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狐耳と行く異世界ツアーズ  作者: モミアゲ雪達磨
閑章 三つの世界:閑話編
122/439

異世界ツアーズ楽屋裏~登場人物紹介その他⑤~

 1/15追記:アデルのスキルに体術Aを追加。

 あれだけ本編で殴ったり組んだり投げたりしてるのに体術が無い訳が無かった。

 それでは三界側の主要メンバー三人は紹介したんで残りの皆をば―――


 まずは歩く砲台(物理)アデル……の前に。


 アデルに限らずですが、三つの世界編は三つの世界(トリス・ムンドゥス)の人間達をメインとした物語の中に主人公達がお邪魔している設定で進めていたので、大局的には主人公達が居なくても物語自体は進むようなそれぞれの立ち位置と話の進め方と言うものを意識してみました。上手く表現出来なかった部分も多々ありますが。

 強いて言えばジャミラが一度目に公都に来た辺りの展開が変わりそうには思えます。それでも前日のジャミラの公開ステスキル的にまぁ暗殺等の危険はほぼ無かったでしょうし、同じく公都へ向かう流れとはなるかなと考えています。

 あの時点で既にヘルメス達の暗躍でほぼ公都側も人造人間(レプリカント)との決別は済んでいたのでサカミ側と公都側が手を結ぶのも時間の問題だったのではないかと。

 と言う訳であくまで主人公達は主人公達の立場で旅をし、三界側パートでは三人称視点、のような変則的な進行にしてみたのですが如何でしょうか?ご意見ご感想等お待ちしておりまするm(_ _)m


では改めてアデルの紹介に。


名前:アーデルハイト=アイブリンガー

種族:耳長族(エルフ)

年齢:26


筋力:A    敏捷:B-

耐久:A    器用:B-

精神:A+   神秘力:B[精霊]


スキル:戦棍術A+ 剣術B 体術A 精霊魔法E 神秘力感知C 気配察知D

    騎乗D 儀礼B


固有スキル:剛力A[筋力+1ランク]

      地精の加護C[小人族(ドワーフ)の血を引く者に与えられる加護。

      血が濃い程に加護が篤くなる。筋/耐/器に+1ランク・敏-1ランク] 

      魔法抵抗D[耳長族(エルフ)の血を引いて生まれ落ちた者に確率で付与。

      全ての魔法効果をランクに応じた割合で軽減する。Dではダメージを

      及ぼす魔法の直接ダメージ判定の開始部分に二割軽減効果]

      頑健[健康の証。ダメージ以外で身体的に悪影響を及ぼす類の魔法や

      軽い病気への耐性ボーナス。HPと体力回復速度にボーナス]

      精霊力開放(地)[地の加護を基点とした身体ブースト。解放時は

      筋/敏/耐判定に+1ランクされ、HP回復速度が倍化するが、代償と

      して体力消費と精霊力消費も二倍になる]


 本気でガチムチタンクさん。この人はあくまで冒険者であって騎士や戦士では無いので実は技術的には頼太達とそんなに変わらないのですが、作中でも表現していたように基礎の能力値とパッシブスキルによる底上げで戦闘時の実防御は物凄いことになってます。Lvを上げて物理で殴れを地で行っちゃってる人。まぁその位じゃなかったら竜種(ドラゴン)とガチり合いなんか出来ませんよね。

 実際にはここに大戦槌と鎧の攻撃防御も上乗せで単発の攻撃力は勿論ですが何よりやばいのが魔法防御力。コメディパートでアデル一人サリナの雷撃に耐えきったりシェリーの雷撃に耐えきったりしてた描写がありますが、これはパッシブスキルによるダメージ軽減+元の高抵抗+鎧の魔法防御という呆れる程の耐久系コンボで落雷のダメージを最小限まで減らしており、更にそれを受けている間もHP自動回復効果によりどんどんと回復していってるからなのですね。決してギャグ補正ではなかったのです。


