表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VTuberをやっている妹のパソコンを勝手に使ったら、配信モードになっていて、視聴者からオルタ化と言われ、私もVTuberデビュー!?  作者: 赤城ハル
第4章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

304/324

第103話 グラフリ6日目『割れ窓理論』

「さて、皆、グラフリも残すところ今日合わせてあと3日目。ここからはものすごいドンパチ戦だよ!」


 6日目のギャングチームのミーティング。ギャング拠点の豪邸内にある広いリビングでメテオが声高に宣言する。


「とうとうやるのか」、「ついに」、「まさかアレを使うとは」、「俺、これが終わったらワクドのポテナゲ超特盛セットを1人食いするんだ」

「あれ? みなさん、今後の活動を知っているんですか?」


 私だけ知らないの?


「いや、知らん」、「雰囲気で言っただけ」、「てへり」

「なんだそりゃあ」

「あー、そろそろ本題に入るよ」

「どうぞどうぞ」

「今日の最終目標は市長暗殺だよ。23時に始まる式典の時に決行だよ」


 市長暗殺とか物騒だ。

 でも──。


「最終?」

「オルタ、それはだね、今日は市長暗殺の前にトクリュウやフラッシュロブ、暴動で街をめちゃくちゃにするの。そして警察の数が減ったところで、市長を攻めるんだよ」

「警察の数? 警備や警護の数ではなくて?」

「あちこちで犯罪をやると警察が動くでしょ? 市長を警備するのも警察。つまり犯罪をやればやるほど23時の式典での警備の数が減るという仕組みなの」

 普通はどんな犯罪が街中で発生しようがSPは変わらないけど、ゲーム内では変わるのか。

「だけど、問題はポリスチームよ。彼女達は式典の警備とは関係ないから23時には全員集まると考えて」


 なるほど警備役はNPC役か。


「次に犯罪について説明するね。まずはフラッシュロブについて、不特定多数の人数を集めてコンビニやスーパーで強奪する行為のことよ」


 日本ではあまり認知度は低いがアメリカではネットで子供達が大勢募って、コンビニやスーパーで強奪している。


「次にトクリュウ。これは説明不要ね」


 これもネットでメンバーを集めて、民家や宝石店で強奪する犯罪。ここ最近、日本では有名な犯罪で、若者が何も知らずにネットで応募してしまい、免許証など身分か判明するものを取られて、その後に脅迫を受けて、無理やり犯罪に参加させられるケースが多い。


 フラッシュロブとトクリュウの違いは、フラッシュロブは十数人以上で中には小中学生が目出し帽も被らずに行い。金というよりと食料強奪。中にはストレス発散で犯罪を行う。トクリュウは20歳前後が数名で目出し帽を被って、L字バールやゴルフクラブで金目当てで強盗や強奪。


「暴動は群衆で暴れ回るの」

「質問、それらって大勢の人でやるやつでしょ? 私達だけやるとなると少なくない?」


 ミカエルの質問にメテオは首を振る。


「これらの犯罪に私達は動かない。動くのはNPCよ」

「NPC?」

「私達は指示役。NPCに集まってどこそこを攻めろとか、そういう指示を出すの」

「どうやって指示を?」


 ネネカがNPCの操作法について尋ねる。


「スマホに犯罪誘導アプリがあるから、それを使ってNPCをネットで集めるの。そうそう。NPCはまず市民不満値を上げないといけないからね。これ重要」

「何? その市民不満値って?」

「文字通り、市民の不満を数値化したもの。この市民不満値が高くならないと犯罪誘発や暴動が発生しないの。だからまずは市民不満値を上げないといけない」

「その市民不満値はどのようにして上げるの?」

「それはこの街を汚い街にするのよ」


 メテオが両腕を広げて言う。


「汚い街?」

「ネネカ、割れ窓理論って知ってる?」

「無人のビルに窓ガラスが1つ割れていると徐々に他の窓も割れ始めるというやつよね」


 割れ窓理論。『別にもう1枚ガラス窓が割れてもいいじゃん』という心理から徐々に『もう1枚』と増えていき、『こんだけガラス窓、割れているんだから今さら1枚増えても……』という心理になり、結局は全部の窓ガラスが割れるという話。


「そう。つまり街を汚くしていくと、どんどん治安も悪くなるのよ。そうすれば市民不満値が上がり、犯罪誘発率も上がるということ」

「えーと、要は始めに街を汚くすることが重要ってこと?」

「そう。今から皆には21時半まで街を汚くしてもらうね」

「汚くってどうするの? 外でションベンでもするのか?」


 カフスが聞く。


「違うわよ。てか、そんなことは出来ません」

「人は殺すのに?」

「それはそれ、これはこれ。汚くするにはゴミ箱のゴミを撒き散らしたり、窓ガラスを割ったり、壁にスプレーアートをすること」

「イタズラか」

「でも、ポリスに見つかったら大変だから気をつけね。あいつらも今日が市長暗殺イベントの日だって知ってるから」


 ポリス側が邪魔をしてくるということか。


「こっちがフラッシュロブやトクリュウをすることも知ってるってこと?」


 ネネカの問いにメテオは頷いた。


「だからポリスが街を巡回しているから気をつけね」


 まとめると、警察に見つからずに街を汚して市民の不満値を上げ、アプリで犯罪を指示か。


「これからエリア分けするから。エリア1000番台はミカエル。2000番台は卍……」


 そして──。


「最後、9000番台はオルタ。言っておくけど、仕事を放り出してボートレースで遊ばないように」

「しないよ!」


 どうして私だけ注意されないといけないのか。


「詳しい街の汚し方はアプリ内のヘルプ機能で確認してね」

「質問でござる。スプレーアートとかのやり方知らないでござるが、それもヘルプに載ってるでござるか?」


 卍がスプレーアートについてメテオに尋ねる。私もスプレーアートなんてやったことないため、やり方が知りたかった。


「載ってるよ。色んな街の汚し方も載ってるから見てね」

「分かったでござる」

「では、21時30分までは街を汚しまくってね。犯罪は21時30分以降から始めるよ。ただ、問題なくスムーズに犯罪誘発率が上がったら、時間繰り上げで犯罪を行うよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