異世界ツアーズ楽屋裏~登場人物紹介その他⑦~
毎度、この作品をお読み頂き有難うございます。こちらは登場人物紹介や設定内容を纏めた資料となっております。作者の忘却防止用メモとちょっとした裏話みたいなそんな番外編なので本編のお話だけを読みたい方は飛ばしちゃっても支障無いと思います。
今回は第六章理想郷再び編、第七章脳筋族と愉快な仲間達編、そして閑章幻想世界編となります。
それでは、一息ついて楽屋裏の始まり始まり―――
※楽屋裏の会話内容はあくまでネタと未定な予定で構成されています。あまり真に受けないように。
では早速主人公達のステ紹介からいきましょう。
扶祢「やーい、厨二病ー」
ピノ「厨二病ー!」
頼太「………」
釣鬼「なんだ、その内良い事あればいいな……」
という訳でまずは本作の主人公、泥臭さ満点な頼太君から。
名前:陽傘 頼太
種族:人族(異世界人:地球)
年齢:18
筋力:B 敏捷:B+
耐久:B- 器用:B-
精神:B- 神秘力:D[魔]
スキル:体術A- 探索D 罠感知E 調教術B 神秘力感知C 気配察知C
固有スキル:悪足掻きC
[危機に陥った時の精神判定に+1ボーナス、生命の危機に関する
物理判定全般に+1ボーナス]
【狗神の呪い】A
[愛犬が死後も飼い主へ対するその強烈な忠誠心により狗神と化し、
対象者の存在を媒介として憑依し続けている状態。呪いと加護は
表裏一体、努々付き合い方を誤らぬよう……]
【適性:魔】A
[魔・隠・陰、呼び名は様々であるが、主に負の方向へ向かう力全般
への適性。力の渇望、社会への不信、心当たりには注意されたし]
【『魔人』の卵】
[凶の体現である狗神を身に纏う者。その資質により【魔】の側へと
寄り始めている。今はまだ『卵』だが、今後の行動により変化して
いく可能性を持つ段階]
【使役獣】
名前:ミチル
種族:狗神(邪霊)
筋力:B- 敏捷:A
耐久:B- 器用:C
精神:B- 神秘力:D[魔]
固有スキル:瘴気攻撃、瘴気の鎧化(憑依)
魔人ルートまっしぐら。
頼太「説明それだけかよ!?」
アデル「と言ってもこの章からは台無し脚注を減らす方向でいっちゃってたからなぁ。本文中でほぼ説明は終わってるというのが正直な所なんだよね」
サリナ「ですわねぇ。この楽屋裏を書き終わった後に予定している大幅改稿でも殆どの脚注は消して、組み込める部分は本文に全て組み込むそうですので……」
扶祢「仕方ないよね?」
でも手抜きと思われるのも不本意なので少しばかり補足をば。
本文中でも触れましたが、頼太の立ち位置は今までの軌跡からしても人間よりも大分と魔物……というか妖怪寄りなんですよね。最初の仲間でありパーティ立ち上げ相手である扶祢からして妖怪ですし、日本側の拠点である薄野山荘なんかモロ妖怪変化の溜り場になっちゃってるし。
その辺りが水晶鑑定の結果としてはこのように表れただけで、ダークな方面に進むかどうかは――今後の行動次第ということにしておきます。
一つ言えるのは、本作品は異世界ホールを介しての界渡りの物語となるので三界編の例にある通りアルカディアのみを巡る冒険とはならない、という事でしょうか。わざわざ狭間の監視者設定としてシズカサイドを確定した位ですから。
尚、後半でも触れますがアルカディアに於ける「魔」の定義とシズカ達幻想種の言う「魔」の定義には若干のずれがあります。その辺りが脳筋族編での頼太の瘴気を目の当たりにしたリチャードの発言で表れていますね。
名前:薄野 扶祢
種族:妖狐(異界妖:地球)
年齢:18
筋力:B 敏捷:A
耐久:B- 器用:B
精神:A 神秘力:E-[魔]/A[精霊]
スキル:槍術A+ 体術A- 霊術A 探索C 追跡D 料理B 神秘力感知A
気配察知C (変装術A) (捕縛術C)
固有スキル:コスプレC
[変装時その存在を演じきる事で対認識判定にボーナス]
平和ボケD
[戦闘時や危機的状況以外精神判定にペナルティ、精神が-1ランク扱い
になる]
野生E-
[飼い猫の方がマシなレベル、もしかしたら探索や追跡に第六感が
働くことがあるかもしれない]
霊力S
[異界の神秘、神力の亜種に相当?]
