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キミをこの剣で…~新選組~  作者: 三日月
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五章 傷口

ご無沙汰しております。

主人の具合も良くなり後ゎ

リハビリだけとなりましたので

この作品から復帰します。



今回の話は少しほんわかに仕上げて

みました。

誤字脱字があるかと思います。

ありましたら…ごめんなさいです。

あたしが狙われる原因となった

この小瓶の毒薬。何故こんな物が

あんな所に落とされていたのだろう?



そんな事を部屋で考えていると

山南さんがやってきた。





『そろそろ昼食時ですよ?』

『あ…はい!』

『その小瓶の理由、気になりますか?』

『…はい。まるでゲームの中に居るみたいです』

『ゲーム?ですか?』

『はい』

『未来というやらは色んな物が発達しているのですね?沖田君が謂っていましたよ?』

『え?』





その時沖田さんが謂っていた

あたしのスマートフォンを思い出した。

山南さんも見た時は目を丸くしていたっけ。





『さぁ、皆の所へ参りましょう?』

『そうですね。その沖田さんがお腹鳴らしているかも知れませんし』

『案外土方君もかも知れませんよ?』

『っ!いっ!急ぎましょう!』





そんなあたしの様子を見る山南さんは

小走りするあたしを見て笑った。

だって、土方さん…優しいけど怖いから…。




昼食済ませるとあたしは

洗濯物を取り込む為庭へ出る。

勿論、沖田さんもついて来る。





『暑いねぇ〜?』

『夏ですから仕方無いですよ』

『涼しければ良いのにねぇ〜?』

『春先が一番いいかも知れませんね』

『あ!』





あたしが洗濯物へ手を伸ばした時だ。





『どうしました?』

『今日まだ一君と手合わせしてないや』

『……そうですか…』

『僕も手伝うよ』

『有り難う御座います』

『近藤さんの服隊大きいよね?』

『お体が大きいですからね?』

『僕なんて中なのに』

『それでも大きいですよ。あたしは自分で直した位ですよ?』

『そりゃぁ、君は女の子だからね』

『そうですね』





そんな話をしながら

あたし達は洗濯物を取り込んだ。

夏だけあって乾くのが早い!

これが冬場だったら乾くのは夕方辺りだろう。


沖田さんは独り言を謂いながら

服隊を畳む。あたしはその独り言を

訊きながら畳む。


夏は暑いから食中りで兵士達が寝込むだの

暑さ負けで寝込むと謂う内容だ。

そんな沖田さんも先週、暑さ負けで寝込んでいた。


いわゆる熱中症だ。

あたしは今の所大丈夫だけれど

今日の土方さんはどことなく気怠い感じだ。食事もあまり食べれていなかった。


この仕事が終わったら

塩水でも持って行こう。






『早く犯人、見つかるといいね?』

『え?』

『君を狙ってる奴だよ。土方さんの話だと代わりの奴、相当な腕の持ち主みたいだし』

『…はい。あたしも空手くらい習っておけば良かった…』

『確かに。でも護る者としては格好がつかないかな?』

『沖田さん!』

『あっははは!智香ちゃん怒ったー!』





全く…いつもこの調子何だから!

本当にあたしより年上?!

