノーベル生理学・医学賞と物理学賞の発表がありました。お二方おめでとうございます!
サキ「そういえば山の神と言ったら女神って言われてるけど、大神さんは男神なんだね?」
シズカ「最初はそれも考えはしたらしいの。山自体が女性を現すから嫉妬故女は入れぬなどと言う話もある様じゃが―――」
大神「その辺りも仏教や密教の戒律やら神道の血穢を嫌う理由やら諸説はあるらしいな。だが当人のオレ達としてはそんなものを勝手に決められても知らぬし、現にオレは男だからな、としか言えぬなぁ」
シズカ「神道のそれも厳密には血が流れ出す状態そのものを嫌うと言う考えじゃからして、本来男も女も関係無いんじゃがのぉ。何時からその様な偏った思想が蔓延ってしまったのやら……」
サキ「いつの世も人間は自分に都合の良い解釈をしてしまうものさね」
頼太「……何か、俺一人居たたまれないんだけど」
扶&釣&ピ「どんまい」
名前:ダーキニー(荼枳尼天)
種族:稲荷神
年齢:不明
日本編クライマックスにぽっと出で登場した異界の女神様。このお方はシズカの世界の荼枳尼天ですので、頼太達の世界に居るそれとはまた別の存在です。シズカ達監視者の拠点である狭間の世界で書類仕事に精を出し、もはや現世には殆ど関わってはいないのであっちの世界の霊狐達は割と皆放し飼い状態。こっちの世界でも神といった存在が現世に介入することは殆どありませんが。
シズカとは八百年来の悪友で、当時はしょっちゅう共に異界巡りでやんちゃやらかしたりしては他の監視者の面々から御叱りを受けていたプリマさん(ぷりちーまどんな)。本来の意味?そんなの関係ねぇ!
ダキニ「まぁ、もしダキニちゃんが今後出たとしてもコメディパートのちょい出位だと思うんでー。特に覚えてなくても良いよー」
シズカ「あの話の書き始めでは登場の予定も無かったしの。その分童の回想にでも出す事にするかや」
ダキニ「シズカとの回想って、碌な思い出が無い気がするんだけど……」
シズカ「気のせいじゃ」
名前:六郎
種族:化狸
年齢:356
やっぱり忘れ去られた六郎さん。日本編の触りに一話出ただけだったしね……。
扶祢が幼い頃から学生時代まで入り浸っていた軽食屋のマスター。その料理の腕は鉄人と良い勝負をする程である。化狸としては中堅処、可も無く不可も無し。
当初は妖棲荘を現代日本の冒険者ギルド的な立ち位置にしてここを基点に話を進める予定もあったのですが―――サキの拠点設定が山奥から薄野山荘に移り魔改造トリオと幻想世界の案が出てきた時点で完全に頭から抜け落ちてしまいましたね。
六郎「今時ただの軽食屋のマスターってだけじゃインパクトが足りなかったのかもねぇ」
扶祢「おじさんっ、夏休みの間に一度報告に寄ったって事にしといて!」
頼太「おまい……」
六郎「ははは……ハァ」
サーセンその二なひとでした。
名前:葛見喜一郎
種族:人間
年齢:44
本編では夏休み編のみの登場であまり良い所が無かった頼太の空手の師匠。実のところ頼太の人格形成にはこの人の影響が大きいです。幾ら何でもミチルと一緒に育ったとは言ってもそれだけで第10話のように初見のグラスウルフ相手に完封、なんて真似は出来る訳がありません。
武器による模擬戦も某銀髪美人との腕相撲もきっと相手が悪過ぎただけだっ!