(【魔力強制封印】EX)
[魔力ランク-6、下がった魔力ランク÷2(端数切り捨て)の霊力ランク
が上昇する。解除には多神教の主神クラスの強い加護を受けた大聖人
または英雄が自らの魂を捧げた上で長期間にわたる儀式を成功させる
必要がある]
(【異界の魔王の残滓】B)
[覚醒済/記録の一部欠損により、内容の開示不能]
お次は先日の閑話でまたしてもトンデモ事実が発覚してそろそろ属性詰め込み過ぎなんじゃないかって感じな、多分正規ヒロインだった筈の扶祢さん。
扶祢「多分って……」
頼太「突っ込む所そこじゃないと思うんだけどな?」
釣鬼「正直俺っちにゃ何が驚きなのかもよく分からねぇんだけどよ」
ピノ「だよネェ。異世界の勇者の子供、って言ってもサキの血の方が随分と濃いみたいダシ」
サキ「強いて言えば術習得に関する飲み込みの早さと即時起動のセンスはあいつ譲り、だったのかな?と思えなくもない位かねェ。あ、後は凝り性な所と本音をつい隠しがちな性格も似ているか」
扶祢「父さん、かー。言われてみれば子供の頃は我ちゃんの件と自分が人間じゃないって事ばかり気にしてて考えた事すら無かったな……あれ、半分は人の血を引いてるんだったら別にそこまで疎外感を感じる必要が無かった訳で、それじゃ学生時代にあった私の心の葛藤って」
サキ「傍から見てる分には青春してて面白かったけどねェ?くくっ」
シズカ「……哀れな」
静「ね。最近の母上は随分柔らかくなってるけど、元々はこういう性格だったんだよ?」
扶祢「ぐぬぬ……」
扶祢のステータス関連については今回は特に目立つ変更も無いのでストーリー的な補足として。
脳筋族編に入った辺りでようやく頼太がステータス的に他の三人に追い付いてきた感じとなったので、ここでまた引き離してもステータスインフレになりかねないな、と考えこの章に限って言えば扶祢は脇役ポジとなりました。章名にある通り、釣鬼をはじめとする脳筋族に焦点を当てた話にするつもりでしたので。
それを補う為に扶祢は主にパーソナリティ面での表現を前面に出しての物語進行となった訳ですが、結果ちょっと地味かなと思い考えたのが闘技大祭での頼太との直接対決となります。
とはいえ本編中での描写や発言にもある通り、地力だけで言えば油断や事故でも無い限りはまだまだ圧倒的に扶祢優勢な力関係ではあります。ただ頼太の場合、在り方そのものとも言える悪足掻きと瘴気という特攻効果の組み合わせによる瞬間的な爆発力が半端なく高いんで、その振れ幅次第では夜の釣鬼相手ですら一矢報いる事も可能です。
……勝率?夢見ちゃいけませんて。色々ブーストしたところで、そもそも長年積み重ねられた確たる技術差で往なされて碌に当たりゃしませんし。その辺りの理由で弟子が師匠に勝つ日が来るのかは難しい所ですね。瘴気に対する対抗手段についての詳細は釣鬼の項で。
ともあれ次のピノの章(予定)辺りからやっと大勢が動き出す事になると思うので、もしかしたら今後徐々に覚醒()とかするかもしれませんね。元々扶祢の設定掘り下げも本作の題材の一つでしたし。
ただし、よくある「過去の強さを取り戻す」的な設定ではなく、あくまで主人公の一人として「共に成長していく」スタイルとなります。妖狐って時点で主人公に付随するお助け用パートナーになりがちな昨今ですが、それで終わるのは折角のキャラ付けが勿体無いと考えて、第一話の出会いからしてドラマチックの欠片も無い出だしを選んだ訳ですから。お陰で扶祢も動かし易いキャラなので書いてて楽しいですね。それも頼太視点ありきではあるのですが。
良くも悪くもまだ若く未熟、それが艱難辛苦を経て成長していくってのは冒険ものの醍醐味だと思います。問題は基礎スペックが高過ぎて、あと拠点設定とキャラの性格的に戦闘面での苦労が作り辛いところでしょうかね……頼太なんか元のスペックが控え目だった分、使える手段として選択出来るなら躊躇無く裏技使ってでもがむしゃらに目的遂行しそうな性格になっちゃってるし。描写ってむつかしい、考えるのはとても楽しくありますけれど!
