2話〈狙われているのか?〉【前編】
「パートナーになって下さい!」
「もう・・・・・・あなたしか頼れる人がいないんです」
「ありがとうございます」
彼女の言葉が頭?能で再生される。
学校の決まりで誰かとパートナーを組まないとだめなんだが、こんなに早く俺にパートナーが出来るとわな。
俺には、『パートナーなんかいらない!』そう心の中で思い込ませていた。
でも、彼女なら信じてくれるような気がする。俺の能力の正体?を。
俺はベットにゴロゴロしながらそんなことを考えていた。
『トントン』
「お兄ちゃん!・・・・・・ご飯出来たよ」
「おう!今行くよ」
俺はドアを開け自分の部屋からリビングへ移動する。
「お兄ちゃんが好きなカレーだよ!」
なんと気が利く妹なんだ。涙が流れてくる。
「ありがとうな美香!」
「何かあったのお兄ちゃん?」
「いや、いつも任せて悪いなって思えて」
俺の好きなカレーを作ってくれたのは、俺の妹の美香だ!俺達は小さい時に両親を亡くしている。この話はしたくないからここで終わりだ。
ついでに言うと美香は能力をまだ持っていない。どちらかと言うと能力何て持って欲しくない。
「好きでやってるんだから気にしないでお兄ちゃん!」
「とにかくありがとうな!」
「うん!!」
妹の笑顔を見れてお兄ちゃんは嬉しいよ。
『いただきます』
俺は作ってくれたカレーを口に入れる。やっぱり妹の作ってくれる料理の中でカレーはトップ3に入るな。
俺はすぐにカレーをたいらげてしまった。
「ふー。うまかった」
「本当?本当に美味しいかった?」
「美香が作るものは何でも美味しいよ」
美香の顔が少し赤くなる。よほど嬉しいらしい。
俺は美香の食器も台所に持って行く。美香はいつも俺より先に食べ終えて食器を洗おうとする。だから今日は俺が食器を洗うため美香よりも早く食べ終えた。
「お兄ちゃん!私がやるから」
美香は慌てて台所にやってくる。
「今日は俺がやるから休んでてくれ!」
美香は素直に頷き、ソファーに座る。
俺は食器を洗い終え、椅子に座り美香が見ているバラエティー番組を一緒に見る。
時間と言うものは早い。テレビを見ていただけでもう十時になっている。
「俺はもう寝るよ!」
「おやすみ、お兄ちゃん!」
元気がいい妹で良かった良かった。
俺は自分の部屋に戻り眠りについたのだった。