ひと笑いした沖田さんは服隊を

大きな籠へ入れる。これから各部屋へ

持って行く為だ。



人数が多い分何往復しなければならない。

それに、まだ畳まれていない服隊もある。

簡単そうで結構な重労働なのだ。






『籠、足りるかな?』

『何回かに分けてやってますよ?』

『…そう…なんだ…』




沖田さん、顔が引きつってますよ。





『侵入者だぁ!誰か手が空いて居るもの!応援頼むっ!』





突然近藤さんの声がした。

侵入者と謂う言葉にあたしは動かしていた

手を止める。

沖田さんを見ると声がした方を見ている。





『君は此処で待ってて?平助!智香ちゃんを頼む!』

『あ?判った!』






丁度いいところに藤堂さんが来てくれた。

沖田さんは返事を貰うなり走り出した。






『心配ねぇよ。こっちに居ないって事は

智香が目的じゃ無いんだから。たまに有るんだよ新選組を潰そうとするザコが』






藤堂さんが沖田さんの代わりに

洗濯物へ手を伸ばす。





『そうなんですか?』

『そう。なんつーか…大将からの

褒美狙いもあんだろうな?』

『褒美…何気に新選組は敵が多いですよね?歴史の本では良いこと悪いことが

書かれてますし』

『え?!』

『でも、凄い人気何ですよ?』

『俺は?!』

『…ごめんなさい。あたし、近藤さんと土方さんと沖田さんしか…』

『あ…そう…』

『ほ!本当にごめんなさいっ!』

『別に良いけど…』

『そう言えば…確か…うっ!』





あたしは突然頭が痛くなった。

何かに殴られた様な…。両手で頭を押さえる。






『大丈夫か?!智香!』

『は…い…』





急な頭痛で何を話そうとしたのか

忘れた瞬間、その痛みは無くなった。

…JINと謂うドラマを思い出した。






『はぁ…』

『本当に大丈夫かよ?』

『はい!大丈夫です!この通りです!』

『良かった。病気か何かかと思ったぜ』

『ふふ。有り難う御座います』

『さてと。此、持ってくか?』

『はい!』






袖を捲って力瘤を見せた。

その時沖田さんのあの台詞が

頭を過ぎった。ちょっと…苦笑い。





『しかし暑いよなぁ〜』

『本当です…エアコンが恋しいです』

『何それ?』

『部屋を涼しくしてくれる機械です』

『未来にはそんな良いもんがあるのかよ!』

『はい。ありますよ』

『良いなぁ』

『冬は暖房ですね』

『へぇ〜。あ…総司…』

『やぁ。侵入者、スッゴい弱かったから

あっという間に終わったよ』

『物足りない言い方ですね?』

『えー?』

『ほらよ』

『え?』

『終わったなら俺の出番も終わりだろ?』

『はいはい。判りました』





服隊が入った籠を受け取る沖田さん。

藤堂さんは、じゃぁなと謂い自分の部屋へ

戻る。





『早く終わらせようか?』

『はい!』





山積みの洗濯物の横から顔を出すと

やっぱり沖田さん。いつもの様に笑う。

午後の仕事が一段落すると暇になる。

彼は巡察の為居ない。



代わりに土方さんが側に居てくれている。

土方さんは相変わらず詩を書いている。

あたしをチラリ見るなり、絶対内緒だぞ!と念を押してくる。





『信じて下さい!誰にも謂いません!』

『ならいいが…総司辺りは絶対突っ込んでくるからな…』

『そうですか?』

『現にお前もからかわれているだろう?』

『…あ…そ、そうですね…』




そろそろ夕飯の支度をしなくてはならない刻となったので、あたし達は台所へ移動する。


近藤さんが釣ってきた魚が沢山あるので

晩ご飯は魚の煮物とお吸物。それと、見様見真似であたしが作ったお新香。

裏庭に初めて行ったら荒れていた畑を見つけたので。



可哀想な野菜さん達…。




ガタンっ!






『っ?!』

『っ!何ですか…?』

『おいっ!総司どうした!』

『うわっ!おいっ!誰か手をかしてくれ!』




近藤さんと藤堂さんの声。

一体どうしたのだろう?あたし達も広間へ向かった。


すると…そこには背中に大きな傷を作った沖田さんが苦しそうに横たわっていた。





『総司!』

『沖田さん!』




隊士からの話だと巡察の帰り道

突然浪士達に取り囲まれたらしい。

浪士達は一気に沖田さん一人を取り囲むと

剣を抜き、襲いかかった。

中に一人だけ腕の立つ者が居たという。


除外された隊士達も戦いに加わったが

殆どは沖田さんが数十人倒したそうだ。

けど、残りの浪士が疲れ果てた沖田さんを斬った。


沖田さんは動ける限り最後の一人と戦い難を逃れた。






『傷は浅いみたいだな』

『…つぅ…咄嗟に振り向きましたからね』

『しかし…血が凄いなぁ〜』

『近藤さん?顔色悪いですよ?』

『…パックリ割れている…』

『え?だって…さっき土方さんが浅いって…?』

『近藤さんの冗談だ。気にするな』

『なぁ〜んだ…痛いっ!』





手当てを終わらせると台所から

いい匂いがしてきた。




『あぁっ!』

『そういえば…夕飯の支度中だったな?』

『こっちへ来るとき原田さんに頼んでたの忘れてました!』

『焦げる前に戻るか』

『お焦げの原田さん?あっはは!痛っ!』






その晩、沖田さんは高熱でうなされた。

脱水状態にならない様、時々水を持って行く。傷口から菌が入った可能性もあるので医者に診て貰う相談を土方さんとした。

明日の早朝、忍びの人が呼んで来る事になった…。



如何でしたでしょうか?

復帰作品を詠んで下さいまして

有り難う御座います。

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