変なおっさんの巻
鷹が住んでいる街は、街の中心からさほど遠くはない場所にあり
そこから見える巨大な塔は、
世界で最も高い「BABEL」というビル一体型タワーで、
IT企業の「SHINE」が全てを仕切っている。
そして、この街も「SHINE」が管轄している住宅街だ。
まだ朝ということもあり、普段なら人出は少ないはずだが
あの、ただならぬ音に人々は家から出てきたらしい。
道路は
驚く人
電話をしている人
眠たそうにしている人
怒っている人
大勢いる
そんな中を自転車で颯爽と走る
鷹は自慢げな顔だった
家から2000m離れたところに人だかりが出来ていた。
そこからは煙が出来ていた。
そして、自転車を近くに置き
人ごみに入る
そしてやっと見えた場所には
警察が来ていたが
そこにあったのは、
まるでUFOのような物体で
思わず
「うわっ!!」
と叫んでしまっていた。
昔の映画にあった
『未知との遭遇』や『宇宙戦争』のようなUFOの類だ
しかしよく見ると
ジェット機にも見えない
それが宇宙から来たものなのか
地球から来たものなのか
それさえもわからない。
とにかくすごかったのは
その小型さだ、
映画の中のUFOのように巨大でもない
大きさ的に言えば
人が二人乗れるか乗れないかだ
見終わって
記念に「SHINE」製の携帯「touch Me」で写真を一枚とって
帰ろうとして。
人ごみを出た
帰りにコンビニエンスストアに寄り
雑誌と缶コーヒーを買った
途中にある『光公園』で一休みすることにした
公園のベンチに座り缶コーヒーを開ける
カポッ
音が鳴り缶コーヒーの蓋があく
すると目の前に人男が立っていた
見かけない顔に見かけない服。
腰には拳銃のようなものがちらつく
「どうしたんですか?」
僕は聞く
「美味しそうだね」
彼は言う
「それをくれたら僕の秘密を教えてあげる」
彼は言った。
秘密?
おかしいんじゃねえのこのおっさん
意味分かんねえし
でも気になったから
「秘密って、何?」
聞いた、
「それは、くれたら教えてあげる」
渋々コーヒーをあげた
彼は一気に飲み干す
ここまで喉の音が伝わる
相当喉が渇いていたようだ
そして最後の一滴まで絞るように飲む。
「ぷはーーーー」
「美味しかった、ありがとう」
そして僕は話を切り替える。
「あのぅ、それで秘密ってのは?」
まさかないなんて言わねえよなこのおっさん。
「僕の秘密は、・・・・」