頼太「つまり、アデルさんを打ち倒すなら物理で殴り合えって事なのかな?」

アデル「やだなぁ、頼太ったら押し倒すだなんて……ひっく」

頼太「アンタまで『鬼殺し(アレ)』飲み過ぎちゃってんの!?せめて自分の紹介部分が終わるまで我慢しようよ!」

アデル「あはははっ。ついに頼太が分身の術を覚えたー……すぅ」

ピノ「寝ちゃったシ」

サリナ「この一月行動を共にしていたのですから、そろそろ頼太さん達もこいつの性格を正しく理解した方が良いと思いますわ……もし攻略するとすればそうですわね、魔法ではシェリーの雷雲召喚でも倒しきる前に逃げられそうですし、やはり物理攻撃が比較的マシ、かと」

扶祢「それでもマシ程度なんですね……」

クロノ「閑話編最終回でも比喩じゃなしに本当にわたしの打撃数十発を一発でひっくり返す程に効いていなかったからな、こいつは……むしろこちらの拳や肘が先に壊れそうだった位だよ」

ジャミラ「俺の光学猫だましも本来目を塞いだ程度で耐えられるものではないんだがな。その前の一撃に至ってはノーガードで少しばかり効いたかな、程度の顔をされて少々自信を失った位だぜ」

アデル「ん~…むにゃ。サリナー、わたしのカップ麺取らないでー……」

サリナ「全く、こいつはなんて夢を見てるんだか」


 アデルの寝言にサリナが呆れ、その様子を見て皆噴き出してしまう。

 サリナも釣られてその顔に苦笑を浮かべてしまい、その後少々恥ずかしそうな表情をしながら言った。


サリナ「ええ、ええ。解っていますわ。(わたくし)達はシェリー達と比べると本当に恵まれていたんだな、とね。特に悲劇といった事も起こらずに、共にあろうと思えばずっとこいつの横に居られたのですから」

クロノ「いや……うん。確かに羨む気持ちが無いとは言えないが、わたし達はわたし達だ。今はこれで良かったと思っているし、反省すべき部分は多々あれど悔恨など微塵も無いさ――奴との決着も一応ではあるが付いたことだしな」

シェリー「そうね。出来ればレムリアとも、またあの日のように色んなことを話せるようになりたいけれど……」

レムリア「―――わたしはいつでも歓迎するがね」

シェリー&クロノ「……えっ」

頼太「やーレムリアさん、それとヘルメスも。いらっしゃい」

扶祢「シズ姉なら今は寝てるから大丈夫ですよー。どうぞどうぞっ」

レムリア「あぁ、お邪魔するよ」

ヘルメス「や、やぁ。本当の本当に?シズカ寝ちゃった?」

ピノ「『鬼殺し』……の後にもちょっとあったケド、まぁあっさりとネ。起きたらどうなるか分かんないカナ~?」

ヘルメス「ヒイッ!?」

レムリア「……一体とうさまとそのシズカとの間には何があったんだ?」

扶祢「そ、それはヘルメスさんの出番にでも」






 アデルとくれば対になるこの人、歩く砲台(魔法)。サリナさん。


名前:サリナ

種族:人族

年齢:23


筋力:E    敏捷:D

耐久:D    器用:B

精神:S    神秘力:A+[魔]/A+[神]


スキル:魔導系魔法A 強化魔法S 回復魔法S 神秘力感知B 交渉術C

    話術C 接客B 統率D 


固有スキル:神職魔法S[文字通り神職にのみ使用可能な魔法、結界や浄化等が

      それに当たる。神職魔法のランク上限は強化魔法と回復魔法の

      どちらか低い方と同じまで]

      【絶対領域】[元は神職魔法の一つの結界操作に含まれるが、長年の

      研鑽によりオリジナルの域へと昇華したスキル。絶対領域を創り出

      し、如何なる攻撃をも防ぎ切る。(例外有)使用中は移動不能]


 実は僧侶系魔法の方が得意だったサリナさん。でもシェリーとの魔導系魔法のランク差は僅かにAとA+なので十分に鬼火力となります。元の魔力も十分に高いので。

 ちなみにこの魔法能力で何故神殿の高司祭系についていないのかというと……日頃の行いです。

 ヘイホーの神殿関係者達の間でも何故アレがあのような奇跡を行使出来るのかとの議論が月一で取り交わされている程のヘイホー七不思議の一つです。当然二つ目はアデルの脳筋力について。


