プロローグ ⅱ
チャイムが鳴るまでに学校に入れたのは奇跡と言っていいだろう。
俺は静かになった廊下を通り教室の前までやってきたのだが、何故か今日は教室の中が騒がしかった。
「音条優奈です。よろしくお願いします!」
転校生?早すぎだろ!!
まだ、学校が始まって三日目だぞ!何があったら転校が出来るんだ?出来るもんなら俺も転校したいなぁ。そんな事を思いながら教室のドアを開けた。
『・・・あーっ!!』
何でよりによって今朝?って言うかさっき会った彼女なんだよ!!
まあ。見たことない奴だなぁ~とは思ったが、まさかなぁ。
「落として行ったぞ!」
俺は彼女が落として行ったハンカチを差し出す。
彼女は慌ててバックを確認し、俺の手にあるハンカチを素早くとる。
「あっ・・・ありがとうございますっ!」
「ああ。これでさっきの話は無しだよな!?」
「それは困ります!」
何でなんだよ!!ちゃんと落とし物を拾って、持ってきてやったのによ。
『ヒュー・ヒュー!!』
何で盛り上がってるんだ?お前らはバカなのか?
「修也!!・・・どんな関係なの?」
「いや・・・別に、どんな関係でもないし」
「じゃー何なのよ!友達?」
何で友達とかになるんだ?訳が分からん。
「たまたま、朝に会っただけだ!何か他にあるか美春?」
「いや・・・無いけど」
俺の事になると直ぐに首を突っ込んでくる。やっかいな奴だ。
この話はもう止めておこう。先生がとても困っているからな。
「音条だったか!?さっきの話はまた後でな!」
「わっ・・・分かりました」
先生はやっと終わったと『ハァー』と深い息を吐き音条優奈に席を教える。
俺も自分の席に座る。そして彼女は横の席に座る。分かっていたが何か辛い、この気持ちが分かるだろうか?
それから直ぐ今日の予定を聞いた。まさか、こんなことになるとはな!泣けてくるぜ。