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キミをこの剣で…~新選組~  作者: 三日月
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四十二章 日高と智香

何がどうなっているのだろう?

陰陽師氏はまだ井戸へ集中している。

土方さんと隆夫もただ見守るだけ…。



そこへ沖田さんがやってきた。

あたしは一度その場を離れ沖田さんの方へ

行く。







『沖田さん…今日も巡察じゃ…』


『うん?違うよ?昨日松本さんの所へ

行ったんだけど急患が居てね、それで行ってきただけだよ?』


『そうだったんですか…あたし、てっきり巡察かと…』


『ふふ。…今やってるんだね』

『はい』






あたしと沖田さんは離れ場所から

様子を窺う。

暫くすると陰陽師氏の手が

ゆっくりとおろされた。






『…日高という女…新選組にかかわって

いましたか?』


『あ、ああ。奴らを捕まえたのは俺達だ』


『そうですか…彼女の目的は此処を潰すと謂う言葉より新選組の全滅…と、いえるでしょう…が、しかし”小さな救世主”が

それの妨げになっている…』


『”小さな救世主”?』






沖田さんが呟く。

と、土方さん達が此方に気づく。





『なんだ総司、帰ってたのか?』

『少し前にですけどね』


『おや、沖田総司さんですか?お邪魔しています』


『嫌だなぁ〜?お邪魔だなんて。それに、昨日巡察の時会ったばかりじゃないですか』





沖田さんと陰陽師が他愛ない話をする。




『そうでしたね。…一つ、判りました。

此処での事故は隆夫さんではなく

本来なら篠山さんという方が犠牲になるはずでした』




まさか…。




『何だって?篠山が?』

『…それじゃ何で俺とチビが…?』




あたしのせいで?





『貴男と犬の波が、篠山さんの波に

似ていたのでしょう?…彼女自身の霊がそれに気付いて居ますし…二度は失敗などせず、篠山さんを狙うでしょう…此処は浄化します。日高は次の場所で成仏させます。ケリをつけるのです』




本来ならあたしが…事故に遭うはずだった…?そんな…。

あたしのせいで…隆夫とチビが怪我を…。

下を向き手を額にあてていたらと…沖田さんが…。




『…君は悪くないよ』

『沖田さん…』

『篠山、次へ案内するぞ』

『…はい…』

『そう落ち込むなって!俺の運が悪かっただけさ』

『……けど…』






隆夫は泡な風に謂ってくれたけど

あたしは晴れぬ気持ちのまま

問題の灯籠へ急いだ。





『此方になります…』



土方さんが丁寧に案内する。


陰陽師氏は着くなり否や何かを

唱え始めた。

前に原田さんから訊いたことがあった。


”彼はその場について早々経みたいもんを

唱え始めるとき、相当な時だけだそうだ

結構前に本人から訊いたなぁ”


この場所はあたしが彼女を見た所。

小さな灯籠…いや、正しく謂えば

小さくもなく大きくもない。

この灯籠で…あたしを?それとも全員を…。




ガダンッ!



大きな音ともに陰陽師が倒れる…。



『何?!』





気が付くと陰陽師氏は土方さんに

寄りかかる…違う。陰陽師氏が吹き飛ばされ、それを助けようとした土方さんと

一緒に…叩きつけられた。





『っぅ…無事か…?』


『申し訳有りません…油断…してしまいました…』

『らしくないじゃないか…』






二人はゆっくりと起き上がる。

あたしは土方さんを。沖田さんは陰陽師氏を。





『大丈夫ですか?』

『ええ…』


『土方さん…』

『大丈夫だ…』





あたしは灯籠へ視線をやると

そこに彼女が居た。





『日高…』





彼女はあたしを冷たい目で見る。





「貴女、邪魔なのよ」





陰陽師氏を支える沖田さんが

何かに気づいた様子があった。

土方さんも。


少し遅れてあたしも陰陽師氏を見る。

口元が動いている。

コレに日高は気付いていないのか…?

部屋へ戻った隆夫は大丈夫だろうか…?

大丈夫だろうけど、心配になる。



唱え終わると手に持っていた

数珠を灯籠目掛け投げつけた。





すると日高が灯籠ごと縛られた。

悲鳴をあげる。

もがき苦しむ日高が今目の前に居る。

こんな出来事があっていいの?


テレビの中の話だ…。



それとも、何でもありな世界なのか…?

そう思わざる得ない。





『何か凄い事になってるね』

『他人ごとだな…』

『へへ』





彼はまだ何か唱え続ける。

あたし達は此処は彼に任せ、離れる事にした。気にはなるけれど仕方がない。





『お前等は旅支度を済ませとけ』


『判りました。それじゃ最後の支度しとこうか?』


『はい』






彼は一人で人でない日高を相手している…。時々苦しそうな声が聞こえてきた…。





詠んで頂きまして

有り難う御座います(*^-^*)

もう、フィクションもイイトコロです(笑)

後三話で最終話になります!




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