 作中でもやはり自身の語りなどで説明がされていましたが、現役時代に世が世なら英雄として担ぎ上げられそうな事も何度もやっているにも関わらず、出費や味方への物的損害額もとんでも無い事になっているので扱い辛い、というのが上の人達の本音です。逆に人的被害は驚く程に少なく抑えているのですけれども。

 そういった訳で本人達もお堅い儀礼はあまり好かないのもあり、民間の冒険者ギルドで居心地よく自身の能力をお互い発揮し続けていた、というのが三界に来る前までのサリナとアデルの実情となりますね。


釣鬼「ぬー、頭痛ぇ……」

頼太「お、釣鬼先生復活したか」

扶祢&ピノ「おはよー!」

サリナ「おはようございます、釣鬼さん」

釣鬼「おぅ。それにしても予想通りに僧侶系魔法がとんでもねぇ事になってんな。サリナ嬢は」

シェリー「三界編が決まる前、つまり(わたくし)が出る前には魔導系の方がメインだったそうですが―――」

ピノ「それだと役割がかぶっちゃうシ、僧侶系が今のところ居なかったから僧侶系メインでいこーって事になったみたいダネ」

サリナ「当初はサップ君の出番も考えていたそうですが、正直言いますとその、頼太さん達のような修行パートも無しに三界で活躍出来るのか?との疑問が湧きまして……」

ピノ「強化系は兎も角、回復だけで言えばボクと同程度だったからネェ。だから修行中の描写をちょっとだけ入れるに留めたんだってサ」

頼太「そういえばピノも精霊魔法による回復だから純粋な僧侶系って候補が居なかったんだよな。それも三界編にサリナさん達が急遽参戦する決め手になったんだけど」

扶祢「第73話でサリナさん家に行った時点ではまだ悩んでたんだよね。日本編でシズ姉っていう並行世界キャラを出しておいて更に同じネタを使い回すのかどうか、って感じで」

サリナ「実際(わたくし)とシェリーの場合最初の頃は中々差異を出せませんでしたしねぇ」

シェリー「お恥ずかしいですけれど、(わたくし)の口調もそのままサリナ風でしたものね。実は三界編後半になってからこっそりと(わたくし)の台詞の過剰なですわ形式部分を修正していたりしてまして……」


 ―――結局一人称の『(わたくし)』を『私』に変える事だけは出来ませんでした……扶祢と一人称がかぶるし。


レムリア「そういえばその辺りの使い分けをする為に延々と『シェリーさん』『クロノさん』と説明っぽい名前指定が多かった時期もあったようだね。今は修正されているが」

頼太「ホント、違和感満載だったよな。説明描写を言う俺の立場にもなって欲しいモンだ」


 スンマセン、文章構成力にもっと磨きをかけたいぜっ……!


ジャミラ「それはそうとして、基本ステータス部分だけでもシェリーとサリナは随分と差異があるんだな?」

サリナ「これはそれぞれの今迄歩んできた道程によっての個性分けのつもりらしいですわね」

クロノ「僧侶系魔法のあった世界で過ごしたサリナはそれを伸ばし耐久型に、精霊魔法側に進んだシェリーは速さとより攻撃へのシフト、といった感じか」

サリナ「そうなりますわね」

釣鬼「結界に、それと本編ラストの鎮魂魔法は浄化に当たるか。この辺りは神職の極みとして、この【絶対領域】ってなどんななんだぃ?」

サリナ「これはジャミラさん達と公都へ出向いた時のジャミラへの防御に用意していたあれとなりますわ。こうしてジャミラさんのステータスを見ると必要無かったな、と思いますけれども」