葛見「本当に、世界は広いよなぁ……」
頼太「先生、スンマセン」
扶祢「ホントごめんなさい……」
釣鬼「別に、俺っち特に悪い事してねぇと思うんだが……」
ラスト、今回は忘れなかったよ!サカミ村の面々です。
名前:ハクソウ(狛爪)
種族:人狼族
年齢:28
名前:ザンガ(斬牙)
種族:人狼族
年齢:26
サカミ村の若長と自警団のリーダー。ザンガは現状まだまだ名前負けしていますが、実力としてはハクソウと同じ位で良いライバル関係です。扶祢相手に二人がかりですら目一杯手加減をされていたザンガに、頼太と互角以上の立ち回りを演じていたハクソウ。この辺りに当時の頼太と扶祢の大きな実力差が見えますね。
ザンガ「結局俺達もあまり見せ場は無かったな……」
ハクソウ「まぁ、これからの交流で村を盛り立てていくのが我等の役割だろう。期待しているぜ自警団長」
ザンガ「……分かってるさ。もっと精進せねばな」
扶祢「ハクソウさんの名前って白じゃなくて狛って書いたんですね。こまいぬ……?」
ザンガ「貴様またしてもっ……!!」
シズカ「もはや当時の童以上の被ヘイトっぷりじゃな」
ピノ「ヤレヤレ」
以上で今回の登場人物紹介は終わりとなります。以降は世界の設定等―――
『幻想世界』
照密、文姫、弄人の三人が協力し、文姫のデータベース界を基にして作り上げた広大な仮想空間。
その中身は地球に住む者達が想像するファンタジー然としたVR空間そのもの―――なのだが、実際にファンタジーな異世界の住人である釣鬼とピノに初日からダメ出しをされまくり、泣く泣く膨大な量の改変を繰り返した結果、神をも唸らせる程の出来となった魔改造トリオの最高傑作。
VRモノでよくネタにされるプレイヤーズスキルと言うものがありますが、今回はそれを逆転させ、幻想世界内での知識の習得や立ち回りによって感覚を身に着けるといった内面技術的な修行の場として活躍しました。
そのリアルな体感のフィードバックにより心臓の弱いお年寄りや精神が完熟していない子供が入り込むとショック死するか精神的外傷を刻み付けられかねないが、元々表向き地球の人類には見せられない技術の集大成であるので目下の顧客は妖怪変化達幻想種である。ヘビーユーザー垂涎なのでその内人類の中でもコアな面々を実験的に秘密裏に呼ぶ計画も立てているのだとか。完成が待ち遠しいですね。
『頼太達の地球』
表向き人類以外の知的生命体は存在しないとされる。しかし案外身近に居るものである、な世界。
日本編での舞台となった頼太達の故郷は、中部地方の山脈の一帯なイメージ。イメージなので実際にそうとは名言しません。釣鬼の釣果等もそれっぽい種類を選んだつもりではありますが、何か矛盾があればご一報下さいませm(_ _)m
『シズカの居た地球』
頼太達の地球とは並行世界の関係……らしい。シズカの周りだけでもそこそこの差異が見られるが、実際にどうなっているのかは現時点では不明である。その内語られたりもするのかなぁ?
『狭間の世界&界渡り監視者組織』
【終わらせるもの】の現出と言う悲劇を未然に防ぐ為、元はその被害にあった者達が秘密裏に立ち上げた多世界間の監視組織。とは言え、実際の現出報告は天文学的な確率の低さではあり、全ての世界を確認出来ている訳でも無いので専ら世界の存亡に関わる様な天災規模の事件が起きない限りは基本的にその世界の生物達に任せ傍観の姿勢。世界大戦級の戦争が起きたとしても人災の場合は滅びるに任せます。どうせ滅びるのは人間文明だけですし。
なので現地調査員達は何だかんだで各世界を巡り歩きながらご当地グルメを楽しんだり、異世界チートを満喫したりと好きにやっている。ただし創設者の意向により悪意を以って現地の知的生命体を不幸にすることだけは厳重に禁止されています。
ダキニ様を始めとする一部の神々も所属しており、上位の存在になると自らの世界を【終わらせるもの】によって滅ぼされた創造神クラスまで居るのでこの唯一の方針を破った者は例外無くそういった存在達に捕らえられ、過酷なペナルティを課せられているとのこと。
シズカは自分の世界の静御前の一件が心に刺さっておりこの方針に反する事だけは無いので、ダキニ様と並び問題児の一人ではあるが特にお咎めなどは受けてはいません。尚、お仕置きはよくされていた模様。
シズカの現在の立ち位置は一応釣鬼達の世界を含めた幾つかの世界の調査員の一人となっています。あの世界へ着いてすぐサカミ村の状況に遭遇してしまった為、まだまだ内情調査はこれからといった感じになります。
今回はこの位となります。長くなりすぎてその②とその③に分ける羽目になりましたが、皆さんも小説に限らず整理整頓はこまめにやりましょう……。
それでは、今後ともご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
2015/10/7 モミアゲ雪達磨




