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VTuberをやっている妹のパソコンを勝手に使ったら、配信モードになっていて、視聴者からオルタ化と言われ、私もVTuberデビュー!?  作者: 赤城ハル
第4章

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第38話 ハリカー・メーカー④

『次は……メメ? オルタ? どっちのコース?』

「メメです。走るのは私です」

『おっ! メメのコースか。楽しみだね』


 みはり先輩が楽しみにしている風に言う。


「いやあ、お三方に比べたら私のコースなんて平凡ですよ」

『なによ。私達のコースがおかしいって言いたのかしら?』

「いえいえ、そんな。ミカエル先輩、普通のアイスコースですよ」

『あやしー。あのコース、1番ギミックをたくさん置けるコースよね』

『それじゃあ、始めようか。皆、コース選択してね』


 キセキに促され、コース選択画面で私は佳奈が作ったアイスコースを選択。


 そしてレース画面になり、シグナルが点灯。


 3……2……1。


 きちんとスタートダッシュを決めて、アイスコースを走る。


『さあ、どんなコースなのか楽しみね』


 第1カーブを先頭のキセキが曲がろうとする。それに続いて私達も曲がる。


『ん? え?』、『あれれ?』、『曲がれませんわ』、「なにこれ?」


 私達全員、曲がりきれずにコースアウト。


「ちょっと! どうなってんのよ!?」

「えへへ、路面の滑り度をマックスにしました」

『待って! ブレーキ押しても止まらないんだけど!』


 キセキのカートは止まることなく真っ直ぐ進んでコースアウト。


『曲がれない! 止まらない! 最悪じゃないの!』


 みはり先輩が文句を言う。


「お褒めいただきありがとうございます」

『褒めてねー!』


 なんとかコースを進めていき、スケートリングに近づく。


『どうせスケートリングにモブキャラを大量配置しているんでしょ?』


 キセキが問う。


「はい。ただ、普通には配置してませんよ」

『何があるのかしら?』


 先にミカエル先輩がスケートリングエリアに入った。


『な、な、な、何よこれ?』

「ど、どうしたんです?」


 私達も続いてスケートリングエリアに入った。

 なんとそこにはたくさんの巨大な氷の塊がいくつもあった。


「氷? 違う! 中にモブキャラがいる!?」


 ハリオゲームのモブキャラが氷漬けされていた。


『怖っ! 何よこれ? あ、曲がれない! ちょっ、ぶつかる』


 ミカエル先輩が一つの氷の塊にぶつかるがカートがスピンすることはなかった。


 ただ──氷が砕けて中のモブキャラが現れた。

 そしてそのモブキャラが動き回り、進路妨害を始める。


『ああ、もう! 避けれないし、ぶつかってくるし、ウザい!』

『ミカ、キャラが剥がれているよ』

『あら、ごめんあそば……ぎゃあ!?』


 ミカエル先輩がまた氷の塊にぶつかり、新たなモブキャラを解放させた。


『ちょっと、何増やしてるのよ!』

『みはり先輩、ごめんなさい』


 でも、それはミカエル先輩だけでなく、私達も次々と氷の塊にぶつかり、モブキャラを解放させてしまう。


  ◯


 アイスコースもゴールが近づき、みはり先輩が最後のストレートを1番で走る。


『あれ? 何かいる? サンタ?』

「そうです。サンタを配置しました」

『へえ。他はないね』

「はい。サンタだけです」

『確かアイテムをくれるのよね?』

「…………」

『メメ?』


 私とキセキもカーブを曲がり、最後のストレートに。

 前方にみはり先輩のカートが見える。さらにその前方にサンタの姿が見える。


「あれ? 大きくない?」


 アイテムボックスを配るサンタはそれほど大きくはなかったはず。でも、今は遠くでもサンタの姿が見える。


『というかなぜコース内に?』

「言われてみれば」


 サンタはコース外からトナカイのソリからプレゼントを投げる。

 それがどうしてコース内にいて、かつ立っているのか?


『あっ、サンタが袋に手を突っ込んだ。アイテムボックスゲットー!』


 けれどサンタが取り出したのは爆弾だった。

 しかもサンタが巨大なぶん、爆弾も巨大だった。


『ノーーー!』


 みはり先輩が拒否する。


 サンタはそれを無視してみはり先輩へと投げつけた。


『な、なに、すごい爆発音があったけど?』


 追いついたミカエル先輩が尋ねる。


「サンタが爆弾を投げてきました!」

『な、な、なんですってー!』


 ここはアイスコース。曲がることもスピードを下げることも難しいコース。そこへ佳奈が調整したため、ほぼ回避不可避状態になっていた。

 こうして私達は避けることも出来ずにサンタからの爆弾の餌食になる。


  ◯


『なんでサンタが爆弾を投げるの?』

「キセキさん、それはですね、バグなんですよ」

『バグ?』

「はい。なんかいろいろといじっていたらバグが発生して、あんな風になっちゃったんですよ」


 佳奈が面白そうに笑う。


『なにデバッグやってんのよ!』

「それより2週目頑張ってください。早くクリアしないとスケートリングで大変なことになりますよ」

『え?』


 佳奈の言う通り、2週目ではスケートリングでは大変なことになっていた。


 氷の塊が全て割れて、モブキャラ達が大量に解放されていたのだ。


『この中を走れっていうの!』

「キセキさん、頑張ってください」

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