3話〈何でお前が・・・・・・〉【後編】
時は変わって、放課後!
俺は一人で屋上に行く。と言うか音条から逃げながら屋上に来た。
ドアを開けると火斬が一人で待っていた。まあ。それを条件に返してやる約束だったからな!
俺の能力はなるべくバレないようにしたい。特に音条には。
「約束は、キッチリ守った!返してくれるんだよな!?」
「ああ!返してやるよ」
俺は火斬の背後に回り、背中に両手を当てる。返すのは簡単だ!でも、奪うのは難しい。
「返してやったぞ!」
「確かに返してもらった。じゃあ、またな」
火斬は能力が返ってきた事を確認し、屋上から姿を消した。
少し休んでいくか。俺は屋上に置いてある、椅子に座る。
「音条を守かぁ~」
どんなやつが狙ってるかが分からないのが厄介だなぁ。俺は自然と音条のことを考えていた。
何かがこっちに飛んでくる気配、俺は椅子を盾にするように後ろに身を潜める。
『グサッ!』椅子に何が刺さる音がした。
俺は椅子を確かめるが、何かが刺り濡れた後があったがそれ以外、証拠?みたいなもんが一切なかった。
まさか、俺が狙われているのか?
いや、そんなことは絶対にないはずだ。そんなことを考えながら椅子を見ていたとき、濡れていた場所から文字が浮かんでくる。
『音条優奈は、私がもらう事にした! M』
いちいち報告ありがとうございますMさん。言わなかったら分からないことなのに俺に報告するなんて、バカなやつだ!
『ガチャッ』ドアが開く音が聞こえる。
「やっぱり、ここに居たんですね修也さん!」
「悪いかよ!」
俺は椅子を隠しながら音条がこっちに来るのを待っていた。
「何かあったんですか?」
「ちょっと涼みにな!」
待て!さっきの報告からして音条を狙っているやつが近くにいるんじゃないのか?
「音条・・・危ねぇ!」
「何でです・・・・・・」
くっそー、遅かったか。
音条は口を抑えられ、気絶する。
「音条~!!」
「バカなやつだ!伽藍修也、さっき報告しただろう!音条をもらうと」
この声、どこかで聞いた事があるような・・・そんなことを考えている場合じゃなかった、守って約束したのに・・・・・・俺って情けないなぁ。
まあいい。今からでも遅くはないはずだ。待ってろ音条、今から助けてやる。
「音条をどうするつもりだ!」
「決まってるじゃない!生き返らせるのよ闇の能力者達を!」
闇の能力?聞いたことはある、確か昔この国を滅ぼそうとしたやつらだっかな?
「何でそんなやつらを生き返らせるんだ!!」
「この国の人々がウザイからに決まってるじゃない!」
「まあいい。音条を連れて行きたかったら俺を倒してから行け!」
「もっともそのつもりだっが、伽藍修也、貴様には、ここで死んでもらう」
「俺はそんな簡単には、死なないぜ!」
仮面をかぶったやつは音条を安全な場所に置く。
「名はミルハルル!お前に名乗るまでもなかったが、教えといてやる」
名を名乗ると両手から氷で造った剣を持つ。
「お前は水とテレポートの能力だろ!だから貴様には、勝ち目がないんだよ伽藍修也!」
「それは、どうかな!?」
俺はそう言いながら片手に水で造った剣を持つ。アイツの能力が氷だけな訳がない!ここは俺も隠しつつ違う能力を使うか!
俺はテレポートでミルハルルの後ろに行き剣を縦に振る。
ミルハルルは俺がどこにくるか分かっていたかのように俺の剣の動きを両剣で止めると同時に腹部に強烈なキックをくらい、俺は蹴り飛ばされフェンスにぶつかる。
やっぱり、普通に闘うと本当に死んじまうな。俺はすぐに立ち上がる。
「・・・・・・?」
ミルハルルの姿がない。
俺は音条がいる方を見る。音条はまだ連れて行かれてない。じゃあどこに!?
「お前がいると邪魔なんだよ!」
ミルハルルは俺の後ろに姿を出し剣を振るう。やべー間に合わない!
俺は一つを剣で止め、もう一つの剣を手で掴みやり返そうと蹴りをいれようとした瞬間、ミルハルルの姿が消える。
やばいなぁ。俺は左手から血が流れてくるのを見ながらどうするか考える。
「次は逃がさないよ!」
ミルハルルは離れた所から姿を現し、何かをたくさん造っているよいに見える。
「そんなもんじゃ俺は死なねぇー!」
俺は左手にも水の剣を造り、飛んで来るのを待つ。しかし飛ばす気配がなければやってくる気配もない。俺はテレポートを使い少し近づく。
「何っ・・・・・・!」
「バカなやつだ!」
俺はまんまと騙され、ミルハルルの罠にかかる。360度見渡す限りに鋭い剣が俺の方に向いている。これは、もう使わないと死んじまう。
「今から本気で行くぜ!」
「今までが、本気じゃなかったとでも言うのか!?でも伽藍修也!お前は・・・・・・」
俺は水で造った剣を捨て、目を閉じ火の能力を解放し、体全体に火を纏う。それにより氷はどんどん溶けて行く。
「なっ何故だ!何故、火の能力を使えるんだ!」
俺は火の剣を両手に持ち、テレポートでミルハルルの前に行き剣を振るう。
「なめるなぁ~!」
ミルハルルは両剣で止めながら大声で言う。
蹴りが来ると危ないので俺は後ろに下がる。ミルハルルは両手をアスファルトに置き、勝ったかのように笑みを浮かべる。
これは・・・火斬がやったような能力か!?
次の瞬間アスファルトから氷の刃が次々と出てくる。出てくるのは、分かっていたが避けるのは、とても難しい。俺の制服はボロボロに破れ血が流れているのが見える。
俺はテレポートでミルハルルの背後に回り火球を投げ、ミルハルルに当てる。
ミルハルルは服がボロボロになり仮面がポロッと取れる。
「何でお前が・・・・・・」
「仕方ないでしょ!私は音条さんを連れて行かないとダメなの!・・・・・・弟が人質に取られてるの!」
「だからって美春!そいつは誰なんだ!俺がぶっ飛ばしてやるから!」
美春は首を横に振り答えようとしない。
「俺がお前も弟も守ってやる!だから教えてくれ!誰なんだ?弟を人質に取っているやつは!!」
「私にも分からないの!」
美春は涙を流しながら答える。
「事情はわかった。だから今日はこれで終わりだ!いいなぁ美春!」
美春は頷き姿を消した。
まさか、美春の弟が人質に取られていた何て・・・・・・。
どうでしたか?
感想、よろしくお願いします。(^O^)/