ちょっと脱線して長くなりましたが、三番手。【狂妖精】が公式と化してしまったピノ。僕は悪くない!
ピノ「悪いダロ!いつもボクに好き勝手好みを代弁させてサ!」
扶祢「でもピノちゃん自身、ああいうの好きな性格付けになっちゃってるわよね?」
ピノ「……ウン、マァ」
名前:ピノ
種族:上位妖精族
年齢:45
筋力:E 敏捷:A+
耐久:E 器用:B
精神:A 神秘力:C[魔]/A+[精霊]
スキル:精霊魔法A+ 強化魔法B- 隠密C 調教術D 騎乗B 神秘力感知S
体術C 料理E 罠感知C ピッキングD
固有スキル:飛行B-
[空を自在に飛ぶことが出来る。移動速度は四足獣と並走出来る程。
B-ではアクロバット飛行も可能、空中制動へ微ボーナス]
思念感知B
[言葉を話せない、または精霊の様な自我の薄い存在からの思考を
読み取る事が可能。読心とは違うので相手がコミュニケーションを
望んでいる場合に『聞こえる』と言う表現が近い]
【力学精霊魔法】A-
[異界の力学知識を基に組み立てられた新たなる自然現象制御技術。
この『魔法』の最大の特徴は、直接的な影響を齎す効果部分が
全て純粋な物理現象効果となる事である。故にこのダメージの軽減
には魔法防御ではなく物理防御が適用される。
その性質から基点となる精霊魔法が発動可能な環境さえあれば、
魔法無効化フィールドの内部にも十分な効果を期待できる]
【『狂妖精』の卵】
[禁断の知恵の果実を求め彷徨い続ける探求者の資質、今はまだ
『卵』だが、今後の行動により変化していく可能性を持つ段階]
名前:ピコ
種族:金狼(ゴルディループス変異種)
筋力:B 敏捷:A+
耐久:B 器用:C
精神:B- 神秘力:-
シルバニアウルフが異界妖の霊気に中てられ、その下で修行を課せられたことにより進化先が捻じ曲げられてしまった突然変異。現時点では特にこれといった能力は持たないが全体的にバランスが良く基本種よりもステータスが高めとなっている。
固有スキル:霊力C[異界の神秘、神力の亜種に相当?]
