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VTuberをやっている妹のパソコンを勝手に使ったら、配信モードになっていて、視聴者からオルタ化と言われ、私もVTuberデビュー!?  作者: 赤城ハル
第2章

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第41話 報告

 家に帰るや佳奈からテストの結果を聞かれた。

 どうやら私の帰りを待っていたようだ。


「そんなに気になるならスマホで電話してきなさいよ」

「テスト中だったらどうしようと思ったから。てか、そっちが電話してきてよ」

「いやあ、電話で話すことかなって」


 私は2人掛けのソファに座ると佳奈が横に座ってきた。


「で、どうだったの?」

「見事受かったよ」


 私は佳奈に向け、Vサインする。


「良かった……とも言い切れないのよね。私の仕事が増えるし」

「でも諏訪フェスのチケットもゲットだよ」


 ライブ出演する報酬として諏訪フェスのチケットを福原さんから貰った。今回は佳奈の分合わせて2枚分。


「それはどうでもいい」

「なんでよ!?」


 10年以上一度も当たらなかった諏訪フェスのチケットだ。


 それが手に入ったのだ。

 私にとってはとても喜ばしいこと。


 それにたとえ諏訪フェスに興味がなくても、タダでライブに行けるのは嬉しいことではないだろうか?


「富士フェスでこりごりよ」

「でもこっちはペイベックスのアーティストが出演するのよ」

「ん〜、私にとって、これといって好きなアーティストはいないし。それに歌なら家で聞けばいいんじゃない?」

「……あんた、VTuberになってからインドア派になってるわね」


  ◯


 夕食の後、自室のベッドで横たわりながら雑誌を読んでいるとスマホに瀬戸さんから着信があった。


「もしもし?」

『こんばんは。今日って、テストの日だったんでしょ? どうだったの?』

「うん。合格だったよ」

『おお! それはよかったね。これで次のペイベックスVTuberライブに出演ってことよね!?』

「うん。あ! このことは他の人には秘密にね」


 瀬戸さんは誰かにこのことを告げたりはしないと思うけど念のために。


『そこのとこはちゃんと分かってるから。誰にも言わないよ。SNSで発信もしないから安心して』

「お願いね」

『でもこれで宮下さんも立派なペーメンになったってことよね。なんか感慨深いなー』


 瀬戸さんの言うペーメンとはペイベックスVTuber memberのことを指す。それを略してペーメン。


「ええー、何それ。私はペーメンではなかったってこと?」


 そりゃあ赤羽メメの別側面という役割で、バイトみたいなもんだけどさ。しかもきっかけは配信事故。


『だってペーメンはアイドルだもん。宮下さんは歌枠もないし、3Dライブもないんだもん。それにオリジナル曲のリリースもしてないしね』

「ペーメンはアイドルねぇ。やっぱ歌はないと認められないのかー。やっぱ、他の人もどこかで赤羽メメ・オルタを認めてなかったのかな?」

『そんなに気にしないでよ。歌ってなくても問題はなかったんだから』

「でも、ちょっとショックだなー」

『大丈夫だよ。一応VTuberとしてはすでに立派なもんだよ。この前のハリカー大会でも大活躍したんだし。それに歌も特訓して上手くなったんだから、これでライブも成功してバッチリだよ!』


 少し気落ちすると瀬戸さんが励ましてくれた。


「うん。ライブ成功させるために頑張るよ」

『応援してるからね。頑張ってよ!』


  ◯


 瀬戸さんとの通話の後、私は5期生のリーダーである照さんにはテスト結果のことを報告しないといけないなと思って、メッセージでテスト結果を照さんに報告した。


 するとすぐに着信がきた。


「もしもし」

『千鶴、無事テスト受かったんだ』

「はい。なんとか」

『おめでとう。ライブ楽しみにしてるよ』

「どうもです。初ライブですが精一杯頑張ります」


 と私が言うと照さんは吹いた。


『そんなに固くしなくてもいいから。気軽とは言わないけど肩の力を抜いてね』

「はい」

『もし何か気になることがあったら遠慮なく聞いてね』

「ありがとうございます」

『ダンスは佳奈が担当だっけ?』

「はい。私はダンスはまだ下手なので、今回は佳奈がダンスを担当をします」

『佳奈も頑張ってるんだから……って、これだと余計に固くなっちゃうわね。なんていうのかな。ダンスのことは気にせずに気軽に歌いなよ』

「そこは大丈夫です。佳奈を信じて歌います」

『おっ! 姉妹の絆だね。ライブ楽しみにしてるよ』

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