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キミをこの剣で…~新選組~  作者: 三日月
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十四章 捜索

お待たせしました。

いつもありがとうございますm(_ _)m

浚われてから三日目の朝。

空はどんより暗い。

あたしはまだ樋口が居る屋敷に居る。

土方さん…責任感じてなければいいなぁ…。







『今日はゲリラ豪雨なのかなぁ?』

『そこで何独り言を謂っている?』

『っ!貴男…』



あたしが顔をあげると樋口という男が此方を見ていた。




『そう睨むな。主に内緒でお前を生かすと約束しただろう?』

『…本当に、沖田さんも殺さないんですよね?』

『俺は嘘が嫌いだ』

『あたしも、嘘は嫌いです』




お互いに確認し合う。


あたしは立ち上がり部屋の襖を閉めようとすると…。樋口があたしを壁に押し寄せ

壁と樋口の間にはさまれた。






『本当は小瓶を落とした奴の顔、…見たんじゃないか?』

『前にも話しましたが顔をよく覚えていませんっ!』





またあたしが樋口を睨むと彼は鼻で笑う。





『離れて下さい』

『逃げる気か?』

『見張りを付けられているのに、どうやって逃げるんです?』

『ああ…平拔依か…そうだったな。それと明日朝主が戻る。お前はその時主に会う事となる。最悪ば主の目の前で斬る事になる。せいぜい演じる事だな…』






そういうと樋口は部屋から

出て行った。


要するにあたしを斬るふりをし

そしてあたしは絶命したふりをする。

だけど大丈夫だろうか?


この時代に血糊なんてあるのか?

