表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/50

*

瞬くんのマンションは駅近のとても綺麗な建物だった。エントランスホールも落ち着いた明かりの照明が柔らかく照らし、高級そうな造りをしている。


瞬くんの家に上がるのは初めてだ。

一人暮らしをしているとは聞いていたけど、こんなに立派なマンションだとは思わなかった。

そういえば男の人の家にお邪魔するのも初めてかもしれない。


リビングにはシンプルなローソファとローテーブルが置かれていて、とてもスタイリッシュだった。


「クッキー食べてもいい?」


ソファに座って、瞬くんは先ほど私が渡したクッキーの箱を取り出した。しゅるしゅるとリボンをほどく。それを見ているだけで私は緊張する。ちゃんと味見はしたけど、やっぱり心配になってしまう。瞬くんの口に合うだろうか。

瞬くんは長い指でクッキーをつまむと、躊躇いもせずパクリと口に入れた。


「旨い。すごく!」


「ほんと?よかった。」


瞬くんの言葉に、私はほっと胸を撫で下ろした。やっぱり美味しいと言ってもらえると嬉しいものだ。


「手作りのお菓子なんて初めて食べた。」


「そうなの?」


「うん、だからすごく嬉しいというか、感動というか。カードも。」


「でもなんか子供っぽくて。」


「いや、結衣の気持ちが嬉しい。こんなに心のこもったプレゼント初めてもらった。本当に、ありがとう。」


私の方こそ、こんなにも喜んでもらえて嬉しい。嬉しさのあまり胸がじーんとなる。

胸がいっぱいすぎて、返事の代わりに満面の笑みで応えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