ジャミラ「済まないな。あの時はまだまだ解決には時間がかかると考えていたからな。切り札を出す訳にもいかなくて利用する形になった」

サリナ「いえいえ♪元々あの時の(わたくし)達の立場はサカミの砦町に雇われた護衛役でしたから、利用されること自体には異論もありませんし」

アデル「――そうだね。契約はきっちりとしないとね。ひっく」

扶祢「アデルさん大丈夫?まだ酔いが酷いみたいだけど」

アデル「んー……駄目かも。zzz」

ジャミラ「寝たり起きたりと忙しい事で」

レムリア「うーん。どうも本当にわたしはクロノよりもアデルの方に近いんじゃないかと思えてきたな……あ、とうさま。この煮しめ、味合い深くて美味しいですよ。あーん」

ヘルメス「どれどれ、あーん……うん、いけるね。もぐもぐ」

クロノ「お前、性格随分と変わったな……」

頼太「者共、そこのたらし軟派野郎に独男の憤怒を味合わせてやるぞっ!」

サカミ衛兵軍団「ウォオオオオオオオオ!リア充爆発しろおおっ!!」

ヘルメス「ちょっ……ギャアアアアアアッ!?顔は、顔はやめてくれー!」

ピノ「ドコまでもホスト根性ダナァ」


 【絶対領域】については、正確には「向かって来る攻撃を散らす」という誤誘導(ミスディレクション)系要素が入っているのでシェリーの魔法貫通属性もベクトルがずらされて上手く機能しません。ただし自身の神秘力以上の力押しな範囲攻撃には弱くあっさりと突き抜けられることも。その場合、絶対領域の使用条件として魔法使用以外の行動が取れないので逃げることも出来なくなり致命的な結果になるかもしれません。






 では脇役紹介へと入ります。脇役なんでさらっと流しそう。


名前:ゴウザ

種族:人狼族

年齢:48


筋力:A+   敏捷:C

耐久:A+   器用:C

精神:B    神秘力:B[精霊]


スキル:体術A- 気配察知C 統率E 交渉術E


固有スキル:狼男変化S[人狼族に代々伝わる超変化。筋力/敏捷/耐久+2ランク。

      満月の夜は更に神秘力と精神以外全ての判定にボーナス。

      Sランクではステータス自体が+1ランク。逆に精神は-1ランク、

      物理攻撃無効と超速再生が追加で付与]

      人狼の極み[致命傷を受けても暫くの間行動可能。その間にHP回復等

      によりHPが1以上に回復した場合、生存判定が自動成功する]

      HP超回復[HP回復力が大幅に上昇。上記の超速再生とは重複する]

      狼男弱点セット

      [銀の武器:再生速度-100%/精神異常耐性-1、変身時のみ適用]


 レベルを上げて物理で殴るタイプの人の天敵。満月の夜になると銀の武器とかも効かなくなって手が付けられません。おまけに重傷を負っても瞬時に再生してしまいます。下手な火力だと魔法特化でも返り討ちダゾ★


ゴウザ「これが父の背中と言うものだッッッ!」

ジャミラ「暑苦しい。外でやれ」

ザンガ「正直暑苦しいのは同意っす……」

頼太「でも複製(コピー)アデル――レムリアさんって言った方が良いかな?この場合」

レムリア「あの時はまだ複製品(レプリカ)だったからな。この名前では呼んで欲しくはないな」

頼太「あいさ。じゃあ複製(コピー)アデルで。それと戦った時は見事に戦力外だったけど、こうして見るととんでもない化物だよなぁ。そりゃあの夜の模擬戦で負ける訳だ……」

ザンガ「でも本当頼太さんは有り得ない位に善戦してましたって。俺、ちょっと感動しちゃいましたもん」

ゴウザ「そうだな、その点については俺も認めている。だからこそ公都への偵察の話が出た時に反対することなく任せられたのだからな」

ジャミラ「お前はそういう点は絶対に妥協しないからな。だからこそその気概を買って俺の右腕となってもらっているんだが」

ゴウザ「……兄貴ぃいいいいい!!」

ジャミラ「ええい、鬱陶しいっ!」

クロノ「実はわたしともゴウザとは過去に殺し合いをやっているが、その時は殺しきれる気がしなくてわたしの方が撤退した事がある位だ。作中では台詞の一部でしか表現していないが」

