表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キミをこの剣で…~新選組~  作者: 三日月
37/45

三十七章 怪我

今日和。やっとタイトルが決まりました。

”日高りん”が関わっているのか、いないのか


これ以上だと、ネタバレになるので

やめます。

あ、一つだけ。

智香に少しだけ異変?が起きます。




沖田さんは巡察から戻ると

真っ直ぐ近藤さんと土方さんの所へ

向かった。あたしは平助君と雑用を

こなしている。






『あたし…歴史を変えられるかな?』

『どうしたよ?急に?今まで”歴史は変えちゃ駄目なんですっ!”て謂ってたのにさ?』

『そうだけど…考えが変わったんです…

皆に生きて欲しいから…』


『ふーん?』

『出来るかな…』


『未来から来たお前なら出来るじゃねーの?』

『え?』

『だってよ、新選組の最後知ってるんだろう?』

『…はい』


『なら出来るって!あ…俺ちょっと…』

『平助君?』

『腹…が…』


『ええっ?!』

『なんてな!』

『もう!驚かさないで下さいよっ!』


『わりーわりー。そーいや智香も

見たんだよな?』


『見た?』

『打ち首の日』

『あ…うん。昨日…』


『まさかだよなぁ…しかも陰陽師が

新選組に来るなんてな?』

『人生初です!』


『未来には居ないのか?』

『陰陽師は居ませんけど、霊媒師とかなら居ますね。…ん?よくお祓いとか

訊くけど…んん?んー?』


『…話変えるか。あ!斉藤さん…』

『平助、此処にいたか。広間へ集まれと

副長から命令が出た。智香、茶を頼む』

『…はい』






今回の集まりにはあたしと隆夫は参加せず

雑用を済ませる。湯を沸かすと隆夫が

また、あの話をしてきた。





『…ねぇ、此処台所なんだからやめようよ…一応”男扱い”なんだから…』

『あ…そうか…悪い…』





今、この時間帯は他の隊士達の出入りが

あるのでなるべく避ける。

まさかだった。あたしの友達の色仕掛けに

負け、別れを切り出した隆夫。

だけど今になって…って少し前に

告白されたけど、今のあたしには沖田さんが居る。(よこしま)な事…。


隆夫が此処に来て少し、沖田さんは

微妙に機嫌が悪い時がある。

土方さんは”嫉妬”じゃいかと謂うけれど

自分が彼に何か失礼な事をしたのではないかと不安になる。



広間へお茶を二人で持って行く。






『『失礼します』』






中から土方さんが返事を返してくれる。

あたしは座った姿勢で障子を右へ開ける。





『お茶をお持ちしました』

『いつも悪いなぁ二人とも』

『いえ』





近藤さんは早速湯のみを手にする。

何だろう、緊張してる。





『どうした?』

『え?』

『何かいつもと感じが違うが?』





斉藤さんがあたしの異変に気づいた。

なんて説明してよいのか判らず

気のせいです。そう返した。

だって…自分でも判らないから…。



何故かこの時、沖田さんだけ見れなかった。


広間を出ると、さっきまで平助君とやっていた仕事を原さんとやる。

それを済ませるとチビを中庭で世話を。

日差しは暖かく心地よいのか欠伸をしている。


天気は最高なのにあたしは晴れない…。

隆夫の告白で可笑しくなってるのかな?

なんだかモヤモヤしてる。





『はぁ…』





溜め息をするとチビが頬を舐めてくれる。

そこから変なスイッチが入ったあたしは

チビとこれでもかって位じゃれあう。



話し合いが終わる頃、あたしはチビを隆夫に見てもらう為連れていく。






『それじゃ、湯のみ持ってくるね』

『おう。今日は少し長かったから二回

煎れに行ったよ』

『そんなに?いつも一回で済むのに…』

『何か難しい顔してたぜ?』

『そう…』





あたしはお盆を持つと広間へ急いだ。

広間へ入ると沖田さんが一人

壁に寄りかかって目を瞑って居た。





『沖田さん…?』





彼はそっと目を開ける。

そして、あたしを見た。





『どうしたんですか?一人で?』

『足が痺れちゃってね』

『へー?』




あたしは沖田さんの足をつついてみた。

すると彼は”ぎゃんっ!”と吠えた。

本当に痺れてる。





『智香ちゃん…それは駄目でしょう…』

『えへへ』

『痛い…』

『すみません…やってみたかったので』

『悪趣味だよ…』





あたしは湯のみを片付けながら

沖田さんと話をする。

さっきまでの緊張感は何処へやら。




『チビの世話、楽しそうだったね?』

『聞こえてました?』

『うん。終わり頃”キャーキャーピーピーワンワン”』

『ピーピー謂ってません』

『あれ?そうだった?』





いつもの沖田さんに安心してる自分が居た。





『ピーピーじゃなくてブヒブヒだった?』






まだ謂ってるっ!

終わったんじゃないんですか!

悪戯な目をしてるしっ!





『ふふ』

『”ふふ”じゃないですって!』





いつも通りふてくされた

あたしは広間から沖田さんと出るとチビが

珍しく吠えていた。井戸の方だ。

沖田さんも気になったらしく声がする方へ

向かった。あたしも流石に気になるので

台所へ向かってから彼の後を追った。



すると、チビと隆夫が怪我を負って

倒れて居た。






『なんで?!』






先に着いていた沖田さんが

説明してくれた。






『此処でチビを見ていたらこの瓦が

一斉に落ちてきたみたい。…角が彼の太股(ふともも)にあったったんだ。

チビは背中を…』


『どうして…』






あたしは井戸を雨から守っていた屋根を見た。

変な痕なんてない。

突然瓦が一斉に落ちるなんてあるの?

そこで、あたしは一つ気づいた。


井戸、それは昨日山南さんが

日高りんを目撃した場所。たまたまなのか?それとも彼女の怨念なのか…。





『深い怪我じゃないから…大丈夫…です…』

『立てないでしょう?こんな怪我じゃ?』


『そうだよ!沖田さんの謂うとおりでしょう?』


『僕、近藤さん達に説明して来るよ。

医者を呼んでくる』

『判りました。あたしは何とか止血してみます』






チビも痛そうだ。

恐らくチビの方の怪我はあたしでも

何とか出来るだろう。お父さんの仕事

よく手伝ってたし…。





だけど…場所が場所なだけ

彼女の怨念なのではないか…そう思わずに

居られなかった…。









山南さんが日高を見たとい井戸


隆夫とチビの怪我は

日高りんの”怨念”なのか

それともただの”事故”なのか…。


智香は雑用をこなしながら

隆夫とチビの面倒を見ることとなる。

次回、”夜の灯籠”を予定しています。



詠んで頂き、有り難うございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