26.ちょこ話:ド・貴族!
今回は「ちょこ話」とっても短いです。
「わたくしの名前を、いつまでもトレトレトーレ、などとおっしゃられては困りますわ。そこでわたくしの名前を入れたカードを作りましたの。しっかり覚えてくださいまし」
ある日の朝、突然トルネから声をかけられ、一枚のカードを受け取った。
そこにはタツマキの精巧な図案、そして美しい飾り文字でこう書かれている。
……。
「……よ、読めませ~~ん!」
「裏を! 裏をご覧なさいっ!」
裏には読みやすい文字で、どうやら同じことが書かれていた。
『トルネディアーネア・ド・リドリール・マーリマクルウ』
名字にしっかり『ド』がついていて、なんとも貴族っぽく優雅な響き。
「お~ほっほっほっほ! これが本来の貴族の名前なのですわ~!」
「いいな~、私も名前にドをつけたい!」
「どうせなら、みんなでつけてみませんか?」
「いいな、やってみよう!」
『アーシュラ・ド・スフォルツァーテ』
「やはり、ドのお陰でかなりエレガントな感じがしますわね。男爵から伯爵、といったところですわ」
「かなり良いんだが、やはり私にはドなしの、元のスフォルツァーテの方がしっくりくるな」
『ショミンダ・ド・サーモンネ』
「ええっと……申し訳がないのだけれど、あんまり代わり映えが……ございません……わね?」
「そうですね……。残念だけど仕方ないです」
『キャナリー・ド・イナカモント』
「とても素晴らしいですわ! まるで貴族の芳香がここまで、まさに直球で薫ってくるようですわ~!」
いやもう本当に、鼻にツ~~~ン、と。
「……やっぱりやめとく」
お読みいただきありがとうございます。
これで第四章はおしまいです。次回からは新章!
ここまでお読みいただきました皆様、是非とも感想、評価をお願いします。