扶祢「クロノさんで殺しきれないって、相当ね……」

ピノ「正に物理職の天敵、ダネ」


 その分精神攻撃には弱い、というか耐性が無いので比較的有効なんですけれども。

 それが第95話のゴウザの嘔吐状態となっていますね。あの精神異常効果についてはレムリアの項で。







名前:キルケー

種族:スキュラ

年齢:16


名前:ユスティーナ

種族:半天響族(天響族+人族)

年齢:19


 サカミのアイドルユニット、もとい酒場の看板娘と魔物娘。

 閑話編の大運動会で実況担当として見えない活躍をしたり。

 二人にも色々あったがキルケーについては本編で軽く触れています、ユスティーナについては適当に想像しちゃってください。


ユスティーナ「酷っ!?何ですか何なんですかこの軽い扱い!第81話の初稿じゃ私の名前すら出てなくてただのサカミの中立地帯っていう立ち位置の描写オプションみたいな扱いだったし!」


 ―――スンマセン。そこについては少しばかり改稿しまして台詞なんかも追加しましたんで。


キルケー「ま、まぁユスティーナさん。競技祭じゃ大活躍だったしいいじゃないですか。あたし達脇役ですし……どうせ…ハハ」

シェリー「キルケー、ごめんなさいね……」


 ―――最初出した時はキルケーにも従者的エピソードとかを入れる予定だったんですけれども。

 当時試験の為に前の週に書き貯めしてから一週間程試験勉強してたら頭の中がリセットされちゃいまして、試験後に前の話を読み返した時に「あれ、これ頼太達超空気じゃね?」と思っちゃったんですよね。


頼太「あぁ、クロノさんとの二度目の邂逅以降は専ら解説しかしてなかったよな……」

釣鬼「それで場面を俺っち達サイドで進めた訳か」


 ―――そですね。扶祢がコスプレをした辺りから魔力回復薬(マナポーション)一斉吐瀉のくだりまでは書いてて楽しかったなァ。


扶祢「コスプレは楽しかったけど……」

釣鬼「あの毒水は二度と飲みたくねぇな……」

頼太「地獄を見たわ……」

ピノ「だからやめとけって言ったのにネ」






名前:ザンガ

種族:人狼族

年齢:26


 三界側のハクソウは結局閑話にも名前しか出てこなかったので割愛。本編ラストで「親父殿ーッ」って叫んでる方がハクソウでした。


頼太「こっちのザンガはとっつき易くていいよな」

扶祢「うんうん。ザンガさんともこっちでは沢山お話出来て楽しかったよね」

ザンガ「そこまで言われるって。そっちの世界の俺って一体……?」

ピノ「っ【人狼の村事変編】」

ザンガ「……何この痛い奴」

ゴウザ「未熟者の分際でプライドまで無駄に高いとは。やはり閉鎖環境はろくでもない精神しか生まんな!こやつも兄貴の下で修行をし直せば良いのだっ!」


 ※閉鎖環境云々はあくまでゴウザの私見です。


扶祢「まぁまぁ。あっちはそれだけ平和ってことなのかもしれませんし」

ザンガ「ふーむ……実際、俺としてはこの三界での戦乱の状況ってある意味強くなれる機会が多かったから言う程悲劇じゃないんじゃないかって思うんですよね。お陰さまでこの若さで狼男(ライカンスロープ)に至れて精神を冒されたりもせずに制御しきれてるし、不謹慎な言い方だけどこの世界、昔っから好きっすよ」

ヘルメス「うーん、そういう意見を言われると複雑だけど……何が幸せで何が不幸なのかは人それぞれなのかもしれないね。僕も気の遠くなる程の時を過ごしてきたけれど、まだまだ分からない事だらけだよ」

サリナ「そういえば狼男(ライカンスロープ)って精神が凶暴化して制御出来ない人狼族も多いのでしたっけ。ゴウザさんのスキル表記でも精神ランクにペナルティがかかるようですし」

ザンガ「ですね。昔は三界でも狼男(ライカンスロープ)はその性質から禁忌(タブー)と言われてた時期もありましたっけ……親父の代になってからは代表がアレなんでもう禁忌もクソもなくなって次々と狼男(ライカンスロープ)に至ってたのがある意味笑えるけど。」

