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キミをこの剣で…~新選組~  作者: 三日月
19/45

十九章 日々

中々更新出来ず

本当スミマセン…

盆休みはまだ続いている。

隊を纏める斉藤さんや沖田さん、原田さんや平助君たちは屯所へ戻ってきた。



沖田さんを除く原田さんや斉藤さんは近くに宿をとり

休みを満喫していたらしい。

樋口さんはというと土方さんが戻ると

また屯所を去って行った。





あたしはてっきり

隊士さん達が戻るまで居るのかと思っていた。けど、樋口さんから教わる事は多かった。



沖田さんが見張りをしていた時だ。







ーーーーーーーーーーーーーー





盆休み二日目。




外はどんより曇り空。

あたしは箒を片手に屯所前を掃いていた。






『何ぼーっとしながら掃除をしている?』

『あ…樋口さん…』

『狙われるぞ?そんな隙だらけでは…まぁ、俺は困らぬが』

『…樋口さんて結構な臍曲がりですよね?』

『何とでも謂え。今日は荒れるだろう…』






樋口さんは曇り空をみながらそう謂った。

あたしも見上げる。どう天気が荒れるのだろう?さっぱり判らないあたしは樋口さんを見る。



綺麗な顔立ちだ…。彼の横顔はスッと綺麗な線を画いているような…。






『何をじっと見ている?』

『いえ。横顔は見たことがなかったので観察させて頂きました』

『ふ…沖田の横顔でも見ていればいいだろう?』

『そうですけど、樋口さんの横顔ですよ』

『俺に付きまとうなよ?』

『しませんっ!』

『それなら良いが…しかしお前は本当に隙だらけだな?もっと脇をしめろ』

『わきをしめる?』

『姿勢を正し、脇をしめれば狙いずらくもなる。お前の場合は背が丸くなっていてだらけている』

『そう…でしょうか?』

『沖田に護って貰うばかりでなく自分で自分を護れ』

『…はい』







この後、樋口さんが謂った通り雷雨となった。どの時代でも同じなんだ。叩きつける様な雨…中庭の鯉は大丈夫かな?