最近は無差別範囲物理攻撃のイメージが強いピノですが、その要因となった力学精霊魔法……元凶は間違いなく第63話の山登りですね。
それまでは普通に主人公パーティのサポート役兼魔法使いポジだったピノですが、この話で一気にマッド属性が開花。お子様故に常識の枠に囚われず、そして発想が柔軟で新たな知識も貪欲に吸収する。ネット環境なんて学ぶ意識が高ければ良質な餌だらけですもんね。
前の項で扶祢は動かし易いと書きましたが、こいつは逆に動かすつもりが無い時にも勝手に動き回る事……。闘技大祭前の頼太の朝練パートでの爆破オチなんてその際たる例と言いますか、普通に朝練するだけの予定だったのですが結果は御覧の通り。
神秘力感知や力学精霊魔法のスペックがやばすぎるんで当時は扱い辛いキャラになっちゃったかなと思っていたのですが、お子様な性格が幸いして良い感じにセーブ出来ている気がします。発想がアレ過ぎてたまに自爆したり、性格的に穴が多くてよく見落としたりと。ホント書いてて飽きない幼女です。妖精とはいったい。
ピノ「何この解説。納得いかないんだケド!?」
釣鬼「つってもお前ぇの場合、大抵は事実だしなぁ。朝練パートじゃ見事に本来の目的を忘れて頼太を撃破してたろ」
頼太「しかも普通の精霊魔法で事足りる場面でもわざわざ力学魔法で対応するもんな、お前……」
ピノ「だって消費が圧倒的に少ないんだモノ」
扶祢「私はよくピノちゃんの外部タンク担当してたから分かるけど、魔法効果そのものを求めるもの以外だったら殆ど力学魔法で転用出来てるんだよねぇ」
ピノ「ソソ。調整は難しいんだケド、慣れると効果を発生させるまでの過程を全部精霊に担当させる方が面倒なんだよネー。だからどうしても使っちゃうノ」
補足として。
特殊効果の力学精霊魔法が目立ってはいますが、それも高い基礎の実力あっての事。力学魔法の本質は、力学法則に基づいた理詰めによる徹底的な無駄の排除からくる、効果発生までの過程の超効率化です。
なので一部の魔法に関して言えば魔導系魔法すら再現が可能です、その場合の呼び名は力学魔導系魔法とでもなるんでしょうかねー。仮にどこぞの大賢人が力学法則を学んで運用し始めたりしたら割と本気で一国が滅ぶレベルの大火力を乱射出来てしまうかもしれない。迂闊に教えちゃいけないよ!
話は戻りますが、力学の法則を計算し、効果の「起爆」に必要な僅かな精霊力の消費とそれに伴う各種精霊への命令の簡略化により、精霊に対する強制力も通常の精霊使いに比較すると圧倒的に高くなっています。結果、より精密なコントロールが可能となり、目出度く精霊魔法のランクもA+の大台に。
でも本音としては力学研究が楽しいだけで、ピノにとっての精霊魔法はあくまで手段でしかありません。サリナみたいな魔法脳とは違い近場の敵をぶん殴るだけならピコを突撃させたり自ら障壁纏って物理的衝撃を伴う、より威力の高い体当たりをしにいっちゃいますしね。
クナイ「そういえばピコはんって大祭中もずっと放し飼いでやんしたが、本当に従魔ではないんで?」
ピノ「そだヨー。ピコはボクの弟分だからネ!」
頼太「むしろ姉の弟に対する強権的なあれだよな」
ピコ「わぅう……」
扶祢「よしよし――ピコって言えば結局ゴルディループスじゃなかったんだよね。ほぼシズ姉のせいだけど」
シズカ「まだそれ引っ張るのかや……じゃからあの時はやり過ぎたと反省しとるというに」
サリナ「ピコ君に関してですが、ヘイホーではもう周知の事実というか完全に大型犬ポジで収まってはいますけれど、今後他の街に行った時には苦労するかもしれませんわね。傍から見れば完璧なまでに調教の為されたゴルディループスにしか見えませんし」
釣鬼「そこも考えていかねぇとまずいかもしれねぇな」
その辺はおいおいと。その辺りの設定を使って次の章で一つ話を作ろうかな、と考えています。
それでは主人公パーティラスト、今回の章の主役の釣鬼先生です。
名前:釣鬼
種族:吸血鬼
年齢:54
