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VTuberをやっている妹のパソコンを勝手に使ったら、配信モードになっていて、視聴者からオルタ化と言われ、私もVTuberデビュー!?  作者: 赤城ハル
第4章

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第12話 コラボ依頼

 キセキカナウからコラボのお誘いがきた。


 これは世辞ではなく、本当の誘いらしい。それゆえ返事に戸惑った。


 相手は四皇の1人と呼ばれる人だ。蹴るには惜しい人。逆に蹴るとこれから誘われなくなるかもしれない。


 なら、引き受けるのが当たり前。


 けど、私はオルタであって、本当のVTuberではない。それゆえ後ろ髪を引っ張られる感じである。


 とりあえず私は福原さんに相談することにした。


「もしもし相談なんですが、お時間よろしいですか?」

『大丈夫ですよ。何かありました?』

「キセキカナウさんからコラボのオファーが来ました」

『えっ!? え、え、オファー? キセキカナウから!?』


 福原さんが電話越しでも分かるくらい慌てふためく。


「はい。キセキカナウさんからオファーがきました」

『な、内容は?』

「『ハリカーが得意だと聞いたのでハリカーをしよう』とのこと」


 それとキセキカナウから送られた予定日付と配信時間について内容を福原さんに説明した。


『……なるほど』

「どうでしょうか?」

『う〜ん? 宮下さんとしてはどうお考えですか?』

「私ですか? 私は……コラボしてみようかなと」


 大学も今は休講中だから予定配信時間にも問題はない。


『そうですか。分かりました。それでしたらやってみましょう』

「いいんですか?」

『相手はあの四皇の1人ですからね。これは名を上げるチャンスですよ』

「私の名を上げても……」

『これはメメ……いえ、ペーメン全体にも影響があると思いますよ』

「そうですか。でしたらやってみようと思います。あ、そういえば配信はどこでしましょう? またスタジオでしょうか?」


 自宅配信となると佳奈の部屋ということになる。

 佳奈はコロナ感染したから正直まだ佳奈の部屋には入りたくない。


『佳奈さんはもう治っているらしいですし、自宅で配信をなされては?』

「スタジオは使えませんか?」

『分かりました。手筈しておきましょう』


  ◯


 福原さんと通話後、私はキサキカナウさんにコラボを受諾する旨の返事を送った。

 するとすぐにキセキカナウさんからメッセージが届いた。


『急なコラボありがとね』

『いえいえ、全然大丈夫ですよ。大学も休講中ですので暇を持て余していたところです』

『ハリカー楽しみにしてるよ!』

『私もです』


  ◯


 佳奈がノックもなしに部屋に入ってきた。


「ソーシャルディスタンス」


 私に近づこうとする佳奈に向けて私は腕を伸ばす。


「もう治ってるわ!」


 とは言うものの。それでも私は佳奈に距離を取ってもらう。


「で、そんなに慌てて何用?」

「キセキカナウとコラボするらしいじゃん!」

「どこでそれを?」


 考えられるとしたらマネージャーの福原さんかな?


「SNSでキセキカナウが告知してるよ!」


 私はスマホでSNSをチェックした。


 すると佳奈の言う通り、キセキカナウが私とのコラボを告知をしていた。


「本当だ。もう告知している」


 その告知に対して、大勢の人からのコメントが届いている。


『配信楽しみ』、『全裸待機』、『オルタは強いから気をつけてね』、『練習しないと』などたくさんの書き込みで溢れていた。


 トレンドにこそ入ってはいないが、かなり注目されているようだ。


「視聴者参加方なんだよ?」

「そうだよ。さすがに2人だと少ないしね」


 今回のコラボはハリカーで、残りのメンバーは視聴者となっている。


「人集まるかな?」


 集まらずに2人だけのプレイとなるとシュールだ。


「集まるよ。なんせあのキセキカナウだよ」

「それは分かるけど。もしかしたら気後れして観る側にまわるかもしれないし」

「大丈夫よ。というか別のことを気にしたら?」

「別のこと?」

「もしかしたら回線トラブル発生するかもね」

「まっさかー」

「あるかもしれないよ。SNSも盛況だし」


 確かにSNSも盛況だけど、回線がパンクすることなんてあるのかな?


「それとチートプレイヤーとかいるかもしれないから気をつけてね」

「うん。気をつけるよ」

「配信は私の部屋?」

「違う。スタジオ」

「なら、私も参加できるかもね」

「それならキセキカナウさんに私から話を通そうか? 妹も参加したいって」

「いや、それはやめておこう。すでに告知してあるし。ここで私も参加となれば周りが攻撃してくるかもしれないし」

「攻撃?」

「その……コネとか」

「それは……」


 ないとは言い切れない。


「だから私は視聴者枠でなんとか参加してみるよ。倍率は高そうだけど」


  ◯


 佳奈との会話の後、瀬戸さんから連絡がきた。


「どうしたの?」

『どうしたもこうしたもないよ! キセキカナウとコラボだって!』


 瀬戸さんはえらく興奮していた。


「うん。そうなった」

『まじか。しかもハリカーらしいじゃん』

「楽しみにしててね」

『めっちゃ楽しみにしてる。しかも視聴者参加方でしょ。私も参加できるように待機してるから』

「ありがと。佳奈も視聴者枠で参加する気だから」

『ぬふぉ! メメちゃんと! まじか! うおぉぉぉ! しゃあぁぁぁ!』


 瀬戸さんがさらに興奮した。


「落ち着いてよ。怖いよ」

『私、奇跡を信じて待つよ!』

「う、うん」

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