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VTuberをやっている妹のパソコンを勝手に使ったら、配信モードになっていて、視聴者からオルタ化と言われ、私もVTuberデビュー!?  作者: 赤城ハル
第1章

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第40話 本戦について

「これからどうすればいい?」


 私は瀬戸さんに聞いた。


「分からない。まずはSNSの炎上が鎮火をするのを待ちましょう」

「いつ頃、鎮火しそう?」

「う〜ん。分からないわ。ていうか宮下さんは見ないの?」

「マネージャーさんがエゴサーチはしない方が良いって。だから掲示板やSNSを見ないようにしている。今もすごいの?」

「そうねー」


 瀬戸さんはスマホを取り出して、SNSを確認し始める。


「ん? 待って! メメちゃんがSNSでコメントしている」

「なんて?」

「ちょっと待って」


 瀬戸さんはまず一通りざっと読んでいるようだ。長文なのだろうか、読み終わるのに時間がかかった。


「これ!」


 と瀬戸さんはスマホを私に差し向ける。


 私はスマホを受け取り、画面を見る。


『このたび、ペイベックス上半期ハリカー大会予選会において様々な憶測とデマが流れてリスナーの皆様には大変迷惑をかけております。オルタが代わりに出場したのはわたくしめの期末テストが終わっていなかったため頼んだ次第であります。決してネットで書かれているような戦略を考えていたわけではありません』


 謝罪コメントを読み、私は溜め息を吐く。


「別に謝罪しなくても……」


 佳奈は何も間違っていないのに。テスト期間中は仕事は出来ないから私が出ただけなのに。それを私は予選の時に言っていた。


 佳奈もSNSでそのことを告げていたはず。


 それなのにどうして私達の声は届かず、ありもしない誰が最初に言ったのが不明な妄言が一人歩きするのか。

 どんどん膨らむそれに私はどうすれば良いのか。

 黙って鎮火するのを待つだけなのか。


 私はスマホを瀬戸さんに返す。


「んー。それだけではないのよ」

「え?」


 瀬戸さんはメメの次のコメントを表示させる。


 まだ続きがあるの?


『私が本戦に出場することを快く思わない方もおりますので、この度はハリカー大会本戦には私は出場せず、代わりに姉であるオルタに出場させることにいたしました』


 次のコメントは先のコメントの一時間後に投稿されたものだった。


「どうして私を?」

「最初のコメントの反響が原因ね」


 瀬戸さんは最初のコメントに対するSNS利用者の反応コメントを見せる。


 そこにはメメを擁護する声や励ましの声もあるが誹謗中傷の声が割合として多かった。

 それは汚く、読んでいて気分が悪くなる。


「これらの中で『オルタが上手なことを証明せよ』みたいな声が多いのよ。たぶんそれでオルタを出場させることに決めたのね」


 と瀬戸さんは落ち込んだ声で告げる。


「……そんな」


  ◯


「どうして私が? 佳奈が出なよ。あんなデマなんか気にしないでさ」


 家に帰って私は佳奈に聞いた。


「そうはいかないわ。私のせいでペーメンの皆に迷惑をかけてはいけないし。それにハリカー大会本戦が無くなったらそれこそ……」


 佳奈は沈痛な面持ちで答える。


「でも……」

「いいの。どうせ元々辞める気でいたんだもん。優勝して企画を立ち上がてもらおうなんて考えたらバチが当たったのね」

「じゃあ辞めるの?」

「それは……そうなるみたいな……」


 私は大きく息を吸い、


「分かった。私が出るよ。それで勝つよ」

「お姉ちゃん?」

「最後に意地を見せようよ。その後はもうどうにでもなれだよ」

「そうね。もうどうにでもなれよね。お姉ちゃん、頑張ってね」

「駄目だよ」

「え!?」

「優勝したらたぶんまた私が人気が出るよ。だからメメも頑張ろう」

「でもどうやって?」

「それはね──」

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