筋力:A 敏捷:A
耐久:A- 器用:B
精神:A+ 神秘力:B-[魔]
スキル:体術S 棒術B 投擲B 探索B 追跡B 罠感知C 釣りS 料理D
気配察知A (隠密B) (暗器術A)
固有スキル:魔弾掌
[魔力を腕に纏い、魔導系、精霊系魔法を弾き飛ばす効果を
創り出す。効果対象は単体魔法のみ。
実際に弾き飛ばす行動の成功判定は体術スキル依存。
魔法障壁とは違いベクトルを逸らす性質を持つので貫通スキル無効
魔法回避判定に失敗した後の割り込み可能/使用条件:魔力B以上]
魔法回避B
[対魔法回避力を底上げする。1ランク毎10%増減。
Bでは魔法に対する回避率+50%]
食いしばりB
[痛覚によるマイナス補正の激減、致命傷を受けても一定時間
ペナルティを無視して行動する事が出来る]
吸血鬼種族セット
[他の吸血鬼からの吸血行為による眷属化の呪い無効。種族特有の
弱点が存在する。詳細は弱点セット参照]
吸血E
[他者の血を吸う行為を通じ生命の源を奪い、その質と量に応じ
自らの力を一時的に高める。適正不適合の為ランクアップ不可]
ビルドアップD
[自身の血液を体内操作する事で一時的に身体機能の向上を図る。
デメリットとして効果中内出血によるHPへの継続ダメージ。
Dでは筋力と行動力に+20%、1ランク毎10%増減]
吸血の呪いE
[血液を美味と感じ、吸血への軽い衝動が湧きおこる]
再生D
[受けた肉体的ダメージを徐々に回復させる。また身体の一部を
失っても新たに生えてくる。ランクDでは再生速度は遅め]
物理耐性C
[物理属性ダメージを30%軽減、1ランク毎に軽減効果±10%]
吸血鬼弱点セット/銀、陽光、白木、浄化
銀
[銀由来による攻撃の被ダメージに対しては再生能力が半減]
陽光
[陽光の下では全てのステータス判定に-1ランク]
白木
[白木由来による攻撃の被ダメージ量1.5倍。固有スキルによる
再生不可能、自然治癒は可能]
浄化
[耐性が0になる]
※現技能保持者は生命ある存在である為、浄化の影響を受けない。
クナイ「う~ん、見事におっそろしい内容ですなぁ」
頼太「俺等見慣れてるからまだいいけど、決勝戦のあの血塗れな形相がいきなり目の前に現れたら間違いなく逃げるよな」
扶祢「逃げられる気がしないけどね……」
ピノ「スカウト系スキル満載だしネェ」
釣鬼「そう言われるのが分かってるからあんまやりたくねぇんだよな、アレ。それに体中痛ぇし」
烈震「だが、アレをやられるとこっちもどうにもならないからな。十分に奥の手だよなぁ」
まずはビルドアップについて。
本編中にも書きましたが、使うと内出血どころか全身から出血します。スキル欄の内出血はスキル使用のみで何もしない時の話。そんな状態で激しい運動をしたら肉も筋も断裂しまくりますよね普通に考えて。
なので短時間決戦仕様とでもいいますか。もしくは三界でジャミラ相手に一度だけ使ったような瞬間的な使用程度に留まる事になるかと思います。それを常時使わねばならない程に素のステータスでは烈震相手にはどうしようもなかったとも言えますが。
扶祢「それじゃあ次は魔弾掌かな。これは私の項でも触れてたけど。瘴気に対する手段としては魔弾掌が挙げられるんだっけ」
釣鬼「おう。瘴気もアルカディア側じゃあ魔気と呼ばれてるからな。基本的にはこれで弾けるぞ」
頼太「これでうちのパーティ全員、瘴気攻撃に対する対策を持つ事になるのな。特攻効果って一体……」
ピノ「そんな危ないモノを身近で使われるんだモノ、対策練って当然でショ」
―――ですな。仲間であるからこそ、そんなもの大したことじゃないから気兼ねなく使えという心遣い、なのかもしれない。
アデル「これを使い始めたのは三界編の閑章からとなるか。シェリーの『お仕置き雷電』すら避け切っていたって事は、実際の魔法回避率がとんでもない事になってるよね」