正直、不安だ。







ー新選組ー






土方は暑い中智香を攫った樋口、平拔依の情報を聞き出していた。

中々集まらない中土方は智香の安否を気にしていた。

三日目となってもまだ有力な情報を掴めていない。





『出て来ないか…』




肩を落としていた土方の後ろから原田の声が彼を呼んだ。




『おーいっ!土方さーん!』

『ん?原田…平助…』


土方は声の主へ体事振り向いた。

彼の口元に少し安心感があらわれる。原田だけかと思えば

後ろを走る平助が居た。


『俺達も情報、一緒に集めるぜ』

『お前等…』

『智香の事は俺達にも責任がある浚われて三日目…もしかしたら今日何か進展があるかも知れないだろう?』

『原田…』

『そうそう!土方さんって結構一人で背負い込むところが

あるからさぁ~?にひひ』

『有り難うよ』




土方は出来るだけ無愛想に振る舞った。

しかし彼は心のそこから二人に感謝している…

そう話すと三人は散り散りになる。

平助は桝屋。原田は魚売り。土方は質屋。





『桝屋の旦那居るー?』

『なんだ新選組の平助…じゃねぇか…』

『実は人捜ししてんだけど…こんな男二人、見たことないかなぁ?』

『どれ?』





何処かよそよそしい桝屋の主人。

だが藤堂はこの暑さでバテて居るのだろうと思っていた。

この暑い中元気なのは智香と新八くらいだろう…いや…沖田もそうだろう…。

そう考えていると桝屋の主人が二人の事を知っていた。




『平拔依と樋口の旦那だな?』

『知ってるのかっ?!こいつ等の居場所とか知らないか?!』

『悪いなぁ…そこまでは知らなんだ…』






桝屋の主人の表情からは本当に知らないと見られる。主人の話だと前に客として

訪れたとの事だった。





『はぁ…掴めたと思ったんだけどなぁ…』






一方、原田はというと…。





『この魚、鰹か?』

『へい!今が旬ですぜ?』

『ほう。あ、それと一つ訊きたいんだけどよ?いいか?』

『構わないよ』

『悪いな暑い中…実はこの二人知らないか?居場所とか』

『…知ってます。確か今あの丘の上の屋敷に居るよ』

『本当かっ?!』

『へい。松尾の旦那の屋敷です』

『松尾…訊いたことがあるな。結構悪さを働く…』

『その旦那だよ。少し前に魚を届ける様謂われたんで、行ったんですなぁ〜。その時その似顔絵の二人が中へ入って行ったんです』

『ありがとうよ。その鰹、一匹貰おうか』

『ありがとうございます』





原田は鰹を頼んだが

持ち帰る事が出来ない為、後で新選組の屯所まで持ってきてもらえるよう手配した。






『居た居た!土方さん!平助!』

『原田…どうだった?俺と平助は有力な情報は得られなかった…こいつらの名を知っていた位だ…』




平助と土方が溜め息をつくの見た原田はにんまりとした表情で

力瘤(ちからこぶ)を作り手を乗せると二人へ向かって知らせた。



『仕入れてきたぜ!樋口と平拔依が今居る所!』

『『本当かっ?!』』




原田が思っていた通りのリアクションだった。

彼は話を続ける。東にある丘を指し大体の松尾の屋敷がる

方角を指し示す。



『ああ。あの丘の上の松尾の屋敷だそうだ』

『松尾…あの松尾か!』

『悪さばかりしてるあの…?』




平助は確認するかのように土方と原田へ訊く。



『そうだ』

『一度屯所へ戻るぞ。近藤さんに知らせるんだ行くぞっ!』

『おう!』

『おうよっ!』



丘を見ながら土方は険しい目で松尾の思い出しながら

屯所へ戻ることを二人へ命令を出した。

ゲラゲラと笑う松尾の顔が目に浮かぶと怒りが込み上げてきた。



その頃沖田は土方達同様

智香を攫った奴らの屋敷を探していた。

丘の近くで松尾の隊士を見かけると草村の中へ姿を隠した。





『あの娘、恐らく斬られるだろうな』

『そうだ。けど、判らんぞ?主様の側室につけるかも知れん』

『そうだな。どの道可哀想な娘だ』

『斬られるか喰われるかか…』

『沖田という奴は斬れとのことだったな?』

『簡単にはいかんだろうなぁ…あの沖田は剣の腕はいいと噂だ』

『樋口の旦那もいいらしいしなぁ』






ー『もっと強くなれ』ー






その言葉が蘇る。

沖田は相手の出方を見る事にする。

早く智香を助け出したいが、今の沖田では樋口に負ける。そんな予感した。





『ひとまず屯所に戻るか…さっきの知らせないと』






決まると沖田は屯所へ戻って行った。

帰り道連れ去られた時の事を沖田は反省していた。

一方的に土方、近藤、原田や平助達に

怒りをぶつけてしまった事。







『大人気なかったなぁ…』






沈む夕日が遅い刻だと知らせさていた。





屯所へ戻ると土方と近藤が何やら

話しをしていた。

沖田は二人に声をかける。





『土方さん?二人で何を話してるんですか?』

『総司…実はさっきこいつらの居場所を訊きに町に行ってきたんだ。そして突き止めた』

『それで、少し前に戻ったトシが俺の所へ来たって訳さ』

『ふぅん。僕もさっき丘の近くで隊士達が話してるのを訊いたんですよ。樋口の名前が出て来たんだよね?』






ふぅ…。と溜め息をつくとまた話始める。





『智香ちゃん…斬られるとか…それか…松尾の側室になるとか』

『なんだって?』

『総司、それは本当なんだよな?』

『本当ですよ。後…僕を斬るとかも謂っていましたね』

『…近藤さん…』

『ああ…総司、皆を集めてくれ。トシの話からも松尾が出て来た。あの毒もそいつの可能性が高い』

『ですよね?判りました』






沖田は近藤に謂われた通り

皆を大広間へ来るよう伝える。


そして、近藤から全てを知らされた。

隊士も集められる。

近藤を中心に、原田、平助、土方、近藤、沖田、斉藤、永倉が隊士達の前へ立つ。







『皆!我々新選組が彼女を助け松尾をお縄にする!それと呉々も命を落とすことの無いよう頼むぞっ!』

『『はいっ!』』




『…総司』

『うん?』

『死ぬな』

『近藤さん…勿論です』








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