ゴウザ「精神を冒されるなんぞ根性が足りんだけだ!古臭い迷信に惑わされる暇があれば兄貴の役に立ち、俺達のサカミの町を更に盛り上げる事を考えれば良いのだッ!!」

ジャミラ「少しばかり暑苦しいがな。この辺りの度量が、こいつも何だかんだで頭を張れる器だという事だな。誇ってやれよ、親父さんを」

ザンガ「……うん、そっすね」


 実際、ゴウザがサカミでの人狼族の頭になってから、忌み嫌われていた過去の狼男(ライカンスロープ)に至った系譜が全員解放されていたりします。その連中がサカミ攻防戦での最前線を張ってたという設定。脇役の地味な活躍描写って書いてて楽しいわぁ。






 それでは閑話編だけど実質三界編ラストを飾る、元複製(コピー)アデルな人造人間(レプリカント)、現人口生命体(ホムンクルス)のレムリアさん。人造人間(レプリカント)verと人口生命体(ホムンクルス)verをまとめて載せます。


名前:無し

種族:人造人間(レプリカント)

年齢:0(死亡時は5)


筋力:A+   敏捷:A+

耐久:A+   器用:A

精神:S    神秘力:A+[精霊]


スキル:剣術A+ 体術A+ 精霊魔法D 神秘力感知C 気配察知B 罠感知B

    探索C 話術C 儀礼D


固有スキル:【時を視る眼(クロノオーグ)・偽】A-

      [加速能力(2倍まで)・予知能力(数秒先まで)・一時停滞etc...

      ただし使用回数に制限有り。使う度に徐々に劣化していく]

      高速再生[神秘力の消費を代償にMPと同じ数値のHPを回復する。

      身体の欠損も治療可能]

      人造人間(レプリカント)弱点セット

      [一度消費した神秘力は二度と回復しない・定期的に薬液を接種する

      必要がある・リミッター開放により徐々に身体の細胞が壊れていく]




名前:レムリア

種族:人口生命体(ホムンクルス)

年齢:0


筋力:B    敏捷:B

耐久:C    器用:A

精神:S    神秘力:C[魔]/S[神]


スキル:剣術A+ 体術A+ 神秘力感知B 気配察知A 罠感知B 探索C

    話術C 儀礼D 料理B


固有スキル:【時を視る眼(クロノオーグ)・真】S

      [加速能力(4倍まで)・予知能力・一時停滞etc...

      Sランクは非常に強力な能力だがその分身体への負担も大きい]

      【因果干渉】

      [【時を視る眼(クロノオーグ)・真】の力を最大限に開放することにより

      因果律への一瞬の干渉を可能とする。ただしこの能力を使用すると

      確実に失明し、確率で【時を視る眼(クロノオーグ)・真】の能力そのものも失う]

      ヘルメスの加護S

      [親馬鹿の極み。大抵の事はお願いすれば聞いてくれる]   


 レムリア。当時は名前もまだ決まっていませんでしたが、無名の人造人間(レプリカント)の成れの果て、というだけではボスとしての印象も弱いかな、と思いまして。それで練り直していたら何時の間にか第97話が完成しちゃった感じでしたね。なので第97話の投稿前に急いで第96話のレムリアの発言等を改稿したりしてました。

 文章表現やちょっとした変更は特に記載しませんが、今回の場合のような明確な変更は日時を書いて前書きに追加するようにしていますのでそこら辺を参照してみて下さいな。


 それにしても結局三界本編の登場人物の中ではレムリアが一番のお気に入りになっちゃいましたね。楽屋裏のは悪ノリなんで本編に反映させることはありませんが。

 閑話の最終話も元々人口生命体(ホムンクルス)として登場させるのは第97話を書いた時点から決めていまして、満を持しての登場となりました。      


扶祢「上の方は人造人間(レプリカント)時のステータスだね」

クロノ「これでは当時のわたしが敵わぬ訳だ……あの夜限りで言えば十全に【時を視る眼(クロノオーグ)】を使いこなせていたという事か」

レムリア「一応当時は戦闘特化の身体だったからね。勝ち目が無いモノを作っても意味は無いだろうさ」

シェリー「それにしても。ファルスは狂人だったけれど、創作者(クリエイター)としては本当に優秀だったのね……」

レムリア「まぁ、な。あるいは、だが……その有能さが時勢に歪められ、あの様な狂人になってしまったのかもしれないな」

ヘルメス「―――この通り、この子は本当は優しい子なんだよ。生まれてすぐあの様な扱いを受けて、朽ちて死に果てる直前まで当時の『主』を害する事も無く……合成獣(キメラ)へと融合した時点で人造人間(レプリカント)としての主への加害禁則からは解放されていた筈なのにね」