サリナ「個人差もありますが、魔法回避力は誰でも持っているものですし、そこから更にスキルの分が追加された後に魔弾掌の判定ですからね。実際には範囲攻撃といっても一発一発は対象を取っている事が多いですし、無差別爆破系を別にすれば夜はほぼ魔法無効化と言っても差し支えないかもしれませんわねぇ」
釣鬼「つっても今回の章じゃ殆ど物理攻撃ばかり飛んできたからあんま役に立ってねぇけどな。烈震の爆轟陣も分類としちゃ爆発系だし、そもそも当たった後に発動するタイプだからコレじゃ防げねぇなぁ」
ピノ「次の章でボクの話に入るみたいだカラ、妖精とか出て来れば魔法系もちょっとは増えるんじゃナイ?」
釣鬼「だったら良いけどな」
―――その前に第六章みたいな別の章が入りますけどね。
それでは今回の主題である脳筋族の面々。手始めは釣鬼の妹分の双果から。
名前:双果
種族:大鬼族貴賓種
年齢:45
筋力:B+ 敏捷:A+
耐久:B 器用:B
精神:B+ 神秘力:D[魔]
スキル:体術A 戦斧術A 探索B- 追跡B- 罠感知C 気配察知B
交渉術E
固有スキル:体力回復速度上昇C
治癒速度上昇D
剛力A[筋力値1ランクアップ]
食いしばりC
[痛覚によるマイナス補正の軽減、気絶耐性に強ボーナス]
ノーブル進化後です、本編内では再開した時点で既に進化していたので進化前は記載無し。
微妙に無手に関する技術とステータスが全て扶祢を上回っていた双果さん。ノーブル時代の釣鬼よりも更に敏捷寄りになってます。
扶祢「だから朝練の時は手も足も出なかったのね」
双果「ふふふ。アタイも捨てたモンじゃないっすね」
ピノ「でもクナイにボロ負けしたんだよネ」
双果「……兄貴とのドラマチックな試合が」
クナイ「双果はん、御免なすって。あちきも兄様と仕合いたかったんでやんす」
一度サブタイに挙げたように、最終的に双果の花嫁フラグを建てようか悩みに悩みました。それと次の烈震の項でも書きますが、釣鬼と烈震との決勝戦の勝敗の行方も。ただもしそこで釣鬼が勝って花嫁フラグルートにいくと人生の墓場エンドになりかねなかったので、止む無く断念。双果なむ。
双果「うがー!人生の墓場の何が悪いんすかいちゃラブじゃないっすか兄貴をよこせー!」
頼太「と、言ってるが?未来の旦那候補さん」
釣鬼「……ノーコメ」
烈震「まぁお陰で俺にも十分目が出てきたし、良かった……のか?」
良かった事にしときましょう。
双果はこの後に紹介する二者との設定的な絡みが多いので詳細はそちらの方で。
名前:クナイ(本名:紅桜)
種族:半人半鬼
年齢:28
筋力:A 敏捷:A
耐久:B- 器用:B
精神:B+ 神秘力:C[魔]
スキル:体術A 棒術B 刀術S 交渉術D 話術D 気配察知B
(隠密B) (暗器術B) 神秘力感知C
固有スキル:体力回復速度上昇A
治癒速度上昇B
剛力A[筋力値1ランクアップ]
食いしばりC
[痛覚によるマイナス補正の軽減、気絶耐性に強ボーナス]
無明の心得B
[視覚ペナルティ6割軽減・1ランク毎に±20%増減]
【鬼の瞳】B-
[鬼の属性は右の片眼のみ。発動中は筋/敏/精に+1ランク、
相対する者へ軽い畏怖判定を強制する]
クナイこと紅桜さん。でも本名はあまりお気に召さないようなので多分今後もクナイさん。
子供の頃から母親の紅新妻に連れられ戦場を転々としていたのであっさり一段跳びで進化済み。年齢の割には戦闘系技能も高ランクで纏まっています。釣鬼との共通点にある通り、棒術・隠密・暗器術は母親譲りです。リアルアサシン系母ちゃん。
尚、荒くれな傭兵達やお付の面々にまみれて生活していた影響か、言葉遣いがヤクザと花魁系のごちゃまぜ状態、貞操観念もあまり有りません。別に誰彼構わず誘いまくる色情狂という訳ではありませんが。単に身近にそういった環境が多くそんなものかと感じており、ちょっとでも気に入った相手なら抵抗感が皆無なだけと言いますか。
傭兵の郷での登場時には既に傭兵稼業は引退していて、一人気ままなぶらり旅のついでに母親の言伝を思い出して寄ってみたら闘技大祭を知ってそのまま参加する流れとなりました。
