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プロローグ
「何これ? あれ? 動いてる?」
レポート作成のために妹のパソコンを拝借して画面を点けたら、金髪のアニメキャラクターがいた。
私が首を傾げたり、手を振るとキャラクターも同じ行動をとる。
そして右上にコメント欄があった。
『おーい!』
『メメちゃん、どうしたの?』
『大丈夫?』
『ハロハロー』
なんだこれ? ……もしかしてVTuberってやつ?
「ええと……どうしよ? 切るべきかな?」
『誰?』
『声が違う』
『まじで?』
『これはオルタ化だ』
『誰ですか?』
「え、あ、姉です。すみません。切りますね」
『姉きたー!』
『本物?』
『赤羽メメは?』
「赤羽メメ?」
『妹さんの名前だよー』
ああ! VTuberのね。はいはい。
「ええと美容院に行ってまして……」
『配信忘れて?』
『俺達のこと忘れて?』
『ぴえん』
「さあ? でも、だいぶ前なのでもうすぐ帰ってくるかと?」
『それじゃあメメちゃんの代わりにお姉さんが実況だ!』
『そうだ! 責任取れ!』
『実況GO!』
『認知してください』
『オルタちゃんGO!』
「ええ!?」