レムリア「………」

シェリー「レムリア……」

ヘルメス「まっ、だからこそ僕が前の分までレムリアを愛してあげるんだけどねっ。と言う訳で愛しい我が娘よ、我が抱擁を受け入れておくれ―――」

レムリア「と、とうさま。人が見ているから……」

頼太&ピノ&ザンガ「ケッ!」

扶祢「ごくり」

サカミ衛兵軍団「また手前かあああああっ!汚ぇ花火になっちまえっ!!」

ヘルメス「ンギャアアアアッ!?」

レムリア「とうさまー!?ああっ、わたしもいずれとうさまの後を追いますわっ……そこのMOB連中、消えろっ!」

サカミ衛兵軍団「ちょっ……あいるびばーっく!!」


 突然レムリアが『眼』を白銀色に光らせ叫ぶ。直後衛兵達が数秒の間に次々と外へと吹き飛んで行き……。


レムリア「―――ふぅ、とうさま。御顔はご無事ですか?」

ヘルメス「うーん、駄目かも。娘よ、優しく介抱しておくれ~」

レムリア「はいはい。痛いの痛いのとんでけ~」

クロノ「……お前、間違いなく性格変わってるぞ」

レムリア「何を言っているんだか、そうそう人の内面が変わる訳が無かろうが……あっ、とうさまずるい!その伊達巻わたしが食べたかったのにっ」

ヘルメス「ごめんごめん、それじゃあ代わりに僕の栗きんとんをあげるから許しておくれ」

レムリア「……もぉ、今回だけですからね」

クロノ「………」

シェリー「いや、ほら。今が幸せそうですし、それならそれで良いのではないかしら?」

クロノ「こんなのに当時のわたしは負けたのか……」

釣鬼「ドンマイ」


 ぶっちゃけこんなの書いてる自分がきめぇ。けど、楽しくて仕方が無いッス。


頼太「あ、合成獣(キメラ)と言えばあの夜の屋敷での戦闘の時の精神異常効果だけど、あれって何なんです?」

レムリア「ん。あれは捕食した兄弟姉妹達の慟哭の念が場に染み出して常動効果となっていたようだな。声が聞こえる範囲内での不快指数を大幅に上げ、酩酊・朦朧といった行動阻害に特化した弱体化(デバフ)効果を与えていたんだ」