扶祢「刀術S!それに一人旅をするだけあってクナイさん、交渉系もあるんだね」
クナイ「うふふ、お恥ずかしいですん。本当はあちきも扶祢はんみたいにお姫様プレイとかもしてみたいんでやんすがね」
扶祢「……え?お姫様?」
クナイ「ほら、頼太どn――」
扶祢「違いますっ!あいつのあれはただのセクハラですから!仲間として節制させてるだけでっ」
ピノ「だってサ?」
頼太「いや、別に良いけどな……」
―――ニヤニヤ。
釣鬼「まぁそれはともかくとしてよ。スキルを見た感じ、やっぱりお前ぇもお袋の影響を多大に受けちまってんだな」
クナイ「ですなぁ。体術はあの郷のお家芸でありんすが、隠密に暗器術と、とにかく見つからないよう、ばれないよう、徹底的に仕込まれましたなぁ」
頼太「そうか。そういやクナイさんは鬼の因子が強く出た進化をしてたんだっけ。皇国じゃあかなり警戒されてるみたいだけど、その辺実際どうなんです?」
クナイ「頼太どんったらまた他人行儀なですます調で、あちき悲しいですん……」
頼太「……へーへー。それじゃあ綺麗で可愛いクナイおねいさん、その辺じっくりと教えて欲しいなー」
クナイ「いやんっ。愛らしいあちきを連れ込んでねっぷりたっぷりとだなんてっ、頼太どんのど助平!」
頼太「どうしろっつうのよ!?」
こんな感じに人生を全力で満喫してる子なんで放っておくといつまでも話が終わりませんし、こちらで簡潔に解説します。
上にも挙げた通り、クナイは傭兵達の間で育ったので「鬼じゃ危険なのじゃー」とか言われても一笑に付されると言いますか。傭兵達も熟練者程人には言えない秘密の一つや二つは持っているものです。そんな猛者達の中で育てば普通に育つ訳もありませんが、その分母親が懸念していた差別的トラウマの植え付けなどとは無縁ですくすくと育ったらしいです。なので基本は楽観的、だけど現実には超シビアな感じ。
決勝戦の裏側での出雲との会話なんかはその性格により、みたいな雰囲気で作ってみました。
扶祢「えっとそれで、クナイさんは今後一緒に旅する感じなのかな?」
クナイ「今のところは異世界ホールで止まってるんで何とも言えませんけんど。無明の心得を極めたいって気持ちが一番強いんで、恐らくは三つの世界側へ行く事になるでしょうなぁ」
ピノ「元々脳筋族編でのストーリー用に作った便利キャラだしネェ」
クナイ「……ピノはん、もうちょっと歯に布当てた物言いでお願いしやす」
釣鬼「一応脳筋族編の主要キャラではあるしな、登場期間短ぇけど」
クナイ「兄様まで。ぐすん……」
元々この章の主要ヒロインポジだった筈の双果の愛らしさ要素を殆ど持っていっちゃった上に話の展開的に双果を抑えて試合を勝ち上がってしまったので、この子のお陰で双果がヒロインポジから格落ちしちゃって初期の性格付けに戻ってしまったんですよね。双果も良いキャラしてるとは思うのですが、どうにも兄貴兄貴言ってるイメージが強くてねぇ。
とりあえずクナイが今後どう動くかは未定です。プロットに自然に組み込めるようなら考えよう。三界側のアフターストーリーとか。
それでは主要キャラのトリを飾るのはやはりこの人。
釣鬼の幼馴染でもあり最大のライバル、栄光の族長ルートが(周りの年長者達のパワハラにより)確定してしまった高位大鬼族、烈震。
名前:烈震
種族:高位大鬼族
年齢:54
筋力:S 敏捷:C
耐久:A+ 器用:B-
精神:B 神秘力:D[精霊]
スキル:体術S 大剣術A 気配察知A 話術D 統率D 交渉術C 儀礼E
固有スキル:爆轟陣
[物理的な衝撃を基点とする瞬間的な闘気開放技能。
密着した状態からの物理衝撃であれば発生源の自他を問わず
身体の全部位で開放可能。
闘気による衝撃属性を含む為、ダメージの軽減には
物理・魔法双方の防御を要する]
食いしばりB
[痛覚によるマイナス補正の激減、致命傷を受けても一定時間
ペナルティを無視して行動する事が出来る]