鯉の事を思いながら雨漏りをしていないか

屯所内をまわる。






『異常なし』

『異常有りだ』

『わぁっ!って沖田さんと樋口さん…』

『智香ちゃん驚き過ぎ』

『だって…こんな薄暗い廊下で…』

『お化けとか思った?』

『もう!あ、でも何処が異常有り何です?』

『窓近くの壁を見ろ』

『窓の近く?』





あたしは樋口さんが謂った箇所を見る。





『あ…』

『染みがあるだろう?』

『あ、本当だ。全然気付かなかった』

『お前…この屯所にどれくらい居るんだ…』






樋口さんは呆れながら沖田さんを見る。

沖田さんはいつも通りの笑顔で”知らない”と返答。



雨漏りをするかも知れないので樋口さんが教えてくれた所に桶を置く。

後で見にきたらやはり漏っていた。







『もう少しで昼時ですね…』

『僕、手伝うよ?』

『いつもありがとう御座います』

『毎日は出来ないけど暇がある時ね』

『助かってますよ?』






あたしと沖田さんは台所で昼食の支度を

始めた。






『智香は居ないか?』

『あ、土方さん居ますよ此処に』

『何処だ?あいつは小さいからなぁ…智香ぁ?』

『此処ですって!』

『なんだ総司の隣に居たのか…』

『あたしそんなに小さくありませんっ!』

『小さいだろう?』

『んがぁっ!』

『くっくっくっ…ぶははっ!あっはははっ!』






土方さんの用事は樋口さんが里に帰るとの事だった。なので炊けたご飯を掴んで

オニギリを二つ。漬け物と仕切りを設けて卵焼きを持ってきた小さいタッパーに入れた。


あたしはそれを持って樋口さんの所へ

向かう。






『樋口さーんっ!』

『ん?』

『間に合って良かったぁ〜!此、どうぞ』

『…毒入りか』

『ムカッ!樋口さん沖田さんと行動してから意地悪移ってません?』

『沖田が謂っていたのでな。からかうと面白いと』

『沖田さん…っ!』






樋口さんはあたしの手からお弁当を取る。

それに気づいたあたしは樋口さんに目を向ける。

彼は優しく微笑んでいた。





『淋しくなるなまた、からかいに来よう』

『来なくていいですっ!』

『土方がお前を妹の様だという気持ちが判る。此処にいる間はヒヤヒヤし通しだったからな』

『樋口さん…』

『そうだな…年末に来るとしよう』







そういって樋口さんは屯所を去った。





『行っちゃったね』

『あ…沖田さん』

『初めて見たなぁ彼のあんな顔』

『…ところで沖田さん…樋口さんに何を教えたんです?』

『〜♪お昼お昼!』

『沖田さんっ!』






ーーーーーーーーーーーー




そして十五夜の夜あたしは

お婆ちゃんに教わった通りお団子を作った。斉藤さんが隣で丸めるのを手伝ってくれる。





『智香はいろんな事が出来るな。料理も美味い』

『亡くなったお婆ちゃんが作ってるところ、よく見ていたので。教わったり、見ながら覚えたり』

『熱心なんだな』

『そんな事ないです』






『放して下さいっ!』






『…斉藤さん…今の…』

『行ってみよう』





あたし達は台所を飛び出し

声のした方へ走り出す。

やっぱり斉藤さんの方が速い。


現場に着くと綺麗な女の人が酔っ払いに

絡まれていた。





『そこで何をしている?』

『ひっく…あぁ?』

『助けて下さいっ!』

『その人を放してっ!』






酔っ払いは女の人を片腕で抱き締める。

彼女は怯えている様な感じだ。






『放してあげないと斬っちゃうよ?』

『沖田さん!』

『そーそー!』

『平助君!』

『三対一で勝てる自信でもあるか?』

『ばぁか!ひっく…お前等新選組は張られてるんだよ…この女に…礼を謂って貰いたいよなぁ〜ひっく…』

『ふぅん…本当なの?それ?』

『そんな事…』

『もしそれが本当なら理由を訊こう』

『酔っ払いに謂われてみれば最近妙に視線感じるんだよなぁ〜?』

『へぇ〜やっと成長したんだね?』

『それどーゆー意味かなぁ〜?総司ぃ?』

『そーゆー意味でしょ?』




『…偵察とか…そんなんじゃ…』

『では何だ?話さなければ例え女としても容赦はしない』

『判りました…えと…私…彼に一目惚れ…をしてしまいまして…』

『一目惚れ…?』





彼女は恥ずかしそうに話してくれた。

どうやら平助君を好きになってしまったとか。





『お、俺?!』

『ふーん…』





沖田さんと斉藤さんは信じていない様子だ。平助君は急な告白にあたふたしている。酔っ払いは”なんだつまらん”と

謂いながら女の人を解放し、町へ戻る。



この出来事は直ぐ近藤さんと土方さんへ

報告された。






『怪しいな』

『その”女”本当に偵察ではないと?』

『謂ってましたよ?』

『平助』

『なんだよ土方さん…』

『お前は此からの巡察は総司の班とまわれ』

『はぁっ?!なんで?!』

『なんでって君、あいつに新選組の事訊かれたら根掘り葉掘り謂いそうだからでしょう?』






沖田さんが同意を求める様に土方さんと

近藤さんを見る。すると、近藤さんから”その通り”と返事が返ってきた。

確かに平助君は口を滑らす事が多々ある。





『ちぇ…判ったよ』

『局長と副長命令じゃ仕方無いよね?』






沖田さんはあの”意地悪笑顔”で

平助君へ謂う。平助君は苦笑いで沖田さんの頬を抓る。それをやり返す沖田さん…

何やり出すのか…。





『お前等いい加減にしろっ!』






やっぱり、土方さんの雷が…。


日も暮れると夕餉の支度も終わる。

あたしは食事を運び終えると鐘を鳴らし皆を集める。




あたしは少し横になるため部屋へ戻り

畳の上で横になる。






『はぁ…』

『何溜め息をついているのですか?』

『え…』





あたしは起き上がろうとしたけど

馬乗りにされていた。

いつの間に?





『さっきの…』

『はい…』








先程の”彼女”は不気味な笑みを

あたしへ向けていた…。













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