四十章 病気
風邪、やつっけてきました!
ただいまです!
さて、回復?ついでに新選組を…。
今回の話しは悩んだ末、智香が
あることを打ち明けます。
その晩、いつものように
沖田さんが部屋の前で見張りをしてくれた。
日高の事はやっぱり気になる。
けれど何故かあたしの中では
この新選組の歴史を変えたいと…
考えていた。
歴史が変わったら、未来は
どうなるのだろう?今、存在している
人は存在すら無くなるの…?
沖田さんに…彼の未来を……。
布団の上で沖田さんを見る。
『…沖田さん…』
『なぁに?』
自分勝手なのは判ってる…
だけど…。
『沖田さん…一緒に…江戸へ行きませんか?』
『…どうしたの…急に…?』
『……江戸で治療しましょう…』
『智香ちゃん…』
『近藤さんの為に新選組で働きたい気持ちはよく判っています…だけど…』
『君…僕の病気知ってるんだ…』
『……お願いです…沖田さん…』
『………誰かに謂った?』
『いえ…謂ってません…』
『……』
『お願いです…労咳に負けないで下さい…』
『負ける?』
『はい…』
あたしは我慢出来ず泣いてしまった。
目の前の人の未来を知っているから…
話しているうちに…胸が苦しくなって
沖田さんを直視出来なくなった…。
『智香ちゃん…』
『労咳は感染します…この…ひっく…
新選組の為にも…江戸で治療…を…』
『…うん。一晩、考えさせて貰っていいかな…』
顔をあげると沖田さんはすかさず
あたしを抱きしめてくれた…。
暖かい。
『沖田さん…』
翌朝、あたしは隆夫とチビの
怪我の具合を診に部屋まで行く。
あたしはとうとう沖田さんへ
話してしまった。
彼の応えはまだ訊いていない。
『どうしたんだ?』
『え…』
『いつも以上にボーッとしてるぜ?』
隆夫の目があたしをじっと見る。
『眠いの』
『ふーん』
ごめん。此以上は謂えないの。
昨日、あの後約束したから…。
沖田さんが応えを
出すまで誰にも謂わないって…。
『昨日の夜、変わった事とか無かった?』
『別に何も無かったなぁ?ただ夜の見張りが厳しくなった位か…?』
『そっか。あたし飼育小屋の様子見てくるね』
『うん』
そういうと隆夫の部屋から出る。
飼育小屋へ向かおう。歩き出し顔を
あげると土方さんが向かいからあるって来る。
あたしを見ている。
何か用事かな?と思っていると…。
『智香、悪いが今から俺の部屋へ来てくれるか?』
『…はい』
初めて会った時と同じ様に
土方さんは眉間に皺を寄せている。
後ろを付いていくと、土方さんは
話し始めた。
それは、沖田さんの事だった。
『先程、総司から訊いた…本当なのか?』
『…はい…本当です』
『お前が前に教えてくれた事…それだったのか…』
『黙っていて申し訳有りません…歴史の事ばかり…気にしてしまって…』
『お前なりに悩んでいたんだろう…?
謝ることねぇよ』
土方さんの部屋へ入ると
近藤さんと沖田さんが向かい合って
座って居る。
あたしは沖田さんの隣へ腰を下ろす。
土方さんは近藤さんの隣。
さっきの話しからすると近藤さんも
沖田さんから訊いたのだろう。
応えが出たんだ。沖田さんは江戸で
治療を選んだのだろう。
だって、土方さんの耳に入れば100%治療に専念しろと、沖田さんを新選組から離れる様指示を出すだろうから。
近藤さんが重い口を開く。
『総司から全て訊いた。トシと話し合った結果、新選組一番組組長沖田総司は…
江戸での治療を命ずる事と決定した』
『総司、それを覚悟の上で打ち明けたんだよな?』
『そうですよ』
近藤さんと土方さんは沖田さんを見る。
『あの…このタイミングで…ごめんなさい…』
『いや、このタイミングだからこそ
総司を休養出来るんだ。こいつに負担を
かけず…』
『うむ。日高の件は我々に何とか出来る
問題では無いしな。新選組と京の事は俺達に任せてくれ』
『なぁに、心配ねぇよ。近藤さんも
こう謂ってるんだ。総司の一番組は前みたいに俺が預かる…必ず治して戻って来い。いいな?』
『はい。必ず戻って来ます。近藤さんの役に立ちたいですからね?』
『だな』
『智香君、君に総司を頼んでもいいかい?』
『構いません。あたしに出来る事をやるだけです』
『…智香、頼んだ』
『頼む』
『はい』
この時、初めて二人があたしに
頭を下げた。
この行動に正直驚いた…。
まさか頭を下げるなんて…あたしは
あたふたしながら頭を上げる様
近藤さんと土方さんに謂う。
その様子を見る沖田さんは今日初めての
笑い声を挙げた。
如何でしたでしょうか?
智香と沖田の新たな物語です。
一晩考えた末
沖田は新選組から一度離れ
江戸での治療を決心した。
歴史が動き始まる…。
次回へ続きます。




