おわりのはじまり
某掲示板に書き散らしていた小説を修正、転載したものです
2013年8月某日、地球上の全人類の脳内に、あるメッセージが同時に響き渡った。
「好きな時に願い事をしてください♪ どんな願いでも現実になります。ただし、一人一回なのでよく考えて決めてね!」
数瞬の後、天国の門と地獄の釜の蓋がパカパカ開きだし、神とかサタンとか仏陀とか閻魔大王が、そこら中に降臨し始めた。
熾天使や智天使、マンモン、ベリアル、ベルゼバブらが雲霞のように湧いては小競り合いを始めた。
東京には銀河帝国一恒河沙の怪獣軍団が襲来し、アストロノミカルユニットロボ『バスターアルティメス』初号機~萬号機がこれを迎撃、人類昇華計画を完遂した。
地球は何千万回も核の炎に包まれたり、フォトンベルトに突っ込んだり、次元上昇したり、ディメンションクリーナーで洗浄されたりした。
世界は何百億スレッドにも分岐して観測者達を圧倒し、
「あー、なんか収集つかなくなっちゃったー」
と思った観測者は、自らの手でぶちっと『スイッチ』を切った。
そうしてこれは、その刹那、混乱の地上を逃げまどうばかりだった無力な少女の物語。
彼女が起こした、ささやかな『奇跡』の話をしよう。