扶祢「私達は平気だったんですけど、ゴウザさんとピコと、あと頼太も最初は不調になってたよね」

釣鬼「作中で頼太が分析していたように、精神ランクが鍵となりそうだが……」

ピノ「頼太が途中から平気になったのはいつもの悪足掻きスキルとシテ、それで平気になってたってことは安全ラインはB辺りカナ?」

ゴウザ「俺も変身中は精神ランクが下がってC相当になるからな。その辺りだろうな」

頼太「相変わらず悪足掻きスキル様様だなァ。地味に活躍しまくりだぜ」


 そして少しばかり話に一区切りついたところでアデルが気だるげな様子で身を起こし、差し出された水のグラスを一気にあおる。


アデル「―――んむぅ。やっと酔いが醒めてきたかな」

サリナ「おはよう寝坊助さん。もうちょっと早く起きれば面白いものを見れたのにねぇ」

アデル「お?何だい何だい、頼太がおっぱい星人なことをついにカミングアウトしたとか?」

扶祢「それ、カミングアウトの意味あります?」

頼太「何でアンタは一々俺を弄ろうとするんだよっ!?」

アデル「あははっ。冗談冗談、お詫びに熱い抱擁をしてあげるから許してー」

頼太「ぐっ……ちっくしょー!卑怯だぞ!」

サリナ「……あぁ。さっきのヘルメスさん達のやり取り、どこかで見た事があると思えば身近にその典型があったわね」


 と言う訳でノリノリな辺りの性格はアデル譲りなレムリアなのでした。


ピノ「それデ、人口生命体(ホムンクルス)の身体の方だケド。これって静の身体と同じモノと考えて良いのカナ?」

ヘルメス「静さん……シズカの並行存在だっけ。何処の世界の技術かは分からないけど人口生命体(ホムンクルス)と呼ばれた身体だったら似た様な物かな?一応大本は僕が遥かな昔に創ったフラスコの小人(ホムンクルス)が始まりだからね」

頼太「え?」

扶祢「あれ、フラスコの小人(ホムンクルス)を最初に創ったのって、パラケルススじゃなかったっけ?」

ヘルメス「うん、そうだね。あの頃は色んな発想が飛び交ってて楽しかったなぁ。綺麗なお嬢さん達を追う暇もない程に研究に没頭しちゃってたよ」

扶祢「えぇえええええっ!?ヘルメスさん、ルネサンス期にも降臨してたんだ……」

頼太「まじかよ、何だかヘルメスがいきなり神々しく見えてきたわ」

扶祢「よねぇ」

ヘルメス「……君達は一体僕をどういう奴だと思ってるんだい?」

頼太「胡散臭い」

扶祢「たらし?」

ピノ「ヘタレ」

ヘルメス「胡散臭いとたらしは兎も角ヘタレって何さ!?」

ピノ「ジャア、今すぐシズカ起こしても良イ?」

ヘルメス「……ヘタレでいいです」

レムリア「あぁとうさま、負けないでっ―――でも打ちひしがれるとうさまも良いかも」


 だめだこいつら、特に作者。


 ふぅ、自嘲も済んだところで……。


ジャミラ「そろそろ今回も12000文字を超えてしまったしリミットだな。最後にレムリアの項目について何か質問はあるか?」

ユスティーナ「はいはいはい!こっちも撮ってっ!」

ジャミラ「撮って、ってお前な……で、何が聞きたい?」

ユスティーナ「ちょい役は映るのにも必死なんですよっ!えっとですねー。ヘルメスの加護とか神力がSに達してるのは何となく理由が分かるんですがー。【時を視る眼(クロノオーグ)】に『真』って付いてるのは何でです?」

キルケー「あ、後ですね。精神がSなのもそう創られたという事で良いんでしょうかっ」

ヘルメス「【時を視る眼(クロノオーグ)】に関しては、元々レムリアが人造人間(レプリカント)であった頃から使いこなしていたものだから魂の根底に能力が刻まれちゃったのかもね。僕が培養槽(フラスコ)で再生した時には既に両眼とも【時を視る眼(クロノオーグ)】になっていたよ」

レムリア「クロノとしては思う所はあるだろうが、わたしにとってもこの『眼』は自分の拠り所の一つであったからな。気付けば、【時を視る眼(クロノオーグ)・真】に変化していたらしいね」

クロノ「そうか……いや、それはお前自身のモノだ。似た能力を持つとはいえ、お前以外がその『眼』に口出しをする権利などは有りはしないだろう。わたしなどコレは生まれた時から持っていたし、特に意義に関して考えたことなど無かったからな」

レムリア「それと精神Sについては本編での語りで察して欲しいとは思う。他のステータスは全て造り物だが、わたしの(せいしん)だけはわたし自身の物だから……」

ヘルメス「それがあったからこそ人口生命体(ホムンクルス)への再誕も成功したのだしね」


 ―――では、これにて小休憩と致します。今の内に料理の追加や周りの整理等よろしくー。


一同「「「あいよー」」」

 レムリアの項で主要面子はラストだなと思って長々と書いてたんよ。日本側の登場人物のこと忘れてたんよ。もうちっとだけ続くんじゃよ……⑦まで長引く事はありませんが。ほんとスンマセン。結局新章開始が三界本編終了時の告知よりも一週間も遅くなってしまいました。

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