47.いざ!!調査開始なのです!!
総合ユニーク数が15,000人を突破しておりました!!
たくさんの方に読んでいただけて、本当に感謝感謝です!!(>人<*)
以前お屋敷の場所を知るために、一度だけお邪魔したことがあるバッタール宮中伯邸。
外から見ると、一見何の変哲もないように思えるのですけれども……
『お庭のあちらこちらが荒れておりますわね。手入れが行き届いていない証拠ですわ』
けれど宮中伯ともあろうお方が、資金や人手が不足しているなどということはないでしょうし。
となれば、そもそもバッタール宮中伯はそこまで気にしないお方なのか。
『ただ本来でしたら、夫人のお仕事のはずなのですが』
それにお屋敷の中で働く使用人の数も、外から少し見ただけですが明らかに少ないようにお見受けしましたわ。どう考えても、明らかにお屋敷の大きさと人数が見合っておりませんもの。
正しい維持が、なされていない。そうとしか思えませんでした。
ですから、今日こそはその理由を解き明かしてみせますわ!
『いざ!!調査開始なのです!!』
えいえいおー!と、一人気合を入れて。まずはお屋敷の端から端まで、色々と見て回ることにいたしましょう!
と、意気込んだはずなのですが……。
『ほとんどのお部屋が使われていないなんて……どういうことですの!?』
数日間、色々なお部屋を見て回ったというのに!
これではまるで幽霊屋敷ではないですか!!いえ!幽霊はわたくしの方ですけれども!!
それともバッタール宮中伯は、お屋敷を手放すおつもりですの!?
それに!!
『どうしてどこにも、夫人がいらっしゃらないのですか!!』
お出かけ中、ということではなさそうでした。
だってお部屋にドレスやお化粧道具はあるんですもの。明らかにバッタール宮中伯が生活しているであろう、夫婦の寝室らしき場所が。
にもかかわらず!!そのお姿は影も形も見えないのですから!
『どういう、ことなのでしょうか?離縁した、ということではなさそうですが……』
困りましたわね。使用人たちも毎日忙しそうに働いていて、おしゃべり一つしていませんでしたし。
むしろ一人で担当する場所が広すぎて、皆さんほぼお一人で働いていらっしゃるのですもの。これでは情報を得られませんわ。
しかもバッタール宮中伯ご本人は、ここ数日お帰りが遅くて。食事と睡眠だけをとりに戻ってきているように見えるのですもの。
『もう外はとっくに暗くなっていますのよ?一体何をなさっておられるのでしょうね』
そこまでお忙しいわけではなかったと思うのですが。
こんなことになるのなら、毎日お屋敷でお戻りになるのを待たなくてもよかったかもしれませんわね。宮中伯なので、どこかへお出かけということではないと思いますが――
「旦那様がお帰りになられました」
『まぁ!それはお出迎えに行かなければいけませんわね!』
お屋敷の中も十分見て回れましたし、いつもよりもずっと早いお戻りですし。むしろちょうど良かったかもしれませんわ!
先ほどまでの後悔?必要なかったようですもの。これはこれで問題ないのです。
それにしても、あの使用人の男性は全員にそれを伝えに行っているようですわね。けれど言われた側は、特にお出迎えに向かう様子もありませんし。
一体、何のためにそんなことをしていらっしゃるのでしょうね?
『疑問は次々と湧いてきますけれど、まずはバッタール宮中伯にお会いしなければ始まりませんよね』
壁抜けはしないように探索をしていたので、玄関ホールまでの道のりは既に覚えておりますわ。
一度外に出てしまった方が、本当は早いのかもしれませんけれど。今はそんなに急いでもいませんし。
『さぁ、バッタール宮中伯。今、幽霊が参りますわよ』
物語の幽霊は、人を呪い殺したりすることもありますが。わたくしはそんなことは出来ませんもの。
代わりに、誰にも知られてはいけない秘密を暴きにいきますわ!!