体力回復速度上昇A
治癒速度上昇B
剛力A[筋力値1ランクアップ]
頼太「烈震は納得のザ・オーガ!って感じだよな」
扶祢「フィジカル面じゃ変身前のゴウザさんと同等以上だもんね。筋力なんかSに達してるし」
烈震「一応オーガの基本進化形ではあるからな。それなりには鍛えておかないと先人達にも顔向け出来ないだろう」
釣鬼「まーだお前ぇは気を使ってるのかよ。いい加減正統進化だって胸を張って言えば良いのによ」
双果「ねぇ。郷の娘達からも熱の籠った目で見られてるんだし、もっと威張っても良いのにね?」
轟鬼「儂がお前の頃にゃ同世代のおなご達を片っ端から喰っちまったモンだがのう。お前ももっと――」
頼太「抉り込むようにッ!朦朧破(物理)!」
轟鬼「げふっ……」
迅突「――ほう。小僧、中々見事な手際だな。叔父貴にはまぁ、寝といて貰おうか」
ピノ「轟鬼ッテ、族長族長言ってる割には扱い雑だよネ」
真面目な話、迅突の方が余程貫禄がありそう。
こんな流れが作者的に脳筋族の理想像。厳格な上下関係重視じゃ脳筋とは言えませんよね。
クナイ「でも双果はん。そんな事言いながら烈震はんに告白されてるんじゃあらせんか。その辺如何でありんしょ?」
双果「う……いやその」
烈震「あっ、ああうんそうだな。別に返事は急いで無いからな?」
頼太「ケッ!」
扶祢「――あれ?ピノちゃん一緒にやらないの?」
ピノ「ウン。ちょっと次の章への準備とかあるからネ。お淑やかにいくデスヨ、オホホホ」
釣鬼「何だか妙ちくりんな言葉遣いだな、無理してんのが丸わかりで似合わねぇからやめとけって」
ピノ「ムゥ」
扶祢「という前振りでした」
でした。
それでは最後に、決勝戦について。
これも双果の花嫁フラグと共に途中まで悩んでいました。勝敗は勿論なのですが、閑話側に名前だけ出ていたアサカ――釣鬼の初恋のお相手関連のお話をどこまで深く掘り下げるかの部分ですね。
実際試合前に回想パートを設けて、その上で試合中に昔の想いからの真の開放という形で釣鬼の変化が本当の意味で戻り、吸血鬼(男)の姿で烈震との決着を付けるという案も用意はしていました。ですがそちらルートでは間違いなく釣鬼の勝利で終わる事になり、更に烈震の設定とその関連の絡みまで消えてしまって脳筋族編という舞台が台無しになりそうだったのでばっさりと切り捨てて、烈震側の視点を少し長めに入れる事になりました。
そうすると今度はどう考えても釣鬼の勝ちの目が無くなってしまった訳で。でも危なげなしに釣鬼最強()な流れになって舞台設定も駄目になるよりは余程良い感じに仕上がったのではないかな、と思っています。
釣鬼と烈震は対等な関係を維持させたかったのもあるので引き分けエンドも考えはしましたが、それだとありふれてんなーと感じたのもありますし、百年振りの大祭の決勝戦なのでやっぱり決着は付けたかったですからね。
ただその結果アサカについての回想部分がほぼ消え、銀髪美人のおねいさんモードのままになっちゃいましたね。全身流血状態の倒錯感も書いてみれば中々お気に入りなんで暫くの間はこのままでいくけど。
という事でアサカについての想いやその背景なんかは章末にちらっと入れるだけで、次章への布石を兼ねて最後の盛り上がり担当は出雲姫に任せる事に。今考えると無理に郷から出るまで書かずに次の章から出雲を出した方が良かったかなーなんて思わなくもないですが、もう書いちゃったし仕方ないヨネ。その場のノリってやつなんです……。
出雲「うむ。次章からは余の活躍をとくと御覧じれといったところだな」
―――尚、案外あっさりといらん子扱いになってさっさと帝都に送り届けて完の可能性も無きにしも非ず。
出雲「そんなー!?」
ピノ「ナムナム。どうせ次はボクが主役だしネ」
まぁ主役以外にも出来るだけ生き生きと動いて欲しいと思っているので色々用意はしますけどね。
それでは、今回はこの辺りで。
次回、楽屋裏⑧にて脇役連中と霊狐サイドの設定等を説明していきます。




